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タタール語にアクセスする「迂回路」を教えてさしあげましょう

連日SNSでも話題に上がる(すくなくとも界隈周辺で)『ニューエクスプレスプラス タタール語』ですが、学習案内のところで辞書はどういったものをお勧めしていらっしゃるのかと思って見てみると、紙・オンラインともにタタール語-ロシア語ロシア語-タタール語のものが紹介されているようですね。

なるほどさすがロシア連邦内のテュルク語だけのことはあります。語学書も、文献的には圧倒的にロシア語で書かれたものが多いでしょうね。ということで、タタール語にアクセスするための媒介言語としては、ロシア語が圧倒的に有力なのは間違いなさそう。これはもう、ロシア語もがんばるしかありません…俺たち、ロシア語がんばろうな。これはもう、仕方がない。タタール語のためなら仕方がない。

なに?ロシア語を習得するには時間がかかるから、タタール語をやるのにそれまで待っていられない、ですって?しょうがない…ではあまり教えたくない情報でしたが、耳よりのリソースを紹介いたしましょう。

トルコの南西部にデニズリ(Denizli)という都市がありまして、そこにパムッカレ大学(Pamukkale Üniversitesi)という高等教育機関がございます。そこの人文・社会学部にさらに「現代テュルク諸語文学科」がありまして、この学科によるトルコ語とターゲット言語のオンライン辞書が用意されているのをご存じでしたか?

私はこの記事を書き始めるまで知らなくて、ググってその存在を知ったクチですが、まあ細かいことはいいじゃないですか。で、タタール語-トルコ語辞書があるかというと、あるんですねえこれがね!

トルコ語からでもタタール語からでも、どちらからでも引くことができるようです。また、タタール語はキリル文字で入力しても自動的にラテン文字に転写する仕様になっているようなので、まだキリル文字そのものに慣れ親しんでいないよ、という方も安心して使っていただけます(たぶん)ね!

あと、トルコ言語協会(TDK)というトルコの国立研究機関がタタール語-トルコ語辞典を紙媒体で出版しています。なおTDKは必然的に「保守的」な立場なので、タタール語と言わずに「タタール=トルコ語」(Tatar Türkçesi)と呼んでいるのが気になる方はいらっしゃるかとも思うのですけども、これはまた別のテーマです。

ということで、テュルク諸語にご関心の各位は、もしトルコに直接足を運ぶ機会などがありましたら、ぜひ書店などをめぐってこういったテュルク諸語系の辞書を探すということをやってみられるとよいかと存じます。

…なに?そのトルコ語を知らない、ですって?それはもうしょうがない…そこはもう、何とかしてください。今からロシア語始めるのと、トルコ語始めるのとどちらがよいか。選ぶのはあなたです…それか、両方やるという手もありますよね…これでロシア語トルコ語タタール語と3言語身についたら、一挙両得どころじゃないわけで(「鼎得」とか言えるんでしょうかね?いや、「三得」でいいのか)。最強のテュル活民として、界隈からの喝采を浴びること間違いありません!

なお、かくいう私ですが…それこそ去年の今頃訪問していたアゼルバイジャンで、かねてより欲しかったアゼルバイジャン語-ロシア語辞典4巻本を手に入れたときはうれしかったですねえ…もっとも、結局その後まだ使えてませんけどね!ガハハ!なぜといって、ロシア語学習が停滞しているからです!(開き直った顔で)

ということで話をまとめますと、タタール語にはとりあえずまずは『ニューエク』から日本語で第一歩を踏み出せるようになりました。この後、さらにタタール語に触れていく必要のある各位は、どうしてもロシア語…しかし、条件が合う方ならトルコ語のほうからアクセスしていくという手はあるよ、という趣旨でありました。
ポジショントークでタタール語をダシに、トルコ語の宣伝をしたかっただけ説もありますが、賢明なる読者のみなさまはここまでお読みになったからには、筆者の言いたいことはもうおわかりでしょう?
トルコ語はこういう局面でも役に立つのですよ。タタール語の学習に役に立つ場面すら…た…多々…

とあるSNSアカウントに、上のアドヴェントカレンダーをして「狂人」と称されたことで知られている私でございますが、そうこう言っているうちにほら、3週間続いたじゃあありませんか。為せば成るものです。
ちなみに、トルコ語では為せば成るという趣旨のことわざがありましてね。Olmaz olmaz deme, olmaz olmaz. とか言えます。「だめだだめだと言うな、ダメということはない」的な。言葉遊びのようなことわざです。Aklınızda bulunsun.


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