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人が動く時

1日1記事で、ハッピーライフ。


今日は、高校に講演に行った際の出来事です。

「伝える」と言うこと

今まで、様々な高校、短大、大学、企業に行き講演や

研修に行ってきました。


依頼をいただくと、準備をし、当日を迎えます。


初めて行くところもあれば、20年以上のお付き合いの
ところもあります。

しかし、

「毎回が初」

の状態です。

毎回、聞き手が変わるから

毎回、テーマが違うから

毎回、ニーズが違うから


です。


毎回聞き手が変わると言うのは、
緊張感があります。

特に、学生相手の講演は、一年一年年を重ねる私にとって、
ジェネレーションがどんどん離れていくからです。

また、初対面でわずか50分から90分で、
伝えなければならないことも、大きな課題です。

私が思う「伝わる」とは、

「相手の価値観や行動が変わる」

事だと思っています。

ある私立高校での講演


以前行った、私立高校では、
就職のための専門的なコースが複数あり、

進路先は就職、と言う生徒さんがとても多い高校です。

最初の50分で就職総合講話。

学生と社会人は何が違うか、を具体的に話しました。

お金をもらいながら、仕事を教えてもらえるという事は、
社会人の良いところだ。


正規社員には、特にお金と時間をかけて

育ててくれる会社も多くある。


会社にとっては、育てなければ採用した意味がないから、
と言えばそれまでだが、働く側も、お金をもらいながら
育ててもらっていると言う意識は大事。


私自身、最初の会社で教えてもらった事、

学んだ事、

経験で今でもお仕事ができていること等、お話しました。


その後10分の休憩。


先生方は、別室でお茶をご用意していますので、
と言ってくださったのですが、
私はそのままその場所に残る事にしました。

生徒さんたちの様子を、少しでも見たかったからです。

椅子に座って、頂いたペットボトルのお茶を飲んでいたら、

1人の女子生徒さんと目が合いました。


じーっとこちらを見ているので、

「何か質問ですか?」

と聞くと


「はい」

と言うので、私はすぐに彼女の近くまで行き、
板張りの床に直接座りました。


すると、一斉に20人位の女子生徒さんたちが集まり、
私を取り囲みました。

(さーっと集まってくれました)

「先生はどうして今の仕事されているのですか」


と1人の女子が聞いてきます。

その真剣な眼差し。
皆さんに見せてあげたいくらいです!

その必死さに私は、

「何でも教えるよ」

という気持ちになり、

客室乗務員を結婚後懐妊と同時に退職したこと、
その理由、
この仕事を始めた時のこと、
勤めていたスクールが経営難で、
正社員だった私が解雇された事、
そのスクールの生徒さんが自宅に遊びに来るようになり、
転職活動中だった時、ある事から自分でスクールを
開く事を思いついて、生徒さんに聞いたら

「是非やってください」と、背中を押され、
開校を決断した事。


一期生の2人を合格させ、
スクールの宣伝も兼ねて高校、短大、大学を周り、
講演依頼をいただくようになり、現在に至る事。


10分と言う時間で出来る限り、お話しました。

その話を聞いていた1人の女子生徒さんが、


「先生は山あり谷ありですね」

と言いました。


「そうだよー。
でもみんな、誰でもこれから先山あり谷ありだし、
そんな時でも自分が強くて、稼げる手段や技術を持っていたら、

安心でしょう?

私も娘が遠くの大学に行っている時は、
仕送りも学費も大変だったけど、
私が仕事をしていたからよかったんだよね。

みんなも女子だけど、しっかり稼げる人になるのよ」


と言うと、

「先生、高卒でも大卒の人と同じくらい
稼げるようになりますか?」

と聞かれました。


私は、

「あなた次第だよ。
私の知り合いの人にも高卒で、
ものすごく勉強して自分で会社を立ち上げた人や、
社長の中にも高卒の人もたくさんいるよ。

あなたの好きな事を大事にする事と、
あなたがやらなきゃいけない事を一生懸命、
真剣にやってみて。

真剣にやれば、自分に向いているかどうかもわかるし、
意外と楽しいと思うかもしれないから」


この私の返事を、20人程の女子生徒さん達が、
真剣な眼差しで聞いてくれました。


女子高校生が質問してきた理由


素晴らしいですよね?

皆さん真剣ですよね?

ちゃんと人の話を聞いて、
的確な質問をしていますよね?


決して進学校ではありませんが、
このように情熱を持ち、

自分の人生を考えている高校生がいるのです。


こうした若者達がどんどん力をつけて、
社会で活躍する事が、楽しみでなりません。


彼女達が、山あり谷ありの人生にあっても、
いつも自分の力を信じ、自分自身を信じ、
自分のことを決して裏切らずに
突き進んで行って欲しいな、と思いました。

私も彼女達を突き動かす事が出来たのであれば、
その自分の力を信じ、これからも様々なことに
挑戦していこうと思っています。

おそらく、人を動かすことができた、と
いう時は、自分が真剣に向き合っている時です。

真剣とは、「本物の剣」。


油断すると、切られます。

ただ、そんなに大袈裟なものではなく、
単純に好きな仕事だから、気づかないうちに、
真剣になっていただけだと思っています。

そして、私も女子高校生の真剣さに動かされ、
なんでも話していたのです。


そんな感動を与えてくれる可能性がある講演。


そろそろ講演に行きたいな、と思うこの頃です。


上野 博美


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