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ウヒョ助の漫画業界トーク

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#漫画

庄田ボーイと、丸山奏子

庄田ボーイと、丸山奏子

「自分も、ああ生きられたらな…」

わしらが、輝いてる人を眺めた時。
無意識に心の中でこぼれる、素直なセリフである。
輝いてる人を、世間は「スター」と呼びがちだ。

暗い世の中、暗い夜空を眺めた時。
目が追ってしまうのは、輝く星たちだ。

先日、漫画家のわしは、ある若者と会うために。
石川県は能登半島、その先端にある輪島市に旅立った。

日本海の後ろは、すぐに険しい山。
そのわずかな隙間に集落があ

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一番すごかった編集さんの話(その2)



・ 上京後の新人と、ヒグマさん

わしが上京して1年が経った。

わしが編集部をたずねると。ヒグマさんが打ち合わせブースで椅子を3つ並べ、その上で横になって寝ていた。
通路まで足が飛び出てるので、誰も通れない。編集長も通れない。
それを気にしないのが、ヒグマさんである。

「いやあウヒョ助よ、やっぱり漫画家に好きでもないジャンルを描かせるのって、たとえ作家に実力あっても上手くいかないもんだなあ

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一番すごかった編集さんの話(その1)



・ 漫画編集業界の荒ぶるヒグマ

わしが地元・北海道で過ごしていた、漫画修行時代。

23歳になっていたわしは、忙しい漫画アシスタントのバイトに日々追われていた。忙しすぎて自分の漫画を描く時間も次第に減っていった。こんな状態じゃ、いつまでたっても夢の漫画家になれる日はやってこない。

(いっそ、上京して勝負したらどうだ?)…という考えが何度も頭によぎった。しかし内地(道民は本州のことをこう呼ぶ

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