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はじめに/その1. ライターは記事を書く時に、何を考えながら書いているのか

はじめに

こんにちは。クリエイティブやライフスタイル関連のメディアを中心にライターをしている宇治田エリです。

仕事でもプライベートでも、私たちは普段からあらゆるシーンで文章を書いていますよね。その中には、気軽にサクッと書けちゃう文章もあれば、論理的に考えて書く文章、エモい文章、支離滅裂になりお蔵入りする文章もあります。職業がライターでも、うまく書けないことはしょっちゅうあります。

特に苦手なのは、自分のことについて書く時。社会問題とかと絡めて書こうとすると尚更で、途方に暮れてしまいます。その時感じたありのままの心情は、誰にも見せない日記には書けても、ブログやエッセイで公の目に晒そうとすると途端に難しくなる。なんなんでしょうか。軸もブレブレになります。こういう時、自分はまだまだなんだなと痛感します。

マガジン「右脳的ライター考」は、私自身が文章を書く時に何を考えているのか、そのプロセスを見える化して解説するものです。あくまでも私個人のケースですが、文章を書くのが苦手......と感じている方は、「ふーん、他の人はこうやって考えて書いているんだ」と参考にしていただけたら幸いです。同時に、同業の方もそうでない方も、よかったら「共感できたポイント」や「自分の場合はこうだよ」と、コメントで教えてくれると嬉しいです。文章力アップのために、学び合う場を目指します。

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その1. ライターは記事を書く時に、何を考えながら書いているのか

1回目は、仕事のライティングをする時に何を考えているか。
ライター業といっても、仕事の種類はさまざまなので、この場合一般的な取材記事(取材したお店とか商品とか事柄を伝える系の記事)としましょう。レッツスタート!


①記事のターゲット層・テーマ・目的を考える

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せっかく記事を書くのだから(しかも仕事だし)、やはり人に届く文章を書きたいものです。伝えたいテーマを明確にして、伝える相手を想像して、読んだ後の心の動きや行動までイメージしてみます。

例えばなにかのサービスを記事で紹介するなら、「あ〜言われてみれば、たしかにこんなサービスが欲しかったかも」「このサービスを利用したら、ちょっと暮らしが充実するかも」と感じてもらいたい。さらに「値段も悪くないし利用しよう」と、行動にも移してくれたら大成功。そうしてもらうためにどうしたらいいのか。次へ進みます。

タイトル(仮)や構成を考える

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テーマが決まったら、タイトルを軽く考えておきます。(イラストに書き忘れましたが)このときは(仮)で大丈夫。簡易名札みたいな感覚です。

続いて構成。いわゆる骨子というやつですが、最初に肉だけつけても、体は立つことができないように、最初に骨である構成を考えておかないと取材内容が整理できず、何を言いたいのか良くわからない、まとまりのない文章になってしまいます。

文章のトンマナについても早めにおさえておきます。掲載するメディアがすでにブランディングとしてメディアの色や表記ルールなどを決めていることが多いので、基本的にそれにあわせます。個人的に、トンマナは性格のようなイメージ。この文章も、友達感覚で気軽に読んで欲しいので、ですます調(敬体)でやわらかさを出しつつ、話し言葉もミックスしてくだけた感じのトーンにしています。

③見出しを考える

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見出しは構成とほぼ同じタイミングで考えますが、使っている頭がちょっと違う気がします。「ここの項目で言いたいことは、一言でいうと何?」みたいな、クイズ番組感覚でベベベッと決めて、あとで書いた内容とギャップがあるなと思ったら考え直します。

画像もある程度絞って、ぽんぽんと適当に置けそうな場所置いておきます(編集さんがやってくれる場合もあるけど)。画像まで置くと記事の完成像が結構見えてくるので、流れに違和感があったら構成に戻って調整します。

④やればいいだけなのに「やりたくない病」の発作が起こる

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あとは書くだけ......って思うじゃないですか。
そうなんですけど、なぜかここら辺の段階で本気でやる気がなくなります。ライターかけ出しのころは、ベテランの方から「取材は楽しいけど、書き出すまでがほんっと億劫なんだよね」と聞いて意味がわからなかったのですが、月日が流れるにつれて私もそうなりました。なんならもっとひどいのかも。打開策を知りたい。

⑤書いて書いて書きまくる

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軽く運動したり、おやつ食べたり、寝たり、メディテーションしてみたり、いろいろアプローチしてなんとか立ち直ったら、ようやく執筆作業開始です(ここまでに数日かかることもある)。書くことはほぼ決まっているので、リード文、見出しの中の文、締めの文まで、一気に書き上げます。マラソン大会みたいな感じで、よーいドンで指と脳を高速で働かせはじめます。疲れて心が折れそうになっても、頭の中の声援が背中を押してくれます。「ガンバッテ!ここで止まったら、提出遅れちゃうから!」と。数時間後、なんとか書き終わります。達成感が半端ないです。でもここであまりにも疲れるのがわかっているから、④の発作が起こるのかもしれないですね。うーん。

⑥部分と全体をみながら、確認と調整をしつこめにやる

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基本的に、私は一発で完璧な文章は書けません。読み返すと内容が重複していたり、わかりにくい表現、誤字脱字、表記統一できていないところが結構見つかります。大きなところから小さなところまで、記事全体が整うまで消したり書いたり入れ替えたりして調整しています。

こういう作業、デッサンとすごく似ているんですよね。一通り描いてから練りけしで消したり描いたりして整える感じ。たぶんこの作業が好きだからしつこめにやっているんだと思います。他にも共通点がたくさんあるので、また別の機会に解説したいです。

ここでタイトルもちゃんと付けます。タイトルはコピーライティングの練習だと思って、なるべく候補をたくさん出してから決めています。

⑥後ろ髪引かれつつも提出

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仕事だと〆切があるので、文章をずーっといじっているわけにはいきません。私の場合取材から提出までがだいたい1週間位なので、時間もあまり余裕がないです。脳みそがふやふやにふやけて、目もカッスカスに乾いたらもう編集さんにパスします。本当は表記統一とか完璧にして出したいですけど、目が生き返るまでに時間がかかるので提出しちゃうことが多いです。編集の方、いつもありがとうございます。

というわけで、ライティング考の第1回目は、取材記事を書く時に考えていることでした!

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