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一瞬の異臭に一蹴されるような文字の群衆

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すっごい短い台本・短編・メモ・忘れないようにしたい思いつき
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記事一覧

ロボットのワルツ

ワルツというものは男女の体が近接することが大きな特徴である。 しかし、それは穢らわしいと…

舞台の幕間の裏方の泡沫のような会話

(これまで書いてきた話は全て舞台で演じて見たいもの。もしそれを演じている間に、幕間の休憩…

残酷な未来

「よくこれだけの超能力者を集めたな」 「ええ、かなり金を積みました」 研究員は少し血走っ…

強い世界

ある日。 テレビ局に一通の手紙が届いた。数分後にはゴミ箱に投げ捨てられる運命であるその手…

明日の化身

驚いた。夜なぜか不意に目を覚まして、自分の腹が光っていることに気づいた。 それは小さな子…

怪獣の目的

(悪は悪である。宇宙人は侵略のためにやってくるし、恐竜は人間を見ると食い散らかそうとする…

死亡志望の女

(女はふらりとやってきた。窓口に向かい話す。穏やかな春の日で、外では鶯などが鳴いていた。そんな日だった。役場は静まり返っていた。) 私は今できうる限りのおめかしをした。服には限りがあるもので、寿命も存在してしまう。綻びはなぜだか目障りで、建物などは経年劣化も美しさとなるのに服はそうはいかない 桜はもう満開だった。晴れていてよかったわ 窓口の男は丸眼鏡をかけている。これぞ公務員という風体。まあ悪くないわね すみません はい、どうなさいましたか?各種手続きはこちらでお伺

微笑みの惑星

(この星の人間は様々な文明を抱える。そして、その文化にはそれぞれに神を擁し、それぞれの建…

果てしない故郷

(旅は故郷があるからこそ旅立つことができる。故郷のない旅は放浪と名前を変えてしまう。どこ…

雪の中のオーバーオール

(真冬の山は恐ろしい。命などあってないようなものである。しかし、人はスキー場の建設により…

死に体惑星

(資源は有限と言われる。地球人は鉄を掘り、石油を吸い上げ、ダイヤモンドを磨く。これに地球…

事故派遣使

(痛ましく、人の人生が崩れるかもしれない出来事である事故は明日訪れるかもしれない実在する…

羨望鏡

(羨望の眼差しを向けるのは苦しいものだ。眼差しを向ける相手が自分よりも優れていると認めて…

とあるショウガイシャ

(自分の価値を決めるのは自分だけ。当然である。しかし、人を分類するのは学者である。あるものは人種として色で見分けた。あるものは遺伝子で種類を分けた。そして、あるものは病気の有無で健常者と障害者を分けた。そう、違いは病気だけで人は人である。そして、その事実は恐ろしいものである。) さあ、これが手帳だ わかりました。この手帳が認定された証ということですね そうだ。今日から君はケンジョウシャではなくなった まだ、納得はできませんが 君が納得するかしないかはさして問題ではな