「感想」part 1 中国における生理に対する普遍的認識:冷水と生理
橋迫瑞穂さんの「妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ」という本についての感想文、、、までいかず、思いついたことを書いただけである。
本をまだ全部読み終わっていないのでまたpart 2を更新するかも。
冷水:中国では蛇口から直に出る水を冷水だと認識されている。日本の認識だと冷やした水ではなく、常温の水に当たる。
これはどの中国の女の子でも初潮が来たらすぐ親に言われることだと思う。周りの女子達も、メディアも同じ口調で「女は体を冷やしてはいけない」という認識は当たり前のように思われる。
私もそう親に言われた。ただ他の女の子と違うのは、私はこの昔から存在し続けている言い伝えを丸ごと信じてはいなかった。怯えてはいるが。なぜなら私はアイスクリームが大好きで、生理中に冷たいものを食べられないのはアイスも我慢しなきゃと思うと悔しくて認めたくなかったからである。しかし「病の根っこが体に生えてくる」という呪いのような予言に恐怖を感じ、いつかこの誤謬を反撃できる証拠を探し出してやると自分に実践(生理中にわざとアイスを食べるなど)しているもののこの論調を論破することをできずにいた。
そしてある日、外に出かけていた時にアイス屋を見かけて、並んでいるアイスをチラッと見た瞬間、「生理中に冷たいものを食べてはいけない」の呪いが頭によぎった。そして訳も分からずに生理痛もどきのような痛みがお腹の下から湧いてきそうな感じがした。
何故?ただアイスを見ただけなのに?なぜ痛みと不安がじわじわと出てくる?
どうやら痛みを誘発するのは「冷たいもの」その物理的な存在ではなく、「冷たい」という抽象的な認識であり、または「冷たいものを我慢できない女が自業自得で患うであろう天罰のような病」の言い伝えに対する恐怖心ではないか?
何年後に私は大学に入学し、ある日寮のルームメートがシャワーを浴びずに洗面台で髪の毛だけを洗おうとするのを見て、理由を聞いたら、「生理中なのでシャワーしちゃいけないの」と彼女が答えた。そしてもう一人のルームメイトも「私も生理中にシャワーしないよ」と言った。「冷たい水に触れてはいけない」を「水に触れてはいけない」まで拡大したパターンが存在するのを確認できた。クラスの他の女子からも「今日生理だから靴/服を洗えない」(冷水/水に触れないから)のような会話を聞いたことがあった。
私はあのイニシエの呪文をこんなにも信じている女性がいるとは驚いた。おばあさんじゃなくて現代女性だよ。
その中に特に気になるのは、
こういうような論調を聞くたびに、自分のあのアイス屋での体験を思い出す。
これでは胃が弱い人が「辛いものを見たらお腹が痛くなってきそう」、歯が弱い人が「氷を見たら/氷を噛む音を聞いたら歯が痛くなってきそう」と同じではないか?
つまり痛みを誘発するのは「辛いもの」「冷たいもの」その物理的な存在ではなく、「辛い」「冷たい」という抽象的な認識によって蘇った痛みや言い伝えに対する恐怖心である。
だらかそれから、私はこの冷たいものの呪いのような言い伝えは、社会的、文化的、中国の女性に対する歴史的な洗脳、認識の植え付け、だと思っている。
さらに広げると、「女は数学に向いてないから」「女は理系が苦手だから」と言われ続けてきた女が本当に自分が数学ができない、理系が苦手なバカだと思い込んでいるのと同じではないかと思う。
ウェーボーである医療系kol(key opinion leader)の「90%の女性は生理前5日から生理後2日まで月経前症候群PMSに悩まされている」という投稿に対してウェーボーの相互さんがこうリプした。
これを見て私は長年の「冷たいものの呪い」に対する疑惑と同じ発想をPMSに広げてみた。
月経前症候群も、あの冷水やアイスクリームと同じように、症状/痛みを誘発するのはその物理的な存在ではなく、「女はそういうモノだから」「冷たい」「痛みに対する恐怖」という抽象的な認識が真の原因ではないかと思う。
もちろんホルモンの変化が体調に影響を及ぼすのは理解している。ただすべての不調をPMSのせいにして自分なりに解釈できて気が済むというのは認めたくない。
現在医学でもPMSの原因を明確に把握していないということは、こういった社会的、文化的、女性に対する歴史的な洗脳、認識の植え付けが干渉しているのではないかと思う。
さぁ、本の続きを読もう。
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