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蒔糊友禅の作家さんと着物①


2023年9月、蒔糊友禅(マキノリ ユウゼン)という伝統防染糊技法の継承者である
陣内久紹(じんのうちひさつぐ)氏が亡くなった。
佐賀県小城市出身の生粋の美術少年だった久紹氏は京都で故森口華弘氏に師事、独立して数多くの工芸展への出品と蒔き糊友禅作品を多く製作した。

2024年5月下旬、小城市歴史資料館にて追悼個展がありその足跡を辿り、作品の素晴らしさと真摯に生涯を掛けて染めを追求したその姿勢に触れてきた。

陣内久紹氏との出会いはこの追悼展からちょうど10年前
京都市右京区の北にあった茅葺古民家ギャラリー『日下部邸』での個展。
蒔糊友禅の作家さんと着物②』に編集しなおして投稿。

そして2024年5月、陣内久紹氏を偲ぶ会が開催。
その様子は『蒔糊友禅の作家さんと着物③』へ。

着物を製作している時が一番楽しそうだったと奥様。
白生地が手元にあるだけでテンションがあがっていたそうだ。
亡くなる間際まで着物を作り続け、納期を守って静かに息を引き取った。
着物の染色作家としての大往生。
見事な生きざまである。

ウェブサイトの「蒔糊とは」からの抜粋はその深遠な世界にどっぷりとつかっている久紹氏の文章が載っていた。
蒔糊は不思議な粒粒です。
星になったり、光になったり、
雪になったり
風になったり、波になったり 、、、
すべてのものがこの小さな粒粒でできているのではないかと思える程に、蒔糊の表現は多様です。
そんな蒔糊の世界をこれからも深めていきたいと思っています。

合掌

Submitted by 宇ゐ(ui)
ここやかしこ着付サロン 着付師 宇ゐ


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