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友だち

「お腹空いた」

「疲れた」

「ってかさ…」


私の向かいに人はいても、共有されている時間を会話とは訳せなかった。

一方通行の独り言。

その連鎖と積み重なりが私の過ごし方だった。


ある日いきなりその連鎖を断ち切る人が現れた。

強引で、面倒な人だった。迷惑だった。


けれどその人は、会話が対話になる音を鳴らした。



だから私は、その人を友だちと呼びたくなった。

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