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『ダンボ』愛くるしい瞳、空飛ぶ後ろ姿! 中身はシュールで、アンチサーカス? 公開中

ティム・バートンが描く特別な個性を持った自分を誇る物語…というより、何かをなくした者たちが再び立ち上がっていく喪失と再生の物語で、ダンボと子どもたちの心が結びつくきっかけには涙。エヴァ・グリーン良き。

原題:Dumbo ★★★☆☆3.8

ティム・バートンらしさ、は薄い…のかもしませんが、“ナイトメア館”やピンクの像の演出、サーカスに関わる人間のドス暗さや、家族愛(特に父性)に友情も描かれております。

CGですが、ダンボの翔ぶ姿がかわいいこと!特に後ろ姿と愛くるしい瞳がすばらしい。

そして大事なことは、

コリン・ファレル演じるホルトは第1次世界大戦の帰還兵だということ。フランスから帰ってきて、あの、無理やりに明るく振る舞うテンションがまた切ないですね、日本で公式アナウンスはありませんが大事なこと。

しかも、サーカスで働く身としては圧倒的不利な怪我を負っています。

また、サーカスに残された子どもたちも父不在の間に母を亡くしております。サーカス団団長メディチ(ダニー・デヴィート)や、興行師ヴァンデヴァー(マイケル・キートン)にスカウトされた空中ブランコ乗りコレット(エヴァ・グリーン)も。

このあたりが母親と無理矢理引き離されたダンボと心を通わせていくきっかけになる点には、胸がジンとなります。

だからこそ、大きな耳をばたつかせて懸命に飛翔するダンボの姿が希望や再生の体現としてエモーショナルに利いてきます。

とびぬけた個性を持つ者たちのみならず、何かを失った喪失者の物語でもあるというのが、ツボなのです。


さらに、『グレイテスト・ショーマン』でも再認識したのですが、幼少のころからサーカスが苦手な子どもだった私が、サーカスや某夢の国が苦手な理由が全部詰め込まれていたように思います。

ティム・バートンの反逆、といいますか、何気にアンチサーカス、アンチDともいえるのではないかと勘ぐってしまうのです。

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