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SNS相談で見えた女学生達の心の裏側

noteへの投稿が初めてな為、練習的な意味で一つ、最近のポップな心理事情について書いてみようと思う。

若者のコミュニケーション法はSNS

私は心理カウンセラーだが、最近の流行りに乗って、SNS相談というものに多少関わらせていただいている。

SNSはLINEやInstagram、twitter、Facebookなどがあるが、それぞれの特徴があり、使い方も様々。

そしてメッセージを交わし合うという役割に特化した意味では、LINEが群を抜いているだろう。

LINEはとても便利なもので、文字だけではなく、写真もすぐ送れるし、動きのついたスタンプなどで気持ちを表現できる為、インスタントにコミュニケーションを取るにはとても優れている。

実は昨年、LINEの社員の一人が、実はLINEがいじめの温床になっていることがわかっており、逆にLINEを使っていじめを無くせないかという話が持ち上がった。

便利機能がいじめの温床に?

LINEのグループトーク機能は、オンライン上で簡単にグループチャットを形成できる為、グループ内の誰かに違和感が出ると、即座にその人を外した新グループをつくり、当人の悪口などを始めたりする現象が、いじめに拍車をかけているというのは既に多くの人に認知されている。

直接本人に文句を言うよりも、安全に他の人達を不満を共有できるという何とも言えない話だ。

この話は心理カウンセラーの養成を様々な方法で行っている私の所属団体にも声がかかった。
更には関係諸団体だけでなく、すぐに国会議員にも伝わり、文科省で今年度中の補正予算が組めないかといきなり積極的な動きまで生まれた。

心理カウンセラーは大体、傾聴と言って相手の感情に寄り添ってゆっくりと話しを聞く存在だ。

その点、私はちょっと違う。

積極的な対話で心を開き、現実的な対策を得意としている。
その少しばかりの違いを知った関係者から、若者のLINE相談モデルとなるようなカウンセラーが欲しいので、協力して欲しいと声をかけられた。

実際を想定した試験実施の後、私の名前が出たスクリーンショットまでニュースで公開されたのは少し驚いた。

特に有名大学の経歴などを持たない私には、思ってもないお声掛け。
もちろん、返事にNOはない。

この話がすぐに進んだのは滋賀県大津市。
少し前にいじめによる中学生の自殺者が出たことで、市としても特別対策部署が設置されている。

そして大規模な試験実施を1ヶ月行ったのは長野県。
2週間で電話窓口だけの時に比べ2年分以上となる相談が来た。

この二つの自治体による取り組みは、すぐに情報分析の専門団体にてデータ化が行われ、SNS(LINE)相談には社会的な高い価値があるのかどうかが分析された。

SNSだからこそ救える問題

答えは明白。
相当の効果と可能性を秘めているというもの。

実際に相談した中高生達8割に相談してよかったという雰囲気が後半に明確な言葉として出ていることがわかった。
アンケートよりも相談内容をそのまま分析しているから、このデータは余計に信憑性が高い。

そこでわかったことがある。

それは対面や電話相談と同様、圧倒的に女性の相談が多く、実に9割が女性(つまり女学生)だ。
これはおそらく人に相談するという心理的なハードルが女性の方が低いことが理由だろう。

また、いじめに関する相談は中学1年生に特に多い。
小学校から中学に入ってグループなどの集団性が高まるタイミングに、はみだされてしまう人がいるということだろうか。

私たちの当時を考えてみてもわかる。
小学校の固定的な人間関係は6年間で続く。それが中学入学と共に急に広くなる。
テストは初めて順位が付けられ、部活も始まり、社会的な活躍が突然に問われ始める。
「大人の階段を登り始めた」という楽観視をし続けるのも問題だ。

そういうストレスが高まるからこそ余計に、集団化というストレス防衛行動が起こる。
どこかのグループへ安定的に所属し、仲間意識が出来上がれば、それだけ個人の心は守られるということなのかもしれない。

人が集団化するのは人類生存の条件だった

本来、誰かと共に存在できるというのは、精神的にとても豊かなことであり、100万年以上と言われる私達人類(ホモ・サピエンス)が地球上に生き続けることができた条件でもあった。
個体能力だけで言うなら、他のヒト科(ホモ・ネアンデルターレンシス)の方が高かったとも言われるからだ。

集団を形成し、それぞれが役割意識を持って、協力体制を敷く。
それが可能な私達だからこそ、生き続けてきた人類の歴史。
地球全体から食料が減った氷河期、まさしくこの能力がない他のヒト科は一斉に姿を消してしまう。
集団による協力体制は、私達ホモ・サピエンスのDNAに刻まれた種の保存を可能にする本能的テクノロジーなのだ。
しかし、この能力が今私達を脅かしているとも言えるのだろうか。

現代はコミュニケーションが氾濫を起こしているとも言われる時代。
40代の筆者からすれば、学生時代に交際相手との電話を家族に多少聞かれながらしていた頃の話など、最早化石的な話題なのだと感じる。

インターネットは24時間いつでもコミュニケーションをとれる時代を築いた。その功罪は簡単には語れないが、どちらにしても、今後、時代が不便な頃へ戻ることなどありえない。

SNSカウンセリングだからこそ

前述の通り、SNSカウンセリング最大のメリットは繋がりやすさ。

気軽に相談できるからこそ、問題が小さな芽の状態で解決へと結びつけていける。

それが既に大きな問題だったとしても、人は誰かと心理的に繋がり、孤独を避けることができるだけで、自殺などの確率は大きく下がる。

簡単に繋がりを調整できるSNSのデメリットは、同時に繋がりやすさで人の心を支え、救える大きなメリットでもあるのだ。

つい先日5月10日には、文科省・厚労省と全国の関連13団体が協同して対策をとっていくことが示されたシンポジウムも開催されている。

その様子については、私のブログを参考にして欲しい。

私にとってはnoteというアプリの練習の為に書いた話題。
SNSがコミュニケーションツールとして社会基盤ともなった現代の読者に、多少なりとも意味が生まれることを願っている。


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