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ボダム(bodum)が割れた


今朝は珍しく寝坊をした。
世界一周帰国後、早寝早起きになってきていたのだが、だんだんと元の
「遅寝遅起き」に戻りつつある。
いいのか、悪いのかはわからないが、「自然に任せる」ことにしている。

実は今朝Noteには別のことを書こうと、すでに「口述筆記」をしていた。
最近、家事をしている時に「ふと浮かぶ」ことが多く、忘れないうちにメモをしていたが、それでも間に合わなくなって、最近は「口述筆記」にしている。
便利だ。

そうして書いていた口述筆記さえもすっ飛ばす「事件」が起きた。

「ボダムが割れた」のだ。

ボダム(bodum)
とは、フレンチスタイルでコーヒーを淹れるガラス食器で、ガラス容器の周囲をプラスチックカバーで覆っているため、ガサツな私が割る可能性が低い食器として、10年以上前に感動して見つけた一品だ。



「bodum」と赤い字で買いてあり、デパートや最近では有名カフェにも置いているのを見かけた。

私が持っているのは、一リットルの大きなサイズで、これよりも一回り小さいサイズもあるが、私はこの大きなサイズを一番最初に買って、それ以来引越しの際にも必ず連れてきた。
考えてみれば10年以上は使っているもので、それもほぼ毎日コーヒーだけではなく、最近では茶葉の紅茶を入れるのに使っていた。

コーヒーはドリップ式で淹れる際には、フィルターを置くドリッパー(三角になっているプラスチック製などのもの)が必要だが、このフレンチスタイル、つまり「プレス式」と言われる、コーヒー豆や紅茶の茶葉を入れて、少し蒸らした後に上から網目のようなもので押して淹れるものだ。
好みはあるだろうが、私にとってはこちらの方がずっと楽で便利なので長年使い続けていた。


コーヒー豆は「フレンチプレス用でお願いします」と、コーヒー豆を挽いてもらうときに伝える必要はあるが、それ以外はとても楽。
このフレンチプレスを知ってから、bodumを見つけ、その時に購入したのが、今朝割れたボダムだ。

周囲にプラスチックカバーがあるのに、少しの段差があるキッチンで転がったと同時にかなり激しく割れたのを見て、「ああ、そうだったんだ」と思った。

驚くより納得した。

と言うのも、2、3日前に朝の紅茶を入れている時、この古くなったボダムを見て
「これももう随分古いな。そろそろ買い替えないといけないかな。でもまだ使えるから、もう少し頑張ってもらおうかな」
と思ったばかりだった。

今まで、一度もこのボダムについてそんなことを思ったことはなかったのに、なぜか2、3日前にふとそんなことを思い、ボダムをしげしげと眺め、感謝していたのだ。

そして今朝、まるで私の言ったことを聞いていたかのように、その寿命を全うしたように思えた。

毎朝使い続けていたのに、1日に何度も使っていたのに、文句一つ言わず、ただただ役目を果たしてくれた。
ようやく私が劣化していることに気づいたことで、
安心して寿命を全うしたのかもしれない。

物にも波動があると聞く。
使われていないものは、嫉妬するから、不要なものは処分した方がいいらしい。

このボダムは使われないどころか、毎日毎日私のために働いてくれていて、当たり前すぎて改めて感謝なんてしていなかった。
でも、このめんどくさがりで、ガサツな私にはなくてはならない一品で、ようやくその老体に鞭を打って働いてくれているボダムの姿に気づいた途端、
安心して、息を引き取ったように感じたのだ。

元気だった時の姿は写真一枚残していないが、寿命を全うしたボダムは写真に収めた。

寿命を全うした食器の写真を皆さんが見ていただけたら、ボダムの供養になると思います。

本当に長い間ありがとうございました。

早速次のボダムを買いに行きますが、あなたがいてくれたから、嬉しい時も辛い時もコーヒーと紅茶を淹れることができ、その一杯に私は救われてきました。
本当にありがとう。

そう書きながら、涙が出た。
人との別れだけではなく、物との別れも、やっぱり辛いものだ。

おまけ

調べてみると、Amazonのブラックフライデーとやらで、随分安く購入できることがわかりました。
良かった。


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