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【オレの『星の王子さま』蒐集がまたしてもはかどってしまいました】「コルシカ語しか勝たん」の巻

渡邊淳也先生より、うれしいご献本を賜りました。例の蒐集プロジェクトのことをご存じでいらして、なんとコルシカ語版『星の王子さま』をご寄贈くださったのです!

おお…某通販サイトではとんでもない値段がついている…

それにしても、つくづく『星の王子さま』(LPP)の蒐集を始めてみてよかったなと思います。この蒐集という行為が多言語への興味に対する窓口になっているような気がしますし。

さて、コルシカ語とは?とお尋ねの皆さま向けに、コルシカ島の地図と言語の概説を見ておきましょう。まずは地図を。

おお…なるほど。まさにイタリアとフランスの影響を受けていそうな場所にあるのですね。なるほど左様に、コルシカ語をWikipediaで参照しますと…

かなり複雑な事情というか、環境におかれている言語だということだけは素人なりに理解しました(理解したとは言っていないことに注意しましょう!)。社会言語学的な観点から見ても興味深い様相を示す言語の好例、ということなのですね。

さて、件の本。タイトルは"U Principellu"となっています。最初の"u"はどうやら男性定冠詞のようですね。冠詞や名詞に性の区別があるというのは、やはりテュルク諸語が主食の自分からすると新鮮です。

冠詞に続く名詞も、語末の母音が対応して"principellu"となっているところを見るに、こちらも男性名詞ということなのでしょう(自信はない)。これは面白そうな言語、興味を持った人はどうやって情報を…と思っておりましたら、なんと渡邊先生、コルシカ語解説の訳書までこの"U Principellu"に同封してくださっていたのでした。

これはありがたい存在です。で、先ほどググってみましたら、渡邊先生ご自身もコルシカ語の教科書をすでに公刊なさっていたのですね!

やばいっすね。なるほど、渡邊先生のコルシカ語へのなみなみならぬ愛着を感じます。一方、言語状況的にはコルシカ語は消滅の危機に瀕しつつある状況だそうで、先生に昨日御礼のメッセージを送りましたところ、コルシカ語の存在を広めることはご自身の使命である、という趣旨のお返事を賜ったことでした。

まったく違う言語系統の話ながら、テュルク諸語にもいろいろな言語があります。それらを世に知らしめたいと思う瞬間が僭越ながら私にもあったりします。それゆえに、個別言語の普及活動とあらば言語系統を問わず、微力でもお手伝いしたくなるのは当然の感情というものですよね…!

というわけで、LPPコレクションにまた1冊、強烈な個性が光る言語が追加されました。ゲヘヘ。

ほんとうにありがたい限りでございまして、この場でも改めて渡邊先生に御礼申し上げます。そして最後にイタリア語、フランス語各ガチ勢のみなさまに特にお伝えしたいこととしましては、行き詰まったらコルシカ語に目を向けてみようではありませんか、ということです。

打開するには…こ…こるしか…いや…これしか…

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