イベントレポート後編 マネージャーに必要な支援は “葛藤克服” 「業績向上」と「個の尊重」
2023年10月18日に『マネージャーに必要な支援は“葛藤克服” 「業績向上」と「個の尊重」を両取りする1on1と目標管理スキルの育み方』というテーマでオンラインセミナーを開催しました。
個人のwillやキャリアの方向性と、組織の目標達成を両取りするために、どのようなフレームワークや対話の場が必要なのか?こちらの記事で解説いたします。
・自社の目標管理やキャリア面談の進め方について迷っている方
・マネジメント層の目標管理のスキルの向上を促進したい方
このような方はぜひお読みください!
※本イベントレポートは2部構成となっております。
前半はこちらからご覧ください。
登壇者紹介
ノルマ管理型から抜け出せなくなる負のループ
木村:マネージャーが葛藤克服をしていくために必要なことは何か?についてお話します。
コーチングプラットフォームのmentoがご支援させていただいている企業で起きた変化をご紹介します。人材派遣業界の従業員1000名以上の企業様に、営業組織の変革・強化を目的に導入いただいています。
売り上げに比例して組織を拡大していく中で、マネジメントを強めていかないといけない、マネージャーを増やしていかなくてはいけないが、組織のスケールに対してマネージャーの育成が追いついていませんでした。結果、チームは不安定になり、パフォーマンスが出づらい状態になっていました。
営業マネージャーにとっては、細かく指示やアドバイスしていても育たない、アカウントプランニング、経験則の体系化、主体性を引き出すコミュニケーションが課題になっています。
これが起きると、ノルマ管理型から抜け出せなくなります。任せないと育たないのはわかっていても、口を出してしまってマイクロマネジメントに陥ります。
メンバーのモチベーションの低下の結果、退職。人が減るとマネージャーは業務過多で燃え尽き、余裕がなくなってしまい、目標達成をしないといけないというループから抜け出せなくなる。これがマネージャー全般に起きていることかと思います。
コーチングを受ける・学ぶを同時に行うことの価値
坪谷:「Willや目的がはっきりしていればうまくいく」と言いたくなるんですけど、それでも目の前にある課題をどうにかしないと、頑張るほど完全にこの負のループになったりしますよね。
木村:本当にそうですね。このループに自覚的であるかがマネージャーには重要だと思っています。我々が支援する際は、マネージャー、一人ひとりにプロフェッショナルコーチングがつきます。この事例の場合は、コーチングの研修も同時並行で実施していました。プロフェッショナルコーチングと研修を並行することで、聞かれることの良さを体感でき、具体的にどうすればいいのかを学べ、セットで定着していきます。
結果的に受けた人の88.3%は個人の行動が変わった、そして83%の方が、対人、特に部下に対しての自分の行動が変わったとおっしゃっています。コーチングを受けて自分自身を顧み、人に対してのアクションも明確に変わります。
営業マネージャーはコーチに話を聞いてもらったことによって自分自身に対する気づきがあり、「マネージャーとしてもっと成長したい」、「結果を出すだけではだめだ」ということを心から思ったそうです。すると、メンバ―との関わりが変化します。
一方でメンバーの視点からすると、マネージャーの関わり方が変わることで目標と自分の夢がつながる感覚を持てるようになります。マネージャーが自分を見てくれていることがわかり、自分に自信を持って業務に取り組めるようになったそうです。
これは先ほどの夢、強み、業績、使命の点では、マネージャーがコーチングを受けることによって自分自身の夢、会社の使命の接続が良くなったということですね。そして、マネージャーがメンバーとの1on1を通じて、メンバーの夢とそれを実現するための強みをうまく接続できるようになりました。結果として、一人ひとりのパフォーマンスが上がってきたと言えます。
最初に自分自身で葛藤を理解し表に出す
坪谷:この4象限の話や目標管理の話をお話すると「理解してもメンバーにどうやればいいのかがわからない」という話になります。そんな時こそ、目標シートを自分で書いてみてくださいとお伝えします。思ったより書けない、思ったほど強みが発揮されていないということがわかり葛藤が出てきます。そのときに、初めてメンバーの気持ちがわかるんですよね。
自分が実感していないことを、人に伝えたり組織に広めたりできるわけがないことに気付くんですよね。左下の形式主義な目標管理はそうやって起きています。
まずは、マネージャーにコーチングを受けて聞いてもらう、個の夢や強みと組織の使命や業績を統合していく感覚を自分で味わう、統合できない苦しみを持つことからスタートします。メンバーも最初はうまくいかないので、マネージャーが自分も葛藤していることに共感すると、メンバーも見てくれている、一緒に葛藤に向き合ってくれていると思えるようになります。
木村:やはり、自分自身が葛藤する経験に勝るものはないと思っています。マネージャーが人に話を聞いてもらって、自分自身の内から熱いものが湧いてくる感覚を、経験として持っていないと再現することも難しいです。対象となっている課題を感じている上の方々が変わらないと組織は良くなっていかないと感じていますね。
坪谷:葛藤の中でどうやったら先に進めるかを考え続けることにこそ答えがあると思います。マネージャーとメンバーの関係性もまさにそうだと思います。現代だと、マネージャーが絶対的に答えを知っていて、メンバーに全部教えるなんて構図は幻想ですよね。
木村:正解が決まっている場合にはそれでいいと思うんですよ。ですが、不確実性が高い仕事、答えがない場合は、探索的にならざるを得ないです。そんな時は主観が重要ですし、4象限を自分はどう繋げて捉えているか?が頼みの綱になりますよね。
※本イベントレポートは2部構成となっております。
前半はこちらからご覧ください。
コーチングのスキル研修動画プレゼント
イベントレポートはここまでになります。最後までお読みいただきありがとうございました。記事内では、マネージャー自身に、自分の話を聞いてもらうコーチング体験とセットでコーチング研修を実施した事例についてご紹介しました。
こちらのnoteをご覧の皆様へ、コーチング研修の内容を一部紹介したセミナー動画をプレゼントします。
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