セブン_サイコパス2

『スリー・ビルボード』監督×サム・ロックウェルの前作『セブン・サイコパス』

映画鑑賞メモ

https://www.netflix.com/title/70241756 ★★★★☆4.5 原題:Seven Psychopaths

サム・ロックウェルコリン・ファレルウディ・ハレルソンクリストファー・ウォーケンら、アクの強いキャラが大集合してサイコパスに!? シーズーとウサギだけが救いです。


『スリー・ビルボード』が現地時間1月21日に発表された、全米映画俳優組合賞(SAG賞)で主演女優賞・助演男優賞、そしてキャスト賞の3冠を獲得し、アカデミー賞の本命として注目を集めていますが

その監督・脚本のマーティン・マクドナーが手がけ、サム・ロックウェル、ウディ・ハレルソンといった“マクドナー組”が顔を揃えた2012年製作のクライムサスペンス(いや、むしろコメディか)。

マクドナー監督はローレンス・オリビエ賞を受賞したこともある劇作家で、コリン・ファレル×ブレンダン・グリーソン×レイフ・ファインズの『ヒットマンズ・レクイエム』(2008年)ではアカデミー賞脚本賞にノミネートされています。


あらすじ

アル中の脚本家マーティ(コリン・ファレル)は、新作映画のタイトルだけは『セブン・サイコパス』に決まっているものの、脚本執筆がなかなか進まない。その様子を見かねた親友で売れない役者のビリー(サム・ロックウェル)は、勝手に「サイコパス募集、アイデアを提供して」という広告を出してしまう。一方、散歩途中の犬を“拝借”して飼い主に届け、礼金をせしめていたハンス(クリストファー・ウォーケン)とビリーは、マフィア(ウッディ・ハレルソン)の愛犬をそうとは知らずに“拝借”。次々にトラブルに巻き込まれていき……。


昨年亡くなったハリー・ディーン・スタントンや、トム・ウェイツ、オルガ・キュリレンコ、『スリー・ビルボード』にも出演するアビー・コーニッシュやジェリコ・イヴァネク、何気に『シェイプ・オブ・ウォーター』『君の名前で僕を呼んで』『ペンタゴン・ペーパーズ』などでバイプレイヤーとして活躍するマイケル・スタルバーグ、マイケル・ピットまで、いずれのキャストもクセ者揃い。


ダメダメな脚本家マーティの書く『セブン・サイコパス』が、やがて本物のサイコパスたちを引き寄せていくことになります。バイオレンス強めなのに笑えるところも多々あり、不思議なフェイクドキュメンタリーのような気もしてきます。まさにジャンルレスといえるかも。

本作でもサム・ロックウェルの狂気的な演技はキレキレで、マクドナー監督とは相性がとてもよいのだなと。

また、マクドナー監督は北野武が好きだそうで、劇中には『その男、凶暴につき』がちらり。「ヤクザ」「日本語、難しい」なんて言葉もサムロクとファレルの間で交わされます。

© 2012 Getty Images


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