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『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』現代にもつながる「女性の生き様」が濃縮された最旬人気女優の競演 公開中

基本、シアーシャ・ローナン演じるメアリー・スチュアートの物語ではあるのですが、邦題で「ふたりの女王」と名付けたくなったのも十分に理解できるほど、合わせ鏡のような存在となるマーゴット・ロビーのエリザベス1世の存在感が利いています。『ダンケルク』ジャック・ロウデンにも釘付け!

原題:Mary, Queen of Scots  ★★★★☆

フランスから10数年ぶりに故郷スコットランドに帰国した生まれながらの女王メアリー・スチュワート。父ヘンリー8世とアン・ブーリンとの間に生まれた身から女王となったイングランドのエリザベス1世

従姉妹であり、お互いの唯一の理解者であり、ふたりとも同じようなセリフを口にする1国の女性統治者であるのに、その選択、生き様は正反対ともいえるものでありました。

そんなふたりの女王をシアーシャ・ローナンと、マーゴット・ロビーが演じる、という時点でワクワクします。

しかも、メアリーがスコットランドで再婚するダーンリー卿ヘンリー・スチュワートには、クリストファー・ノーラン監督作『ダンケルク』でブレイクし、ザ・スミスのモリッシーを演じる『ENGLAND IS MINE』の日本公開も(やっと)決まったジャック・ロウデン。 

さらにエリザベスが信頼を置く寵臣レスター伯ロバート・ダドリーを演じるのは、『女王陛下のお気に入り』『ある少年の告白』にも出演していてティラー・スウィフトの彼としても知られるジョー・アルウィン と注目の若手俳優が相手役を務めております。

何より、本作ではジャック・ロウデンの新たな魅力を多くの人が知ることになるでしょう!!!


カトリック教徒のメアリーは、宗教改革を終えたスコットランドを彼女が不在の間に統治していたプロテスタントの義兄マリ伯などにとって、もちろんイングランドにとっても目の上のたんこぶ、のようなもの。

四面楚歌の中、メアリーは同じくカトリック教徒であるダーンリーと結婚、男子を出産します。後のイングランド王ジェームズ1世になるジェームズであります。

その時代、世継ぎというのは何よりも重要であり、

メアリーの懐妊により、かろうじて均衡を保っていたように見えたふたりの女王のパワーバランスが少しずつ揺らぎ始めていきます。


「私は国家と結婚した」との言葉を遺し、生涯独身を貫いたエリザベス1世と、

若さと美しさと激しさと賢さと、ある意味、そのジェンダーを利用したようにも見えるメアリー・スチュアート。

しかし、権力に群がる男たちはそんな女性を許しません。


悪女のようにいわれてきたメアリー・スチュアートについて、シアーシャがそうじゃなかった、と語るインタビュー映像もあります。


実は、2人が『ヒート』のように“対面”するシーンが最大の見せ場でもあるのですが、

そのシーンで圧巻だったのは、むしろマーゴットのほうかも。

彼女の美しく、哀しい女王ぶりをもっと見ていたくなりました。

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