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「HSP」発信に対する葛藤を払拭した、嬉しい言葉。そして、新たな挑戦へ。

こんにちは。HSPナビゲーター 宇賀神です。

僕は、HSP(Highly Sensitive Person)の概念について発信する中で、クリニックHSP特別外来担当として勤務している状況です。そんな僕が抱いていた葛藤の部分と、それを払拭することになった出来事について書いていきます。

クリニック勤務の経緯はこちら🔽


「HSP」発信の変遷

2020年1月より、HSPメッセンジャー講座を修了したのを機に「HSP未来ラボ」に所属しました。そしてHSP男子当事者の視点から発信を始めました。

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HSP未来ラボについての記事はこちら🔽

(2021年6月)現在では340名を超えるHSP専門家集団となっています。主宰はHSP/HSC専門キャリアコンサルタントの皆川公美子さんです。

活動を始めてから、早くも1年半が経過するのかと考えると、本当に時が経つのは早い。発信始めの時にはほとんどなかったHSPについての情報が、2020年6月ごろからメディアで取り上げられてから瞬く間に広がっていきました。

その情報量の多さと、認識の幅広さに、僕は圧倒されていました。次第に僕がどう発信したいのかが闇雲の中に入っていくような気分でした。

それでも、注意深く情報を選定しながら、1年という時間をかけて5つの捉え方に分けることで、徐々にHSP認知に対して客観的に観られるようになりました。

最近ではYoutube動画でも発信しました。

■HSPの捉え方① エビデンス・学術ベース|環境感受性|Japan Sensitivity Research | 
■HSPの捉え方②提唱者ベース|アーロン博士の紹介|HSP概念誕生のプロセス|感覚処理感受性 
■HSPの捉え方③ 主観ベース|敏感性・繊細性|捉え方の変化|男は強くならねばという固定概念|HSP未来ラボ
■HSPの捉え方④メディア・SNSベース|『繊細さん』から広がる認知|自己理解|個々の発信|
■HSPの捉え方⑤ カウンセラー・セラピスト・専門家ベース|神経システム|発達性トラウマ・愛着形成 

HSP発信に対する葛藤

それでも、発信するというのは難しい。そんなことを常に考えています。

学術的観点と、臨床家の観点と、カウンセラー・セラピストの観点と、一般(ポピュラー)の観点と、主観的観点と。あげたらキリがないのですが、どれが「正しい」のか、という視点になってしまって。どの情報を見るのもしんどくなる。どれもすごく分かるなと思うし、どれも取り入れたい視点だから。

それそれの観点の人が、それぞれの意見を言っている様子が、なんだか衝突しているように見えてしまっているのです。言葉自体には直接的なメッセージを入れていないとしても、その裏側の「この考え方はどうなのかな?」という疑問符を感じてしまいます。

正しいって何なのでしょうね。(もはや倫理観や哲学になりそうなので、ここで止めときます・・・)

自分のスタンスはあるものの、いろんな視点やスタンスを反映しながら、ハイブリッドに発信をしていきたいのが僕の考えです。発信するときには、自分がどの立ち位置にいるのか?どの人へ向けるのか?を意識していますが、途中で手が止まったり、他視点のことを考えて遠慮したり、結局発信をあきらめることも多いです。

あとは、社会的評価的側面も考えさせられます。それは認定資格か、国家資格か、社会的信用のあるものか、という視点です。僕は、一般社団法人等の認定資格をいくつか取得しています。その一部を紹介します。

・心理療法ビリーフチェンジセラピー認定セラピスト

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・禅療法士(曹洞宗 生前戒名:亮法観療禅士)

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・HSPメッセンジャー講座ベーシック・スペシャリスト

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ただ、これらは資格であって、資格ではないのでは?と考えてしまうことがあります。もちろん多くの時間とお金を投資して学び、ただ座学だけでなく体感と気づきと変化が伴った大切な糧となっています。現在のHSP外来で行っていることの礎となっていることですし、HSP専門家として必要な知識とセラピストとしての経験も積んできました。(4年間で500セッションを超えます)

ですが、社会的信用のある資格、例えば国家資格(医師、公認心理師など)、臨床心理士など公共の場で仕事をする許可を得ている役職。それらは2021年時点で持っていません。そこに対して負い目を感じていることは事実ですし、実際に今の勤務形態を話すと顔を曇らせる人もいます「それって大丈夫なの?」と。

信用できる資格ってなんだろう?そう考えることもありますが、資格を取ることが目的ではなくて。何ができる人なのかが明確である、という点においては重要であると思います。なので尚更、社会的信用のための資格取得が必要ではないかと思うのです。

公認心理師や臨床心理士の場合、資格取得までに4〜5年を要します。大学・大学院にて必要な科目を履修することが必須のためです。または心理職実務経験が2〜3年以上という記載もあります。とてもハードルが高いですね。

こういった背景から、HSPを発信することに対して深く葛藤している日々です。

今の自分にできることを全力でやる、そういう意思もある。

こういった立場でないと発信してはいけないのでは?という不安もある。

そんな葛藤を抱いたときに、今勤務しているクリニックの理事長よりお言葉をいただきました。

「HSP特別外来」新たな挑戦

「世界最先端の HSP外来です」この、理事長のお言葉に痺れました。

現在勤務しているべスリクリニック東京のサイト🔽

理事長のクリニックへの思いはこちら🔽

HSPメッセンジャーとしての活動をする中で、同じクリニックに勤務する先生から「HSPといえば宇賀神さん」ということで、理事長へご紹介いただきました。

そこから複数回の面談を経て、べスリクリニックの方針(ポリヴェーガル理論をメインとした脳神経学的アプローチ、心・脳・身体の視点を網羅、薬に頼らない幅広い治療選択肢の多さなど)と僕の目指す方向性が一致していること確認しました。そして「HSP専門家として力を貸してほしい」とお声がけいただきました。

そんなご縁で、HSP専門家・カウンセラーセラピストの視点でHSPを発信しており、2021年に新設した「HSP特別外来」の担当として勤務することとなりました。

個人事業主としてクリニックにて委託業務をすることもそうですが、HSPさんに特化した「薬に頼らない治療」を実際に導入している病院やクリニックは事例がないと思います。(実際にお話を伺うと、相当検索されて、色んな精神科や心療内科に行っても変わらなくて、やっとの思いでお越しになる方が大半です。)

目の前のクライアントさんと対話、セッションをする度に、どんどんと表情が緩む姿、深い気づきと癒しを経験し涙を流される姿をたくさん観てきました。僕がセッションで意識していることや思いの部分について、院長にも伝わっていたと分かって嬉しかった記事も書きました。

僕はポリヴェーガル理論の考え方を軸に、自律神経系の動き(神経の昂り)と日常の敏感性連動について明らかにしていく。「神経系をゆるめ・整え・育む」を基軸として、「心・身体・呼吸」の3つのアプローチで、その時の身体症状や反応から根本原因を探り特定していく手法をとっています。

2015年に自殺未遂してからの6年間。僕自身の体験・気づき・変化・学びの総結集。いわば僕の人生の全てです。僕自身のトラウマ体験や愛着形成を癒し整えたこと、心理プロセラピストとしての経験。パニック障害や首こり症の経験、脳神経センターでの治療。みえるからだほぐし®︎の認定講師。禅的瞑想・禅療法士(禅セラピーインストラクター)の活動。そしてHSPメッセンジャー専門家として活動。これがクリニックで行っている内容の全てとなります。(具体的にどのような流れでセッションをしているかは下記記事参照)

勤務して半年。連日満席の状態です。HSPのことについて情報を見てしっくりきたけど、違和感に思うこともあって。実際のところどうなんだろう?と疑問に感じていらっしゃいます。HSP当事者である僕の過去についてお話しすることもありますが、毎回のように深い共感と繋がりを感じられていきます。

「ただ、わかってくれる。本当の意味で共感される」安心安全の空間と機会がとても大切であると実感します。もちろんオンラインやSNS上でもコミュニティは広がっていますが、それがクリニック内にあるということが安心感につながっていると思うのです。

目の前にいるクライアントさん一人一人に心を込めていく。それで精一杯なところもありますが、電子カルテの内容とみたり、セッション後の医師の診察から、理事長をはじめとする医師の皆さまからも評価のお声をいただくようになりました。どんなに僕自身が「大丈夫かな?」と思ったとしても。「頼りにしていますよ」の一言で勇気づけられ、目の前のクライアントさんに集中することができます。

前例のないこと。レールが引かれていない場所に、開拓をしている「HSP外来」の取り組み。HSP専門家としての挑戦。それはとてつもなく怖いことでもあります。

社会的に認められるのだろうか?そんなことを考えてしまう。でも頭のどこかでは確信している。今行っている形態は、HSPさんにとって少しずつ安全に解決していく手段となること。そんな確信を広げていきたい。そんなときに理事長からいただいたお言葉。

「クライアントさまの満足が高く、感謝しています。世界最先端のHSP外来です」

今僕が行っていることに対して、そうかけていただいたお言葉は、今まで葛藤でずっと苦しかった気持ちをふっと緩めてくれました。勇気をいただくことができました。

まだ始まったばかりの挑戦。今のHSP認識をしっかり把握し理解した上で、HSPさんが今の世界を穏やかに幸せに過ごせるように。医療の現場と連携をとりながら、試行錯誤し続けていきます。

長らくお読みくださり、ありがとうございました。

また書きます。

宇賀神



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