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旅で学ぶ①「東北編」


旅が好きだ。
今でも月に一度は旅に出ている。
国内、海外は問わない。
コロナで海外に行けなくなった頃は、チャンスとばかりに国内旅行に出かけた。

2年前に、東北一人旅をした。
山形、(仙台、通過、乗り換え)岩手、青森を周る旅。
以前の仕事柄、空港には行ったことがあっても、旅をしたことはなかった。

九州出身の私からすると、東北の県の位置さえ怪しかった時期がある。
だから余計に、足が向かなかったのだろう。

国内の良さに目覚めてから、東北への思いが強くなり、JRのお得なチケットを見つけた時、これは行くべきだ、とすぐに決めた。

2泊3日の短い旅ゆえ、行き先を明確にする必要があった。

山形・米沢→上杉神社で、上杉鷹山を知る
岩手・盛岡→石川啄木、宮沢賢治記念館へ
   平泉→中尊寺を訪れ、芭蕉を感じる
青森・五所川原→ストーブ列車に乗り、太宰治記念館へ
   弘前→雪の弘前城へ

短い期間で、列車の本数も少ないのに、よく回れたな、と思う。
行きたいと思った時に、行くと、全てがスムーズに行く気がしている。
「呼ばれている」のだと感じる。

それを感じたのは、まさに上杉鷹山という人を、知らなかったことだ。
名君と歌われた鷹山は、あの、ケネデイ大統領が尊敬していた人物として知られる。
かの言葉に、ケネデイ氏が惹かれたかららしい。

「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」

実は鷹山は上杉家に後継がいなかったため、上杉に嫁いでいた祖母が、鷹山を後継に推薦した、と知った。
日向(宮崎)から山形へ移った。
実はこの頃、米沢藩は財政危機に陥っていたらしい。

養子で、着任早々倒産寸前の会社を建て直せ、と言われたのと同じだ。

神社の参道には、鷹山の銅像が建てられ、ケネデイ氏の長女である、キャロライン・ケネデイが駐日大使だった頃に、ここ米沢を訪れた記事も見ることができた。
さらに、ケネデイ氏のあの有名な演説も、鷹山の影響を受けているらしいと知る。

結局、困難を乗り越えた時に名言は生まれ、だからこそ人を惹きつけるのだ。

鷹山は自分がやるしかない、と思ってあらゆる財政立て直しをした。
そのおかげで米沢藩は蘇ったのだ。
でも、私はろくに鷹山を知らなかった。
不勉強だと言われればそうだろう。
でも、それだけではない、と思うのだ。

「本当にすごいことをやった人のことは、案外広がらない」のだ。

それは、もしかしたら周囲の嫉妬心があるのかもしれない。
それは、もしかしたら周囲がすごすぎて、信じられないからかもしれない。
それは、もしかしたら徳が高い人ほど、自慢をしないからかもしれない。

日本人の美徳として、謙虚さがある。
自慢をする人は、嫌われる。
自分の業績は、自分からは言わない。

世の中は、だんだん違う方向に行きつつある。
自分のことを自慢し、すごいと言う。
そして、言った物勝ちのような空気が。

でも、なんとなく思うのだ。
本当にわかっている人たちは、言わないけどちゃんとわかっているのではないか、と。

「本物」とは、どう言うことか、と考えていた私にとって、良いヒントになった。

声が大きい人ではなく、
誰もが実現不可能な事を愚直にやってる人。

私には、鷹山がそんな人に思えた。


旅の際にろくに下調べをしないで、「ここに行きたい」と思ったところを、順次計画に入れていく。
それでいい。
そこには、何か発見が待っているに違いないのだから。


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