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【散文集①】ウクレレな日々

 ウクレレの技術が全く成長しない。

 超絶技巧といった調子で演奏できる日は、わたしにとって果てしなく遠い。

 YouTubeで綺麗な音色を響かせながらウクレレを演奏する人を見ると、とても羨ましい半面、全く憧れない。

 なんかウクレレっぽくないよな・・・

 そう講釈を垂れる。

 ウクレレというのは超絶技巧であってはならん!

と言って、自らの力量の無さを正当化するのである。

 全く、随分「オヤジ」になってしまったものだ。

 ほとほと自分に呆れる。

 ウクレレをまるでギターのように使い、ひたすら弾き語りに徹する自分という謎なキャラ設定を行い、取り繕っている。

 ハワイアンなんて全く経由していない。

 だから、ウクレレをやってるのに、ウクレレ感がない。

 だけど、ウクレレ独特のかわいらしさは出せていると思う。

 それが、わたしの「ウクレレ」だ。

 かわいらしさとは、つまるところ下手だということだ。

 おぼつかない感じがそのまま表現として認知されてくれたらいいなと思っている。

 それでいいのだ。

 ウクレレは、わたしにとって人生哲学の一つだ。

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