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『ゲンキジャパンを10倍楽しむ方法』第7回:ドラゴン・タトゥーの男

初めに

はい『ゲンキジャパンを10倍楽しむ方法』、第7回目の投稿になります。

ファンやアンチの方はもちろん、地蔵にフォローされたんで恐る恐るこのnoteを覗きに来てる人もちょっと聞いて貰えます?10月14日の土曜日に、いつも通り渋谷の明治通り(宮下パーク下)でストナンしてたんですわ。

そしたら渋谷駅の方から西海岸の風を吹かせながら、洋行帰りの"奴ら"が歩いてきたんですよ。しかも昔の戦隊物みたく、4人が横一列になって明治通りを颯爽と闊歩してきたのにはビビりましたね。

その姿に登録者数が絶賛下落中の、某新世代YouTuberの旗手を思い出しました。

【宣戦布告】  
全ナンパ師に告ぐ
ゲンキジャパンが通るから道をあけろ
"GENKI"が日本を変える

いやー、ナンパとプランクの本場LAで散々揉まれて帰国した、新生ゲンキジャパンの面々は神々しかった。

特にナンパのカリスマにして"GENKI"の提唱者のゲンキは、雑魚ナンパ師の我々にとっては眩しすぎる存在ですからね。思わず彼らが到着する前に、アディダスショップの中に逃げ込みましたよ。

だってイヤじゃないですか。

ゲンキ「あれ、お前地蔵じゃね?」

地蔵「なんで分かったんすか?」

ゲンキ「スト値1.5で渋谷でナンパする勇気のある奴ってお前しかなくね?」

地蔵「………」

ジュンペー「てか、お前なにnoteで俺らのこと好き勝手書いてんだよ」

地蔵「…すみません」

人間「ふざけんな!特に前回俺のことを偉そうに説教してたよな。小説形式にすりゃ良いってもんじゃねえぞ」

地蔵「あれでも控え目に書いたつもりなんですが…」

ちゃんゆう「人間はいいけど、あたいら残り3人のことを茶化すんじゃねえよ。あんた、あたいの右ミドルがそんなに欲しいのかい?言っとくけど、あたい強いよ。最近は左ジャブから右ヒジのコンビネーションも覚えたんだから」

てな感じで絡まれても(笑)。

なので、ゲンキジャパンに見つからないように速やかにその場を去り、恵比寿まで歩いてからナンパを続けることにしました。

恵比寿の駅前でストナンしだして30~40分経った頃ですか、アトレから腕組んで出て来る美男美女がおる。男は若くて高身長の大学生風、女は身長168cmくらいの骨格ウェーブで、髪型が黒髪のボブでと、いやウチの嫁はんじゃないですか!

嫁と分かった刹那、反射的に変顔をしながら駅ビルの影に隠れました。不倫もナンパもお互い公認してることやから隠れることはないんですけどね。

しかし子供らがおばあちゃん(嫁の母)の家に遊びに行ってるからいうて、ウチら夫婦もホンマに好き勝手やってますわ。

あれから4日経ったんですけど、いまだに恵比寿で見かけたことを嫁に言えてないんです。正直に告白すると、嫁と不倫相手を見た瞬間、猛烈に嫉妬を覚えたんですわ。

これまで不倫話を彼女から何度聞かされても全然平気やったのに、あの時だけは大学生に嫉妬したんですよね。

今、この感情を自分でも持て余していて、どうしてもナンパに行く気がせえへん。どないしよ……

この嫉妬にまみれた焦がされるような思いを忘れる為に今日も書きまくりますー。


崇拝を生む黄金比

ついに地蔵流 "列伝"の最終回、ジュンペー列伝まで辿り着きました。

この一年、ジュンペーが関わるコンテンツをつぶさに視聴してきましたが、まぁ賛否両論ある人物ですね。また極めて信者を生みやすいキャラクターをしている。

メンバー4人の中で最も人気があるのはチームの顔であるゲンキで間違いないでしょうが、ファンの熱狂度という意味ではジュンペーが一番ではないかと思うほどです。

また熱い信者が多い反面、アンチの数もメンバーの中ではダントツでジュンペーが多いと見ています。チームの中で最も好き嫌いの価値観を鮮明に押し出すのに加え、人間イジりの粗さを論難されるケースもある。

彼、パーソナリティに於ける人工と天然の配分が絶妙なんですよね。人工が100%では賢しらさを疎まれ、天然が過ぎても侮られる。この両方の分量がジュンペーの場合、崇拝を生む黄金比(人工8:天然2)なのです。

あ、この崇拝を生む黄金比は縦横比が"1対1.168"の意味ではなく、単に最適な比率という意味で用いてます。また地蔵調べなので汎用性は定かでないですよー(笑)

ファンの崇拝ぶりで自分が驚いた一例を挙げると、メインやサブ動画のコメント欄でもお馴染みのはちこーさん。

今年6月にジュンペーが突然Twitterアカウントを削除したんですが、その後はちこーさんもPの後を追って、何と自分のツイアカを消したんです。地蔵はこのSNS上の殉死を遂げた"乃木はちこー希典"の行為にジュンペーの侮れない影響力を感じました。

「いやいや、そう言ってる地蔵、お前こそが一番ジュンペーを崇拝し、彼に帰依しているファナティックな信者ではないか」とこのnoteを第一回から通読されている読者の方々は思うかもしれません。

ただ、この場を借りてお答えすると、僕はジュンペーの信者ではないですね。行動力抜群で才能にも恵まれた若者の登場に目を細める、旧世代の化石オヤジといったところです。

地蔵はジュンペーの信者になるには余りに年を取り過ぎました…

たまたま比喩で乃木希典の殉死に触れたので、彼の自裁後に発表された森鴎外の『興津屋五右衛門の遺書』や夏目漱石の『こゝろ』に言及した論考、『乃木殉死をめぐる文学 ―鴎外・漱石たち― 著者:小瀬千恵子』のPDF(立命館大学のアーカイブ)を日本近代文学好きの為にリンクしておきますね。

地蔵メモ

さてここからは、ジュンペーが畏敬する三大偉人の一人、ビートたけしに倣って、"たけしメモ"ならぬ"地蔵メモ"を披露しましょうか(残りの二人の偉人は岡本太郎と宮崎駿)。

"たけしメモ"は1980年代中盤から90年代中盤までの日曜8時を彩った日テレの名物番組、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の人気コーナーです。

大河ドラマor『ダウンタウンのごっつええ感じ』が日曜8時の定番だった地蔵も、この"たけしメモ"のコーナーは大好きでした。

"たけしメモ"は毎回「こんな○○はいやだ」などのお題に対して次々とフリップで面白い答えを発表し、たけしが答えごとにトークを被せて笑いを増幅していく構成です。

たけしの熱烈な崇拝者である、劇団ひとりの持ち芸の1つでもありますね。

00年代深夜コント番組の白眉、フジテレビの『リチャードホール』で劇団ひとりが尾藤武というキャラクターに扮し、"たけしメモ"をパロディーしていたのを覚えているお笑い好きも多いでしょう。

書籍化された"たけしメモ"

『こんなジュンペーはいやだ』


「さぁ、今週も"GENKI"が出るnote が始まりました。じゃあ早速行ってみましょー!『こんなジュンペーはいやだ』」

・とにかく動かない

いやですねー。引きこもりのジュンペー。え、あの行動力の塊りのようなジュンペーはどこ?ってくらい家でも動かない。部屋から一歩も出ず、同居しているメンバーともスマホでやり取りして直で会わない。

メシも人間に作らせて自室のドアの前に置いて貰う。リビングでのメンバーの楽しそうな話し声に釣られて部屋から出るんだけど、気付いたメンバーが声を掛けると慌てて部屋に逃げ帰る。撮影も部屋から渋谷にいるゲンキ達にビデオ通話で指示を出してね。そこまでやる気があるなら自宅から出ても良くないか?どうなんだジュンペー、コノヤロー!

ちなみに実際のジュンペーは車社会のLAで無免許だったのが堪えたのか、帰国翌日には自動車教習所に行って入校手続きを済ましちゃう電光石火のアクティブさです。

・いつも同じ服に同じ靴

オシャレの探求心が死滅したジュンペー。あーこれも見たくない。

いつも同じユニクロのロンTにGUのハーフパンツ(共に古着)。足元は一年中ビルケンシュトックのパチもんのサンダル。

で、「ジュンペーさん、いつも同じの着てますね」と視聴者に言われたら、「ゲンキみたいに制服になってて、同じの何着もあるんですよ」と言い訳も完璧。当然『松枝お買い物クラブ』も強制終了。あーこんなP、絶対見たくない!!

・海外旅行が嫌い

これもイヤですねー。空前の円安時代に海外旅行?アホでしょ。外国なんて疲れに行くだけ。コスパ、タイパの時代に海外なんてバカらしい。言葉も正直よー分からんし、旅先での出会いとかその場限りで絶対続かんから。人もメシもそれ以外も全部国内が一番!

こんな"外国"に関心を持たなくなった究極の内向き人間のジュンペーはイヤだ(笑)

・突然、ナンパに目覚める

このキャラ変もめっちゃイヤ。
「ゲンキ、これからは役割交代な。俺ががんがんナンパしてくから」てな感じでいきなりナンパ師になって、「ちゃんゆう、聞いてくれ。こないだ目黒でじゃがりこルーティンからバンゲしたスト値8の子、昨日の夜に準即よ。俺、すごくない?」「あ、ゲンキ、これからはさ、"GENKI"じゃなくて"JUNPEI"にすっから。そこんとこよろしく!」

こんなジュンページャパンになったら、絶対観るのやめる(笑)

・突然、植物にナンパし始める

これはシュールすぎ。確かに"動物ナンパ"というゲンキジャパン史上、最高にシュールな動画があったけど。

植物ナンパてどうやるん?こんな感じ??

ジュンペーは気持ちを落ち着ける為に良く植物園を一人散策する。

そういや昔、メンバーに動物園ナンパをやらしたっけ。周りに誰もいない事を確認した後、立派な黒松に話しかけるジュンペー。

ゲンキの口真似をして、

「すみません。めっちゃかわいいので声掛けしました。お姉さん、年は?え、200年?全然見えないです。葉っぱの緑キレイですね。えっ、さっきロンドンで最先端の剪定を学んだ代官山の植木職人に切って貰った?凄い似合ってますよ」

「でもお姉さん、めっちゃ逞しい身体してますね。えっ、ずっと立ってるから体幹が勝手に鍛えられる?そりゃそうですね」

など擬人化した植物ナンパをした後、ボソッと「俺、キモッ…」と呟いてその場を立ち去るジュンペー。

そりゃ誰が見ても「キモい」て言うわ…

2020年2月28日投稿動画『【検証】ナンパ師なら動物でもナンパできちゃう説wwwww』

・突然、人間から"サーモン"を奪う

これは一度見てみたい。違う、こんなPもイヤやー!

これをやったら既存のジュンペーファンの95%が減り、人間ファンの95%が新たにPのファンになってトントンか。

そもそも人間に失礼やろ。あいつから「I'm a salmon!!」を奪ったら何が残んねん!料理が上手くてフィジークの大会にいそうな三苫似のイケメンしか残らんやろ。うん?貶すつもりが褒めてもうた(笑)

"サーモン"とは?

NYの"サーモン"
2021年10月31日投稿動画『一触即発】ビキニポリスで信号無視を注意 in NY -みんなのプランク-』3分~4分8秒を参照

Parisの"サーモン"
2021年10月31日投稿動画『【煙草キス】知らない人とシガーキスできるか検証してみたwwww』15分45秒~16分56秒を参照

・撮影中もファンに愛想いい

いや、これはええことやろ。でもどうやろな。

ファン「あー、いつも観てるっす」

P「あ、ファンの人ですか。いつも観てくれてありがとうございます!あ、いいんです。いいんです。直ぐカメラ止めますんで。今ちょうどゲンキが2時間ぶりにナンパ成功してバンゲしてる撮れ高マックスのシーンなんですけど、ファンの方たちに支えられてのゲンキジャパンなんで、撮影なんか全然後回しでOKです」

ファン「そっすか」

P「好きな動画は何ですか?」

ファン「ナンパしてるヤツ」

P「どのくらいの頻度で観てくれてるんですか?」

ファン「時々、数か月に1回くらいかな。いや良く分かんね」

P「特に誰のファンなんですか?」

ファン「え、名前忘れた。関西人でオール巨人の弟子だった人」

P「…そうですか。これからも頑張っていくので、どうかゲンキジャパンを応援してくださいね」

こんな迷惑系の痛ファンに愛想良すぎるジュンペーは絶対イヤ(笑)

・メンバー3人に異常に優しい

P「ゲンキ、キックボクシングお疲れ様。湿布買っといたから、痛いトコあったら使ってよ。後、福岡出張で通りもんばようさん買ってきたけん、食べんね。たいぷーにもお土産で送ってあげたら喜ぶやろ」

P「ちゃんさん、ほら遠慮せんと、唐揚げの最後の一個食べんさい。今日も編集お疲れ様。肩凝ってそうだから揉もうか?それといつも頑張ってくれとるけん、Amazonの欲しいものリスト全部注文しといたよ。明日届くけん、楽しみにしといて」

P「木本さん。連日のTikTokの撮影、本当にお疲れ様です。3つも年下なのにこれまでタメ口ですみませんでした。そして今晩も我々の為においしくて栄養満点の晩御飯を作ってくれてありがとうございます!後、たまには木本さんの方から私にワンピースのネタバレをしてくれませんか。これまで私ばかりネタをバラしてきたので。せめてものお詫びです」

ジュンペー、めっちゃ優しくて礼儀正しい。でも、でも何かイヤッ(笑)

初めてPにワンピースのネタバレをして快哉を叫ぶ木本さん

・メシ屋でかまさない

これもイヤですね。てか、こんなジュンペー想像できませんね。

妹尾ユウカを誘っての食事の行先が、福田和也の盟友だった故澤口知之がオーナーシェフしてた乃木坂のラ・ゴーラやアモーレみたいな本物のトラットリアやリストランテでないのはもちろん、サイゼリヤですらなく、コンビニでパスタ買って公園のベンチで食すみたいなジュンペーはイヤ(笑)

または村上春樹好きの知人と新宿で会う際に、さり気無く新宿三丁目のDUGを選ぶような心憎いかましを一切してこない、Googleマップのピン留めが全くないジュンペーもヤだ。

・占いを信じない

占いを信じるのは良いんですよ。いや、いるんですよ。どっかの実家が太くて親のスネをカジり倒してる大学生が「私は占いなんて一切信じない。自分の力を信じて生きていく」とかドヤ顔でほざいちゃってさ。

いやいや、親に外車買って貰ったり学費や生活費全額出して貰って何が自分の力で生きていくだっての。親に全依存した不安が全くない呑気な生活してるから占いとは無縁なんて言える訳であってね。

ジュンペーみたいに自分の裁量一つで何人もの生活の浮沈がかかってる立場なら、そりゃ時には不安になって、しいたけ占いくらい信じますよ。

さっきの大学生だって親も金もコネも無いまま社会に放り出されたら、途端に前途が不安になって、占いの一つや二つすぐ信じるっての。環境次第で人間の信条なんざ如何ようにでも変わるんだから。

占いなんてさ、周りに迷惑かけたり自分の生活が暗転しない限り幾らでも信じていいのよ。だからこの項目は、占いを信じないジュンペーなんてイヤだ。

・登録者数や視聴回数に一切こだわらない

これもイヤですね。"数字"に全く拘らなくなったジュンペー。

いいよ、いいよ。登録者50万人いかなくても。みんな一所懸命やってんだからさ。誰も責められないよ。視聴回数も4桁、いや3桁でもいいよ。俺らは悪くない。観ない視聴者が悪いんだから。

企画が良いのは間違いないんで。収益上がんなくても、みんなでバイトすれば大丈夫だから。俺らは時代に合わなかっただけ。動画だけ残しておいて30年後、50年後に歴史が正しく審判してくれるのを待とう。

何かこんなジュンペーだったら、イヤというより悲しい…

・日本のYouTube&YouTuberが大好き

と或る異世界のラジオを聴く限り、ジュンペーの発言の大意はこうです。

日本のYouTuberの殆どはめちゃくちゃ面白い。俺は子供の頃からテレビはくだらねぇ番組ばかりだと思ってたし、テレビでしゃしゃってる芸人共を腹の底から軽蔑していたが、日本のYouTuber、いやコンテンツクリエイターの皆さんにはリスペクトしかない。

ゲンキジャパンもYouTubeで成功してるクリエイターの動画から完全にインスパイアされて企画を作っている。なので"テレビぽい作り"だとか"メンバーが芸人みたい"などとゲンキジャパンをテレビに関連づけるのはやめてくれ。俺らは有象無象のテレビタレントやお笑い芸人達と違うんだ。

ほかのYouTuberへの尖りが消えたジュンペーにはガッカリ。

・大食い企画ばかりやる

じゃあ、みんな!今日はマックで明日がケンタッキー、その次が王将の大食い企画やから。視聴者なんかアホばっかりなんやから、大食いしながらメンバーが楽しそうに喋ってたらそれで満足するから大丈夫や。

動画撮るのは家やし、かかるのは飯代だけ。ホンマにアホでもやれる企画やで。こんな楽なことあるか。あのな、誰もYouTuberに作り込んだ動画なんか求めてへん。素人ぽい友達感覚の親近感さえ醸し出したら、視聴者はむしろユルい企画の方を観てくれるねん。

こだわりを捨てたPなんて、見たくない①

大食い企画で優勝を繰り返すちゃんゆうさん

・格上とコラボばかり&ヤラセばかりやる

これもイヤですねー。これまでの自分の信念を全否定じゃないですか。

よー、ゲンキ。今日はヒカルとのコラボだから。うん、ポケカのオリパを500万円かけて大量購入してみたという、金にあかしたクソ幼稚でクソ下らない企画なんだけどさ、まぁ我慢して付き合ってやってよ。何せ向こうは数字持ってるから。

で、殆どヒカルがマシンガンのように軽口叩いてくれるから、ゲンキはうんうん頷くだけでいいよ。楽っしょ?ヒカルとのコラボの後は、ラファエルとのコラボ。あ、あいつはもう登録者数だけ立派な完全なるオワコンなんで、コラボするうま味が全くないからいいや。

後さ、どんどんヤラセもやってこうぜ。もうドキュメンタリー撮るのはメンドくて疲れたわ。

知り合いのインスタグラマーやらTikTokerに片っぱしから声掛けてさ、動画に出て貰おうよ。で、美女からバンゲに即ホテルのシーンを上げてけば、アホな視聴者は食いついてくるって。

もうこれからのゲンキジャパンはコスパとタイパだけに拘っていくから。

こだわりを捨てたPなんて、見たくない②

・三島由紀夫が嫌い

『前略、このまま行つたら「日本」はなくなつてしまうのではないかといふ感を日ましに深くする。日本はなくなつて、その代はりに、無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう』

三島由紀夫著:果たし得ていない約束―私の中の二十五年から一部引用

日本国憲法がもたらした戦後民主主義で万々歳じゃないか。終わりなき日常が延々と続く戦後の空虚感、大いに結構じゃないか。

応召され一兵卒として1945年8月までに死ぬはずが、自身の虚弱さと怯懦から戦場に行けず生き残り、負い目を背負ったまま戦後25年間を偽物文化の恐るべき体現者として生き、偽物を完璧なまでに演じた"本物の偽物"としていよいよその空虚さに耐えられなくなると、1970年11月に陸上自衛隊の市ヶ谷駐屯地で『戦後日本への異和』と題したキッチュな演劇を盛大に自作自演した果てに自裁した三島が嫌いだ。

自身の壊滅的な運動神経をビルドアップした肉体という見かけ上の強さと美しさで胡麻化してコンプレックスを埋めた三島が嫌いだ。

『花ざかりの森』『仮面の告白』『憂国』『鏡子の家』『豊穣の海 四部作』などの三島の小説は全部嫌いだ。

『近代能楽集』『サド侯爵夫人』『朱雀家の滅亡』『わが友ヒットラー』などの戯曲も悉く嫌いだ。

とにかく三島由紀夫の全てが嫌いだ。

と、三島を全否定するジュンペーはイヤだ。

また先に引用した三島の日本観と対をなすものとして、坂口安吾の日本文化私観から安吾の日本観を一部引用しておこう。

然しながら、タウトが日本を発見し、その伝統の美を発見したことと、我々が日本の伝統を見失いながら、しかも現に日本人であることとの間には、タウトが全然思いもよらぬ距りがあった。
即ち、タウトは日本を発見しなければならなかったが、我々は日本を発見するまでもなく、現に日本人なのだ。
我々は古代文化を見失っているかも知れぬが、日本を見失う筈はない。
日本精神とは何ぞや、そういうことを我々自身が論じる必要はないのである。説明づけられた精神から日本が生れる筈もなく、又、日本精神というものが説明づけられる筈もない。
日本人の生活が健康でありさえすれば、日本そのものが健康だ。

坂口安吾著:日本文化私観から一部引用
三島由紀夫

・岡本太郎が嫌い

太郎さん、戦前に18歳の若さで渡仏して得難い経験が出来たのも実家が太かっただけなの。何せ親が超売れっ子漫画家だった岡本一平と小説家で歌人の岡本かの子だかんね。芸術家一家に生まれ育ち、芸術家になる為に生まれてきた男なんだよな。

戦前に"親ガチャ"なる言葉があれば、『現代用語の基礎知識 1930』の"親ガチャ"の項目にガチャの成功例として顔写真つきで太郎さんが載っちゃうよ。岡本太郎の足跡に触れたかったというゲンキジャパンのパリ撮影旅行の動機も嘘、嘘。本当はリュクサンブール公園やパレ・ロワイヤル庭園、チュイルリー庭園なんかのフランスの庭園文化を鑑賞したかっただけなの。

「芸術は商品ではない」「芸術は無償、無条件であるべきもの」という太郎のご立派な言葉もさ、彼の作品自体には当てはまるけど、作品の関連グッズをたくさん作ってしっかりマネタイズしてる様子を見ちゃうと「え、グッズならいいんだ…」って思うよ。

後さ、最近になって京王井の頭線の渋谷駅のコンコースに飾ってる『明日の神話』の傷みが激しいっていうもんでクラウドファンディングをしてるけど、俺に言わすとちゃんちゃらおかしいね。芸術作品に永続性なんか求めるなよ。滅び廃れ、忘却されるのとセットでの芸術作品だろうが。

と、岡本太郎へのリスペクトが皆無のジュンペーは絶対イヤだ。

岡本太郎

・名建築が大嫌い

住めたらええねん。雨風凌げたらそれでええねん。デザインとか知るか。贅沢ぬかすな。

地上部分を自転車置場や駐車場として使わず、デザイン性だけを追求した蜘蛛の足みたいなピロティの柱なんか、全部切ったったらええねん。

アールヌーヴォーもアールデコも余計な装飾でしかないわ。

古典主義建築や新古典主義建築の古典的オーダー(ドーリア式、イオニア式、コリント式)に見られるエンタブラチュアの装飾なんかなくてもええの。

ルイス・サリヴァンの
「Form ever follows function(形態は常に機能に従う)」でええの。

『日本文化私観』で「必要のみが美しい」と喝破した坂口安吾は正しいの。

こんな装飾嫌いで究極の機能主義者のジュンペーはイヤだ。

前略。僕は浜辺に休み、水にうかぶ黒い謙虚な鉄塊を飽かず眺めつづけ、そうして、小菅刑務所とドライアイスの工場と軍艦と、この三つのものを一にして、その美しさの正体を思いだしていたのであった。

この三つのものが、なぜ、かくも美しいか。ここには、美しくするために加工した美しさが、一切ない。美というものの立場から附加えた一本の柱も鋼鉄もなく、美しくないという理由によって取去った一本の柱も鋼鉄もない。

ただ必要なもののみが、必要な場所に置かれた。そうして、不要なる物はすべて除かれ、必要のみが要求する独自の形が出来上っているのである。

それは、それ自身に似る外には、他の何物にも似ていない形である。必要によって柱は遠慮なく歪められ、鋼鉄はデコボコに張りめぐらされ、レールは突然頭上から飛出してくる。すべては、ただ、必要ということだ。

そのほかのどのような旧来の観念も、この必要のやむべからざる生成をはばむ力とは成り得なかった。そうして、ここに、何物にも似ない三つのものが出来上ったのである。

坂口安吾著:日本文化私観から一部引用

※筆者注:ルイス・サリヴァンは装飾の全てを建築から排した訳ではなく、植物模様を取り入れた有機的装飾を自身の建築物に施している。

ジュンペーが撮影したLAのWalt Disney Concert Hall (Frank Owen Gehry)

・愛車をヤマハ SR400からスズキのチョイノリに変える

「動いたらええねん。デザインとかフォルムはどうでもええ。贅沢ぬかすな。そや、名建築の時と同じロジックや!」と、美意識が磨滅したジュンペーはイヤだし、そろそろ『地蔵メモ』の羅列に疲れてきて説明を端折る有縁地蔵もイヤだ。

・照れない

ハニカミとか共感性羞恥とか恥の文化とかどうでもええ。タイトルコールもエンディングの歌も、水着女子が隣に来ても俺は一切照れへん。

メタ視点で自分を見過ぎて照れるのはもうやめる。自意識(自分の意識を意識する意識)を抑制して無我の境地になる。何千もの他人の視線に無関心でいられる人間先輩を見習う。

照れないジュンペーはジュンペーじゃないし、冷静に自分の照れを分析しているジュンペーも何かイヤ。

・絶対に泣かない

宮崎駿の『君たちはどう生きるか』を観ても眉一つ動かさず無表情。WBCの記録映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』を観ても欠伸を連発。自分が制作した『ゲンキとサリーの物語』でも絶対に泣かない。

こんな冷徹なジュンペーはかなりイヤだー。

笑いや芸能界だけでなく、自分の身の周りのあらゆる事を冷徹に分析し、計算し計算し計算し尽くした果てに驕りから自滅した島田紳助が嘗て言っていた。

「芸能界の人達はみんな涙もろい。良い歌を聴いたらさめざめと泣ける。芸術作品観ても泣ける。涙もろいていうのはそれだけ感受性が豊かということや」

発言の大意はこんな感じ。典拠は残念ながら失念したが、NSCでの講義か松紳、宮迫かMISONOとのYouTubeコラボ動画、確かそのどれかかと。

素のジュンペーが涙もろいのは、芸能に携わる者としての必要条件の一つを満たしているということか。

・理想のコミュニティーなんかいらない

上の一文が痛烈なる反語であるのを知るには、ゲンキジャパンのジュンペーになる前の松枝純平青年がものしたnoteを読む必要がある。

・2018年7月8日投稿『実は母子家庭だという話。』

・2018年11月26日投稿『「人が集まる場所」に興味がなくなりました』

この2本の記事を読めば、松枝純平のコミュニティーに対する考えが分かるだけに留まらず、ゲンキジャパンのジュンペーが動画制作に取り組む姿勢の原点を理解できるだろう。

投稿当時のジュンペーは21歳。
5年前から現在に連なる射程の長い文章だ。

文体は素直かつ明晰。平易だが内容に深みがあり、その認識は核心を突く。また青年期特有の社会と初めて対峙する緊張感を帯びており、この僅か21歳で綴られたコミュニティー論に筆者は舌を巻く。

同年齢の頃の筆者を振り返ると、女の子と海外サッカーとお姉ちゃんとファミスタと女子だけに夢中になって日々を空費し、理想のコミュニティーなど一顧だにしなかった。汗顔の至りである。

今回紹介しなかった2018年の松枝純平の投稿記事がまだ数本あるので、興味を持った方は併読をお勧めする。

NYを彷徨する若き日の松枝純平

・何でもさらけ出す

世阿弥の『秘すれば花』なんか知るかい。身もこころも全部世間にさらけ出さんかい。全てをさらけ出した後に残ったもんだけが、ホンマの自分やろがい。

こんな肉体と精神の露出狂のジュンペーはイヤ。

秘められた決意は自分だけが理解していれば良く、決して人に見せびらかすものではない。

秘めるからこそ花となり、 秘めねば花の価値は失せてしまう。

隠すことで感動が生まれ、その秘部からエロティシズムが湧き立つ。

・ゲンキジャパンが嫌い

俺はゲンキジャパンが嫌いだ。メンバーも大嫌い。一緒に過ごしてきた日々も嫌い。作ってきた動画も凄く嫌い。ゲンキジャパンに関する全てがとにかく嫌いだ。

こんなジュンペーはイヤ… 
うん?福岡に出張中しているあの男の冷静な声が聞こえる。

「地蔵さん。こればかりは自分の口から言わせて」

P、分かりました。

「こんなジュンペーは絶対にイヤだー!!」

「俺はゲンキと福岡で作ったゲンキジャパンが大好きだ。ちゃんゆうも人間もゲンキも嫌いなとこもひっくるめて大好きだ。一緒に過ごしてきた日々も尊い。作ってきた動画も全部好きだし、ゲンキジャパンに関する全てがとにかく大好きだ!」

「さ、言いたいことは全部叫んだから、後は地蔵さん、あんたが勝手に締めて。俺は通りもんば買って今日帰京するから」

"GENKI"の提唱者と出しゃばり裏方

最後に

それでは地蔵流 "列伝"、ジュンペーの回は以上となります。

そして今回の投稿を以て、『ゲンキジャパンを10倍楽しむ方法』のゲンキジャパンとは何か?(計3回)と人物紹介(計4回)が終了しました。

不遜にも史記で言えば、"本紀"と"表"と"列伝"を無事に書き上げた訳です。

ついでに不遜を重ねると、"ゲンキジャパン論"として誰の手も届かない高さの記事を残したつもりです。

またゲンキジャパンのみならず、日本の全YouTuberを考察した文章の中で、この全7回の投稿を超える水準のものはないはずです(有ればどうぞ教えてくださいね)。

この場合の"水準"とは、レトリック、笑いのセンス、知的レベルの三つを指します。

そう、ゲンキやジュンペーだけでなく、地蔵もまたウザい自信家なのです(笑) 昨年からゲンキジャパンを観るうちに伝染ったのかもしれません。

僕の小癪な自信とはまた別に、『ゲンキジャパンを10倍楽しむ方法』を虚心坦懐に楽しんで頂けたなら、それに勝る喜びはありません。

また各投稿で紹介した動画以外にも、メイン・サブとも面白い動画がたくさんあるので、この機会にゲンキジャパンの沼に是非ハマってみてください。

今後についてですが、まだ紹介していないゲンキジャパンの動画の考察記事やジュンペーがやってるラジオ『鯨の大爆発』の批評がメイン投稿になる予定です。

またそれ以外にも文芸作品やお笑い芸人の批評なども年明けくらいから始めたいと考えています。

投稿ペースは月1~2本でしょうか。本数は少ないですが、じっくりと読み応えのある記事を書いていくので、どうぞご期待ください!

※注意:著作権者(有縁地蔵)からの許可無く、掲載内容の一部およびすべてを複製、転載または配布、印刷など、第三者の利用に供することを禁止します。

【メインチャンネル】

チャンネル登録者数 45.3万人 (2024年4月24日現在)

【サブチャンネル】

チャンネル登録者数 4.41万人 (2024年4月24日現在)

【ラジオ 鯨の大爆発 (ジュンペー出演) 】

毎週水曜日20時頃の週1回配信。


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