見出し画像

男コピーライター、『男コピーライター、育休をとる。』を観る。

およそ2年ぶりにnoteを書きます。

僕(魚返洋平)の著書『男コピーライター、育休をとる。』がドラマ化され、7月9日からWOWOWで放送・配信がスタートしました。
「魚返夫妻」を演じるのは、瀬戸康史さんと瀧内公美さん。

原作はエッセイでノンフィクションだけれど、これをドラマ化するにあたってはいろいろと脚色や創作が施されている。

そんなこともあって、ドラマの主人公はコピーライター魚返洋「介」。原作者である僕とは一字違いで、年齢もすこし若い。勤めている広告会社も架空のものだ。脚本家の細川徹さん、監督の山口淳太さんをはじめとするドラマの制作スタッフと俳優のみなさんでつくりあげた、もうひとつの魚返家の話がここにある。

自分の話だけど、自分の話じゃない。
エッセイ原作者にとって、実写化とはまるでパラレルワールドへの転生みたいなものなのだ。
なにしろドラマの魚返は、瀬戸康史さんの姿をしている!
転生というのが厚かましければ、同業の後輩の育休体験談を見ているような感覚もある。
原作本を出版している大和書房のnoteにはそんな立場から記事を書いたので、ドラマと併せてご覧ください。

さて、この自分のnoteでは「原作者 兼 視聴者」として原作とドラマの比較を楽しみながら、ちょっとした裏話なども話せればと思っている。映画のパンフレットに載っている「Production note」なんかに近いかもしれません。

なぜわざわざそんな記事を書くのか、最初に言ってしまうと、この原作とドラマの両方を「宣伝」したいからにほかならない。魚返洋平と、魚返洋介。男性育休の2つのサンプルケースとして、それぞれを楽しんでいただけたらと思います。

ドラマの放送・配信はすでに始まっていて、できれば各話を観た後に読んでもらえるのが良さそうだが、それも気にする必要はないかもしれない。なにしろエッセイで、基本的に「ネタバレ」と呼ばれるほどのものはないから。

第1話から順に語っていければと思う。テレビ放送では各回「2話ずつ」オンエアされるので、ここでも基本的に2話ずつ取り上げていくつもりです。が、初回放送ぶんはちょっと長くなりそうなので、1話ずつ切り離して書きたいと思う。

あ、そうだ。
先に書いておいたほうがいいのは、今回、原作者として僕がどう制作にコミットしたか。いちばん大きな役割は、脚本の稿を重ねる過程で各稿を確認させてもらい、思ったことなどをフィードバックする、というものだ。

僕のフィードバックを大事な意見として、制作サイドはすべて真摯に耳を傾けてくれる。が、すべてを内容に反映するわけでは当然ない(僕は脚本家ではない)。プロデューサー、脚本家、監督を中心に、さまざまな狙いや状況と照らし合わせて判断していくのです。
ほかにも原作者として関与した部分はあるが、それは記事のなかでも触れていきたい。

なお、この記事シリーズ内における「僕」は魚返洋平を指し、ドラマの主人公のことは「洋介」あるいは「主人公」と呼ぶことにします。

(つづく) 
次の回を読む

WOWOWオリジナルドラマ「男コピーライター、育休をとる。」

原作:魚返洋平『男コピーライター、育休をとる。』(大和書房刊)
脚本:細川徹
監督:山口淳太(ヨーロッパ企画)
音楽:都筑孝
出演:瀬戸康史 瀧内公美ほか
プロデューサー:井口正俊 中澤研太
制作協力:東北新社 製作著作:WOWOW

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?