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医療の現場で多様性の重要性を学び、ヒトゲノム研究をするに至るまで

東京大学大学院新領域創成科学研究科
鎌谷洋一郎

医師から研究へ

 鎌谷洋一郎と言います。東京大学大学院新領域創成科学研究科にて教授をしています。DNAと、病気や身長など人の特徴の関わりを研究しています。2002年に千葉大学医学部を卒業し、医師になりました。2006年に東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程に入学して研究について学びました。学んだ知識をもとに、大学院を出たあとは現場の医師に戻るつもりだったのですが、色々ありまして、パリに留学したりなど時の流れに身を任せてそのまま研究を続け、結果として出身大学院にて研究の教授職を拝命いたしました。教室名は複雑形質ゲノム解析分野、というものです。この教室名は、色々な人に相談しながら数ヶ月はかけて決めたので、思い入れがあります。大事に育てていきたいです。我々が行っている研究は、例えば糖尿病と言っても、糖尿病という一つの病気があって一つの治療があるのではなく、患者さん一人一人が少しずつ違う種を持つのであり、その花をどのように治療していくかを一生懸命考えていくような医療を目指し、その一助になりたい、というものです。

誰もが一つの理想的な人生を目指す必要はない

 基本的に私は怠惰で自堕落な人間なのですが、修行中はなぜか、最も厳しくて忙しく、休む暇もないブラックな職場を求める傾向がありました。今では私も立場があるので、いかにブラックであったか、その内容をここではあまり詳しく記すことができませんが。。。今の私を形作っているのは、そういった汗と涙であるわけですが、地域医療の核たる地方病院での研修、並びにヒトゲノム研究の経験、そして留学先のパリでの経験は、私に、人間とは多様なものだということを教えてくれました。そして多様なのだから、誰もが一つの理想的な人生を目指す必要はないのだと思います。一人一人の多様性を尊重し、それぞれの可能性を伸ばして生きていけるような社会になるといいなと思います。私のできることは、そのうち、多様性を考慮した医療の実現に向けて何らかの貢献をしていくことです。また、現場や研究でそのような取り組みに携わる人材を育てられるよう、若手教育に尽力したいと思っています。


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