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【久しぶりのシリーズ】あるじとしもべのダイアローグ(13)

「あ゛~」
「…」
「あ゛~あ しもべオイ聞いてんのかコラ」
「…」
「なあ なあてしもべ オイ」
「…なんですかあるじ 今日という今日はわたくしめは怒っておりますよ」
「なんやねん まだ根にもっとんのかい 性格悪いやで」
「いいえ根に持つとかそういう問題じゃありません あ ぶ な い で しょ と言うておるのですあるじ」
「い゛だだだだだ 耳引っ張るのんはやめんかぇ耳ひっぱるのんは💢 なんやねんな ちょっとお外に出て家のまわりうろうろしてただけやないか」
「それがあぶないって言ってるんですあるじ お外が危険だらけってわかってますか」
「わかってるがな~ せやからちゃんと家は離れんと、まわりだけぐるぐる回ってたんやないか ちゃんと見つかったら家の中に自分で入ったやろ そういうことやないかぇ ワイをアホの子ぉみたいにいうなて」
「いいえあるじはわかっていません 家から離れなければいいってわけではないんですよ 家の周りだって外は外なんですから ほかの猫さんたちとケンカになったりでもしたらどーするんですか」
「なるかいなそんな~ あいつら日本語しかでけへんのやろ?ワイトルコ語しゃべってけむに巻くがな トルコ語でおk?とか言うて」
「…」
「い゛だだだだだ💢 耳引っ張るな~いうねん」
「ネコちゃんはどの国にいても猫語でしょ それくらいわかります 言語学やってんですから」
「せやけど、おまい猫語わからへんやんけ」
「…」
「猫語でけんのかぇ」
「…」
「でけへんやないか でけへんのにえらそうにおまい、ちゃんと日本の猫とトルコの猫が音声を介して意思疎通できるかどうか実証したことあるんかぇ ないやないか ないのにえらそーにおまい゛だだだだだ 耳やめぇ言うねん💢」
「おっしゃりたいことはそれだけですか」
「あ!!!!(何か思い出した様子で)いーや、それだけなはずあるわけあるかぇ おまいそんで、ワイがちゃんとおうちに帰ってきたのにメチャ心配しゃーがってよぉ なんでわざわざ動物病院まで連れていくねん ワイいうたやろ前も💢 ワイは新書の帯で腕組んで写ってるイキりの著者と動物病院が死ぬほどキライやて」
「新書の帯で腕組んで写ってる著者が嫌いなのは私のほうですね」
「せやったか せやったな せやけどそんなどーでもえーこと気にするから、ワイのこともそーやって過剰反応するねんおまいは 心配性すぎるんやて それのせいでワイとばっちりやねん…みてみぃこのキャリーバッグ あまりに動物病院怖いからバッグの中のシートによだれべっちゃぁたらしてもぅたやんけ いい年した成猫がよォ どないしてくれんのこれ はずかしい」

「いまだに動物病院がこわいとか言ってる、あるじのほうに問題があるんでは??」
「…」
「わたくし、歯医者とか病院に行きますけどあるじみたいに恐怖の鳴き声をあげたりとかよだれでシーツべちゃぁ、とかなりませんからね フフン」
「チキショウくやしい 八つ当たりのぴのぴのパンチをくらえ」
「痛゛っ💢 あっ、爪伸びてますねあるじ」
「!!!!あかん 爪だけはあかん 前もいうたことあるやろ ワイはでかい犬と柑橘類の皮と爪切りだけはあかん 生理的にムリやねん」
「爪はあとで切りましょうね(ニッコリ) ともかく、無事で何よりでした」
「何よりやったな 一件落着や」
「とはいえ、診察料はかかったんですからね 1600円」
「そんなケチなこと言いなはんなしもべ~ おまいががんばって仕事して稼いだらええねや」
「仕事はがんばります だがそれとこれとは別です 以後お外に勝手に出ないように どうしても出たかったら申し出てください」
「申し出たらお外出てもええのか」
「ハイあるじ ハーネスつけていっしょにお散歩でもしましょう」

「…」
「何か問題でも??」
「ハーネスいややねん あれ体がきっついきっついになるもん」
「そのためのハーネスですから。お外出るためならハーネスくらい我慢してください」
「い~や~で~ す~~~」
「あっ今めちゃムカつく顔しましたね ちょっと今の顔もう一回やってくださいインスタに上げましょうよ 映(ば)えますから ほら」
「は???インスタにはおまい カッコええ写真だけあげんかぇ」
「なにいってんですか ありのままのあるじを見てもらいましょうよ ほらさっきのブチャイクな顔もう一回」
「しもべの あ゛~ ほ~~」(逃げる)
「アホって言いましたか今💢 ここは長崎ですよ バカとアホでは意味が…」
「アホ~ ボケ~ カス~ マヌケ~ バーカ バーカ~ おまいごときには、爪も切らせへん~~」
「あっそうだよ 爪も切らないといけませんでした! ちょっと待ってくださいあるじ」
「待てって言われて待つ猫、おまい見たことあんのかぇ(押入れの中に逃げ込むアホボケカスのあるじ)」
「…ちょっと… そんなところに隠れてないでもう 出てきてください」
「フフン そんな爪のことで家じゅう追いかけまわしてもムダやでぇ」
「なんでですか」
爪だけに、キリ(切り)がない~いうて」
「あるじ(こいつ〇す)」
「フフンムダムダ おまいら人間には入ってこれないスペースなんでした~」
「あるじ 怒らないからはよ こっちに💢」
「いやーです~(寝始めて)」
「あるじ💢 なんだろう、そんなところで寝るのやめてもらっていいですか ちょっと ねえ ねえて」
爪だけに… 寝入る(ネイル)…いうて…zzz」

(必ず捕まえたのち、次回に続く!!)

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