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 写真が好きで俳句も好きで、見たものを写真と言葉の両方で伝えたいと思って、こんなものを創っています。
 一応、文章は俳句の形をとり、定形、文語現代語は混在、季語は写真でわかるのでこだわらず、気ままに作っています。
 連作の写真も句も多いです。
 
 とりあえず、こんな形で一つ発表してみます。

 気に入って楽しんでいただけたらと思っています。


【初陽富士】

 もう20年近く前から元旦には富士の初陽を撮影に行っています。
 私の住む箱根西麓の地には富士の全貌を見晴らせる場所があるのです。
 元旦の凍るような寒さと静けさの中で富士の嶺に初日が射すのを待つ時間というのは貴重な時間であるように思えます。
 初めに富士の上空の空が赤いモヤのように染まり始め、それが徐々に降りてきて、富士の嶺に到達すると、白い雪が紅く染まるのです。
 何度見ても心の引き締まる瞬間です。

【箱根西麓2022】

 2022年3月に職を辞し、新幹線通勤も終えて、箱根山の西麓の地にこもることになりました。
 ほとんど出かけることなく、庭仕事をしたり、家の周りを昼間から散策したりしていると、自分がなんて美しい所に住んでいたんだろうと驚きの連続でした。
 この地のそして日本の四季の移り変わりの美しさに改めて気づかされたこの年はとても大切な年になりました。

4月 富士残照

 正面に富士が見え、その左には愛鷹連峰が連なります。
 家にいることが多くなってから、空をみることが増えました。

5月 初夏の恵み  梅、山椒

 四季さまざまに草や木が芽を吹き、葉を拡げ、花が咲き、実を付けて、それが実ってささやかな収穫をもたらせてくれます。
 ふぞろいでも良いのです。

6月 フェイジョアの花 

 フェイジョアは南米原産で秋に収穫される美味しいトロピカルフルーツです。寒さに強いので日本でも露地栽培ができます。6月に咲くフェイジョアの花は綺麗なだけではなく花びらが柔らかくほんのり甘くて食べられるのです。

 *柘榴の花

 *梅雨の晴れ間

 *山桃熟れる

7月 夏草と空

 *夏仕事

 *胡瓜

 *夏の朝

8月 雲走る   

 *蜩の鳴く頃

【異郷にて】

 すごい朝焼けに出合いました。

【青空の下の山茶花】

 ふと通りかかった峠で出会った山茶花は内から光を発しているように見えそのまま通り過ぎることができませんでした。

【夢の花野】2010 秋

 荘子の「胡蝶の夢」というお話があります。荘子が夢で胡蝶になり花園を飛び回った。夢から覚めた荘子は、荘子が胡蝶の夢を見たのか、胡蝶が荘子の夢を見ているのか疑ったという。
 懐かしい夢を見てそのまま覚めないでほしいと思うことがあります。

【感傷旅行2010】

 桜が咲くのを見るたびに、また一年が過ぎ去ったことに驚かされます。

【こどもたち】

 一茶の句が好きで句集を買いました。めくってもめくっても響く句がないのです。大先輩にそんな話をすると、そうなんです一茶は駄作ばかりんなんですよ、と言われました。けれどその中に光を放つ句がある、のですね。
 子供のことを詠んだものにそんな句が多いように思えます。

【その春の傷あと】

 2011年3月11日、この日を忘れることはないでしょう。
 私のようなものでも、俳句なんかやっていられないと思ったのです。
 桜も今年だけは喪に服して咲くのはやめてくれと願ったものでした。
 けれど桜は容赦なく咲いたのでした。
 そして命を限りに咲く花はどうしようもなく美しかったのでした。
 藍微塵は勿忘草の別名です。

【健さんも文太も】

 2014年の年末に健さんが亡くなり、後を追うように菅原文太もなくなりました。

#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

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