レディプレ

『レディ・プレイヤー 1』これは最高。オタク、そして青春の集大成 4/20~公開

映画鑑賞メモ ※追記あり

原題:Ready Player One ★★★★★

ここは、映画愛やゲーム愛、アニメ愛…さまざまな、全方位のオタクたちが、胸を熱くする世界

アーネスト・クラインによるベストセラー小説「ゲーム・ウォーズ」の映画化なんですけれども、いや、本当スティーヴン・スピルバーグはやはりすごい人。70歳になっても古きものへの愛と等しく、新しきものへの好奇心と愛をも高めていくことができる人なのです。


想像力無限のVRワールド「オアシス」は新世代の映像体験といわれますが、映像は新世代でも、登場するアバターやフィーチャーされている映画、全編を彩る音楽は、“私たち世代”というのかアラフォー(アラサーも入るのかな)にドンピシャ! 音楽は早速プレイリスト作ってしまいました。

いちいち、楽しい! 最高! 映画を楽しむ時間を、楽しみました。

特にラスボスがアレで、アレしたときなどや、あの映画が登場した際には、自分も含めて周囲の体温が一気に上がったのを実感しました。

「オアシス」と呼ばれる仮想世界の開発者ジェームズ・ハリデーが隠したイースターエッグを探しに行く主人公ウェイド・ワッツを、『MUD-マッド-』から気になっていたタイ・シェリダンが演じ(『X-MEN:アポカリプス』もあったけれども)、ついについにブレイクすることもうれしい。

そのジェームズ・ハリデーを演じる、スピルバーグ監督の投影でもありそうな3度目タッグのマーク・ライランスはもちろんのこと

スピルバーグ監督がNetflix「BLOODLINE ブラッドライン」を見て、「いつか自分の作品で起用しよう」とベタぼれしたベン・メンデルソーンの使い方といったら! 

『ローグ・ワン』のような完全なる悪役というわけでもなく、笑いもとったりして、自由自在に活かしているなぁという印象。例えて言うなら『最後のジェダイ』のハックス将軍的な。スピルバーグ、どうもありがとう!

『ウィンストン・チャーチル』にもジョージ6世で出演しているベン、今、来てるなぁ、ワルな渋オジの最盛期かもしれません。

■ぜひこちらもチェックしてみてください。

【渋オジ】ベン・メンデルソーンが語る英国王、そしてチャーチル【インタビュー映像】https://kaigai-drama-board.com/posts/14937


また、「オアシス」の人気ゲイマーであるオリヴィア・クック「ベイツ・モーテル」の子だし、仲間のリナ・ウェイスは、Netflix「マスター・オブ・ゼロ」で手がけた「サンクスギビング」のエピソードでエミー賞史上初めてアフリカ系アメリカ人女性としてオリジナル脚本賞にノミネートされて受賞した才女。

ベンさんの右腕役のハナ・ジョン=カーメンは、「KILLJOYS/銀河の賞金ハンター」の主人公であり、「ゲーム・オブ・スローンズ」や「ブラック・ミラー」などにも出演。今年は本作の他に『トゥームレイダー ファーストミッション』にも、さらには『アントマン』の続編『Ant-Man and the Wasp』(原題)にも出演する要注目女優。

森崎ウィンくんも観客の心をかっさらうシーンがあり、こうした新進プレイヤーたちの活躍と飛躍を見ていることも実に楽しいのです。

それに、ハリウッドでここ最近続いている、『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』にもあったジョン・ヒューズ的なものの集大成でもある気がしています。

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【追記】

3月末の報道で、Netflix製作の「1週間しか劇場公開していない映画はオスカーノミネートには値しない」「テレビ映画としてエミー賞を受賞するべき」といった旨を語ったというスピルバーグ。

私は、今年、助演女優賞を含む4部門でノミネートされた黒人女性監督ディー・リース(40代)『マッドバウンド 哀しき友情』(撮影賞は女性初のノミネート=レイチェル・モリソン、『ブラックパンサー』も彼女)や、

ロシアの国家ぐるみのドーピングの実態に迫ったドキュメンタリー部門受賞作「イカロス」は、大変衝撃を受けた好きな作品であり、

撮りたいものがある(大手スタジオなら渋るような)表現者に、潤沢な資金と発表の場を与えるNetflixのあり方には、一映画ファン、一エンタメファンとして感謝の思いも持っています。

この報道を初めて知ったとき、「そりゃ、あなたは撮りたいものを、大きなスタジオで何不自由なく撮れるからね~」とか、「若い才能が脅威なのか~」とか、ちょっと穿った感想を持ってしまったのですが、

『ペンタゴン~』と『レディプレ』を見て、訂正(単純…)

やはり彼は、Netflix含めテレビドラマのこともよく見ているし、映画館で映画を楽しむ体験について、こうした現在の潮流についても、慎重に、大切に考えているのかもしれないと改めました。

そのうちディー・リース監督を全面プッシュして、何か劇場映画を作っていただきたいような。


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