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【後半ネタバレ有】火の鳥 大地編 感想

この記事は2021年11月に投稿したものの再投稿です(一度アカウントを消してしまったため……)。ちなみに朝日新聞の連載は読んでいませんでしたので単行本で初見でした。後半はキャラについての所感ですが、ネタバレ有りますのでご注意ください。


【ネタバレ無し感想】

 2021年3月の発売後まもなく手に入れた『火の鳥 大地編』(原案:手塚治虫、著:桜庭一樹)をようやく読み終えた。えらく長い時間かかっとるな……?というのも「読むからには原作漫画の黎明編から総復習しよう」という思いから、ちまちま黎明編から太陽編まで復習していたのである。一編ごとに、読んでは「ほぁ~~……」と放心状態になり捗らない。ますます大地編への道のりが遠く感じられた。

 そうして10月に入りやっと、大地編へと突入した。まずは職場の昼休憩に本を開いた。そこで初めて登場人物紹介を目の当たりにしたのだが、ビジュアルに釘付けになりすぎてほとんど活字のページが読めないまま休憩時間が終了した。
 次に数ページ読んだところで「これは……面白い……!!」と確信した。

  話の舞台となるのは1930年代という動乱の日本・中国。満洲をめぐって日本が軍事力を高めていく頃である。史実に基づきつつ架空のキャラクターたちが動きを進めていく。主要人物には手塚キャラクターがスターシステムで配役されているのだが、台詞や所作の描写に全く違和感が無いことに驚いた。間久部緑郎は大振りな動作で「アーハハハ!」と高笑いし、その弟・間久部正人が静かな表情で思いつめた様子がありありと浮かんでくる。
 火の鳥の存在には16世紀の楼蘭王国、1890年代の日本も大きく関わっている。それが1930年代にどう影響されるのか……?そして謎の美女・マリア、そして財閥総帥・三田村要造の過去。

 息を呑んで何度も前のページを行き来して読んだ。ときおり台詞に現れる中国語(上海語)にロマンを馳せながら。私情を挟むと、自分の祖母が若い頃満洲で暮らしていた時代と被っており一層感慨深いものを感じたのだ。
 史実と辻褄を合わせつつ、時には敢えて辻褄を合わせずにシナリオを組むのはどんなに大変だっただろうと思う。昼休憩に読むと午後はずっと大地編のことで頭がいっぱいだった。読了後の今もまだまだ余韻に浸っている。
 自分はあまり「このシーンはこうしたほうが良かったんじゃないか?」などと疑念を持たず作品を受け入れがちなため、全肯定的な感想になってしまっているだろう。異論を唱えられるだけの提案力や深読みする力も欲しいところだが、とにかく読んで良かったと感じている。……と、大雑把にとりあえず記しておく。



【ネタバレ有りキャラ所感】

雑だし字が汚くてすみません…。読了直後の書き殴りメモです。
多少当時と考えが変わった部分もあるかもしれませんが、また資料とか万全に照らし合わせて再読したい!(いつになるやら)

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