2023-24シーズン 振り返り 個人編その10 中東泰斗
・歩みを止めない才能
中東といえば天性の運動能力。跳躍力が魅力で、試合中にダンクを魅せる数少ない日本人選手である。
そしてデニス体制になってからは、ペイント内にカットしてきてベースライン側からリングに迫る動きに磨きがかかり、芸術の域にまで達した。
ペイント内でのシュート成功率が外国籍選手並みにまで到達。
そのままパスを受ける選手として高みを目指すのかと思いきや、次のステップはプレイメイクをするハンドラーを目指すという驚きの挑戦。
30歳を迎えてベテランの部類になっても変化し続ける姿勢は尊敬に値する。
2シーズンかけて少しずつハンドラーとして成長してきた中東。しかしデニスHCの要求は止まることを知らない。PG中東のビッグラインナップ。
全員190㎝以上、平均身長190台後半というメンバーは、1番から3番までアドバンテージを取れる上に、走力もあるのでミスマッチを狙われる穴も少ない。
おそらくデニスHCの理想系なのだと思う。就任1年目のプレシーズンマッチからずっとトライしてきたのだ。このラインナップのPG候補はレイ・パークスと中東の2人だったが、ドライブではレイ、プレイメイクでは中東が結果を出してきた。
来シーズン、レイは大阪へ移籍したので、中東PGのさらなる発展を狙っているのは間違いない。
ファンの印象に深く残っているのはディープスリー。それも右45度。
中東のスリーの成功率は決して高くない。シーズンによって20%台と30%台を行ったり来たりしてきた。
それが昨シーズンは明らかな変化が見られた。まずは右45度からのシュートがよく入るというものだった。だいたい決めるのはこの位置から。そうやって意識しだすと、明らかに試投数も多い事に気づく。さらに、距離がどんどん伸びて行く。自信からなのか、1m離れても平気で打つ。確率も落ちない。そのうちに2m離れてもバンバン打ち出すようになった。それでも確率は落ちない。シーズン平均でこの角度だけは36.5%
いつか本人のコメントが聞きたいけど、明らかに得意のゾーンとして認識しているはず。
ちなみにその前までのシーズンでは全くその兆候はありません。むしろ低いくらい。
このままいけば、琉球の岸本のようにロゴスリーとか打ち出す勢いを感じる。
あとは、雄叫びが印象に残っている。
大事な場面での得点シーンでは、すごい形相で吠えていた。須田か中東かという熱さ。あの熱さは今シーズンから新キャプテンとしてチームを引っ張る姿を予感させる。
最後に、まだまだPGとしては荒削りで、ハンドラーとしてはドライブの鋭さが足りない気がするが、歩みを止めない才能の塊なのだ。数年後にはびっくりするようなオールラウンダーが誕生しているはず。
個人的には、いつの間にかペイントに侵入しベースライン側からスッと現れて、高い跳躍からバンクシュートで外国籍のブロックを避けて決める芸術的な2点が好みです。
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