故・立川談志師匠から学ぶ行動経済学の話。
人は状況を認識し・把握し・判断し・実行に移す。
把握・判断の精度を高める材料が教養である。
芸能なんてちょろい世界なんだよ。
売れるために必要なことは、売れるための状況認識・状況把握・判断をし、芸という行動に移せばいいだけ。
やらないやつは、売れてないという事実が不快ではなく、居心地がいいと思ってやがるからだ。
だから売れるわけがない!
こんな内容の話を故・立川談志師匠が若手芸人たちに熱弁しているYoutube動画を先日視聴した。
芸の裏側に論理的思考をお持ちであり、大変聡明な方であることに改めて感服し、とても印象に残っている。
人間は1日最大35,000回の判断をしているそうだが、ほとんどの判断は無意識下でオートマチックに行われている。
例えば、自宅から最寄り駅までのルートについていちいち毎回判断しているかと言えば、ほとんどの人が否と回答するであろう。
コンビニでコーヒーやお茶を購入する際、何も考えずいつも同じ銘柄のものを手に取ることが多いだろう。
ずっと飲み続けているサプリメントが切れてしまったら、何となく不安になりドラッグストアに走ってしまうだろう。
なぜそのような仕組みになっているかと言うと、状況認識・状況把握・状況判断という思考プロセスを回すことは脳にとってハイカロリーであるため、できるだけ回避したいという本能があるのだろう。
なので、よっぽどの利益獲得・損失回避・健康上の問題などに差し迫られた時以外は人間の思考プロセスは基本的にはオートマチック・モードになっている訳である。
それはそれで、限られたエネルギーを効率的に使用するための人間の知恵なのだと納得できる。
ただ、やっかいなことにオートマチック・モードになっているときの判断は、過去の経験からくるバイアスや感情に大きく影響されるが故に時に合理的でない判断になるということ。
ビジネスにおいても、よく見受けられる。
・業務効率・精度の向上を目的としてシステム導入を検討したが、担当者が現在のやり方を変えられることを嫌がり進まない(現在志向バイアス)
・推進中のプロジェクトについて、このまま進めても成果に繋がらないことが誰の目にも明らかであるにも関わらず今までかけた時間がもったいないのでそのまま継続される -コンコルドの誤謬- (サンクコスト効果)
・学歴や所持資格・見た目や愛想の良さなど、業務遂行能力と直接的に関係のない事柄の印象に引っ張られて人材を評価する(ハロー効果)
この辺りは、心理学的なアプローチで人間の行動を研究する経済学=行動経済学として確立されている。
私は、正しい思考プロセスを回す作業を「脳を通す」と呼んでおり、脳を通さず判断・実行された仕事を「作業」と呼んでいる。
作業的な仕事からは内省を通じた自己成長に繋がりづらく、ワークエンゲージメントも低下しがちである。
だって、オートマチックに判断して仕事してるんだもん。自分の脳を通して判断してないんだもん。
芸人で言えば、そんな仕事ばかりをやっていても売れないのである。
売れないと自分のポジションは上がらず・収入も高くはならない。
そういう人たちは、人のせい・環境のせい・世の中のせいにして愚痴ばかりをこぼすようになる。
その愚痴さえも、脳を通さず吐き出されるため全く建設的なものではない。
何十年も前に談志師匠が説いていた内容を、今こそ現在のビジネスパーソンは学ぶべき。
・正しく状況を認識し、把握し、判断し、業務を遂行しよう(脳を通す)
脳を通して仕事することを意識することで、内省が生まれ、内省することで行動変容・成長につながる。
・状況把握と判断の精度を高めるために教養を身に着けよう(脳を耕す)
教養を身に着けるための手段は、読書・映画鑑賞・多様な人とのコミュニケーション・旅行などである。インプットの機会を増やそう。
以上 休日の散文失礼しました。
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