「男らしい」は時代遅れ。なのに彼に苛々するのはなぜ?

私は「女らしくしなさい」と言われることが物凄く嫌いだ。

可愛い服装をした時やお菓子を作った時、「女の子らしくていいね」と褒められるのもあんまり良い気持ちはしない。「女子力高いね!」も同じ。
「可愛いね」「似合ってるね」「美味しい!」と言ってもらえる方が、よほど素直に受け取れる。

女性に女らしさを押し付け、男性に男らしさを押し付けるメディアにも飽き飽きしている。
「男性がキュンとする女性らしい行動5選!」とかもう勘弁してくれ、と思う。

それなのに次のデートの場所を決める時、レストランで注文する時、時間が余って「この後どうしようか?」と聞いた時。
彼氏がああだこうだ言ってなかなか決断しないとどうしようもなく苛々してしまう。
つい「男なんだからしっかりしてよ!」と口走りそうになって抑える。

そんな矛盾した自分が嫌で嫌で仕方ない。

私が苛々しているのは「男らしくないこと」ではなく、「優柔不断なこと」に対してだ。「男らしさ」を押し付けているわけではない。
と自分を擁護することもできる。

でも、女友達が迷っているときはそこまで苛立たないのだ。
ショートケーキかモンブランか、ベージュのニットか茶色のニットかで必死に悩んでいる姿は可愛いなとも思う。

女性の優柔不断は許せるのに男性の優柔不断は許せない。
そこにはやっぱり偏見があるのだろう。
私もまた「男らしさ・女らしさ」の呪いに縛られている。

好きな人のタイプを聞かれた時、「男らしい人」と答えそうになって、「しっかりしている人」「頼りになる人」と慌てて言い換える。

決断力、判断力、冷静さ、経済力……
女性パートナーは求められないのに、男性パートナーには求められる要素が沢山ある。

逆に女性パートナーがそれらの要素を満たしていたとしても、加点にはならない。それどころか時には「可愛げがない」として減点される。

私たちはまだ「男らしさ・女らしさ」から逃げられない。

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