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本を読む効能と活かし方


このエッセイを書こうと思った理由



note読者の方は、おそらく本好きな人が多いのだと思う。

私も同じく、で、本棚が自宅になかったことはない。

もちろん自分専用だ。


本が好きな理由は色々あるし、本の魅力にハマったり、助けられた経験は

数限りなくあり、それを書くだけでも2本くらいエッセイが書けるほどだ。


今日は、その話ではなく「本を読んで自分がどう活かしているのか」をふと

振り返ってみたくなったので書いている。


私が本を読みながらやっている二つのこと


ビジネス書であっても、小説であっても、私が本を読んでいるときにやっているのは主に二つだ。


1つは、その文章から描ける絵を頭の中で描くこと。

これは小説の場合が多いが、ビジネス書であっても実例が書いている場合は、

その情景を画像にしている。

無理にそうしているわけではなく、自然とそうしている。

その理由はおそらくその方がわかりやすいこと、記憶に残りやすいこと、その方が楽しいからだ。


そして逆に言えば、文章を読んで画像が描けない文章の本は買わない主義だ。

本屋でパラパラと読んで、「この文体が好き」と思って買うので、知らない作家の人の本を見つけるのはそれが一つの基準になっている。


本来、作家の方々は本を出版する前に何度も編集の人から校正を受けているはずなので、全員の本が分かりやすく、面白いはずなのだが、最後は自分が好きな文体かどうか、という点で、購入するかどうかが分かれる。

それが私の場合は、画像が描けるかどうか、という自分の脳に訴えかけてくれるかどうかにかかっていると思う。


小説の場合は、画像が描ければ自分の頭の中では完全に映画化されている。

主人公の顔も、背景も、服も、どんなものかが出来上がっていて、完全にその中に浸ることができる。

そこでは自分が監督であり、プロデユーサーであり、誰からも反対意見が出てこない完全なる自分の世界だ。

これが小説の醍醐味であり、私にとって大好きな、至福の時間である理由だ。

同じ小説を何度読み返しても、その世界観はほぼ変わらない。

ただ、登場人物の言葉にだけは違う感情を持つことがある。これが時を経て小説を読み返す面白さだと思っている。


2つ目は、自分との対話だ。

これはビジネス書でも小説でも同じ。

ビジネス書でノウハウが書いてあったり、知らない知識が書いてあると、

「これは自分は全く知らないのか、似ていることなら経験しているのか」

「これは今の自分の仕事にどう活かしたらいいのか」

「これは自分が取り入れた方がいいものかどうなのか」

など、決して本に書いていることを鵜呑みにせず、ただただ水をごくごく飲むように読むのではなく、一つ一つ成分を確かめながら読んでいる感じだ。


小説でも同じだ。


主人公や登場人物の言葉に、自分がどう思うのか、賛成なのか反対なのか、

なぜそう思うのか、などを問いかけているようだ。

自分とは違うタイプの登場人物でも、自分の周りにいる人で似ている人を思い出して、

「ああ、だからあの人はこないだこんなことを言っていたんだ」

と理解できたりする。


小説の中の登場人物に近い人が身近にいると、人間理解に役立つことがある。


小説にハマる理由


そして何より言葉のインパクトにやられてしまう。


私の愛読書の一つに「スカーレット」という本がある。

これは皆さんご存知のあの有名な「風と共に去りぬ」の続編小説だ。

マーガレット ミッチェルの死後50年(だったと思う)で、この小説の著作権が

切れた時、遺族の人たちが「風と共に去りぬ」の続編を書いてくれる人を募集した。

それに応募したのが、イギリス人女流作家のアレクサンドラ リプリー。

彼女が、「風と共に去りぬ」の最後のシーンである、主人公であるスカーレットが「タラへ帰ろう」から以降のことを書いた小説だ。


これを聞いた、当時の売れっ子女流作家だった森 遥子さんが出版元である

新潮社に自ら問合せ、「日本語訳を自分にやらせてほしい」と頼んだ、と聞いた。

森さんは、スカーレットの大ファンでこの日本語訳のために実際にアイルランドや、アトランタにも行かれた、と聞いた。その時すでに病に侵されていた可能性もあったらしいが・・・

その日本語訳で私はこの「スカーレット」を読んだ。

文庫本で4冊にもなる、長編小説だが、表紙も取れ、ぼろぼろになっているほど何度も何度も繰り返し読んでいる本だ。


その中に私が大好きな言葉が二つある。


一つは、スカーレットが言った

「私は人生で選択するとき、いつも自分にとって辛い方を選択してきた」

と言う言葉と、

同じく彼女が言った
「人はやがて去るか、裏切るか、死んでいく。だからこそ、私は人に期待をせず、自分にもっと頭で考えろ、もっと体を動かして働けと、自分に言い聞かせてきた」(本の通りの言葉かどうか、手元に今ないのでわからないが、ほぼこのような意味だ)

と言う言葉だ。


原文を読んでいないので、アレクサンドラ リプリーがそのように書いたのか、

森さんの意訳なのかはわからないけど、この言葉がずっと頭の中にある。
おそらく強い人しか言えない言葉で、そこの憧れているからだろう。


愛読書として何度も読み返す本には、私が心を打たれている言葉が必ずある。

それらは、作家の方からのメッセージだ。

物語を作り、その登場人物に言わせているメッセージだ。

だから、自分の心に残る言葉が散りばめられている小説をいつまでも捨てることができないのだと思う。


今度、私が心を打たれた言葉を拾って、集めて、noteに書いてみようと思う。


最後に


本のことについて書きたい、と本好きの私は思ってきたが、ようやく少し書けた気がする。

本のことについては書きたいことはいっぱいあるな、とまだまだ思っている。

タイトルにある、「本を読む効能」については書いたつもりなので、もう一つの「活かし方」については次回もう少し書きたいと思う。


最後まで読んでくださった方がいらしたら、(こんな長文を)感謝しかないし、

おそらく本好きの方には共感していただいた部分があったのではないか、

と密かに思っている。





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