見出し画像

居場所(としての食堂)を作ってゆく②

** アディコネ=アディクション+コネクション**

前回の記事をお読みくださった方から、メッセージをいただきました。

*******************

「共にたべるということ」
これの効果があるかどうかはわからないし、何を目標にするのかもわからないのですが、私はそんな機会が多くあってほしいなあと思っています。

*******************

あ!そうか。

『居場所としての食堂』というと、今は子ども食堂に代表されるように「共に食べるための食堂」をイメージされる方もいらっしゃるんですね。(もしかしたら、そちらの方が多いのかもしれないですね。)

言葉足らずで、申し訳ありませんでした。

わたしが創りたいのは、言葉通りの、単なる『食堂』です。もちろん、食事の対価をいただきます。

ここで話は少し変わりますが、仲良くさせていただいている依存症リハビリ施設の人達が、施設のある地域で畑をやってるんですね。無農薬です。なぜなら、農薬の使い方を知らないからだそうです。(でも、何だかいろんな制約があるらしく、無農薬とはうたってません。)近くの直売所で頑張って売っています。しかし、必ずしも全て売れるとは限りません。今までに数回、そちらの畑にお邪魔しているのですが、彼らとのふれあいの中で、この野菜をたくさんの人に食べてもらいたいという気持ちになりました。

そう。「この美味しい野菜を使って、食事を提供したらどうかしら?」というのが、『食堂を作りたい』と思った原点なのです。「共に食べる」という視点はなかったのですが、そういう日があっても良いですね。お客さまと、野菜を作った人と、店のおかみ(わたしです)が、同じものを食べる。(うん、これは楽しそう。)貴重なご意見ありがとうございました。

さて、わたしがイメージしたのは、「アルコールや薬物をやめたい(けど、相談できずにこっそりと悩んでいる)人、もしくは、家族の中にそういう人がいて、誰にも言えずに悩んでいる人が、何でもない顔して食べにきて、安心してもらえる」食堂ですね。

最大の売りは、これです!

「やめたい(やめてほしい)けど、やめられない(やめてくれない)」と思っている人にとって、回復を続ける人たちの作る野菜が希望になりうるということ。

その希望とは、「いつかは、やめられる(やめたいと思ってくれる)日が来るかもしれない」というものかもしれないし、「やめたくなったら、回復するために相談できる場所があるって知った」というものかもしれません。

それなら、「『依存症相談所』を開設して、そこで野菜も売ればいいんじゃないの?」と思われたかもしれません。でも、それだと「あの場所に入っていく人は、本人か家族に依存症がいるんだ」って、見ず知らずの人にも分かってしまいます。そしてそれは、とてもハードルの高い場所になってしまう。

「依存症からの回復は可能なんだ」ということを広く知ってもらうために、そして、気が向いたら、こっそりと相談してもらえるように。そんな食堂になると良いなぁって思っています。

依存症の相談ができる食堂、ではなく。
ご飯が食べられて、しようと思えば依存症の相談もできますよ、っていうスタンスです。

依存症に関係する人だけの食堂ではなく。
いろんな人に食べに来てもらい、その中に依存症に関係する人もいますよ、っていうスタンス。

どうしてか?というと、「依存症は慢性疾患であり、一生涯お付き合いしなければならない病気なのだから、地域の中で回復していこうよ」と考えると共に、「いつ、自分(や、自分の家族や友達など)もかかってしまうかもしれない」ということを知ってもらいたいのです。そして、いざ、そうなった時は「あそこに、あんな食堂があったなぁ」と頭の片隅に置いておいてもらえるように、誰でもが気安く来られる食堂にしたいってわけなのです。

そして、「食堂のおかみって通常、開店してる時間は常に、そこにいる(=会って、話ができる)し、逆に、自分が何となく行きたくない時は、行かないことを選べる」というのも良いなぁと思っているのです。病院や矯正施設との最も大きな違いは、「自らの意思で行く/行かない を決められる」というところです。

ちなみに、「なんで、カフェじゃないの?」とも聞かれますが、それは、「カフェは嗜好品だけど、食事は必需品」と、個人的に考えていること。(カフェでも、お食事を出しますけどね)

そして、わたしがコーヒーが飲めない(というより、「がんばれば飲める」に近い)のと、わたしの作るお菓子が『映えない』からというのも、正直あります。

p.s. 食堂の実現のために、皆さんの声をお聞かせくださると、うれしいです。よろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?