マーケティングスキルのないディレクター

マーケティングとディレクションは似ているけど違うもの。

マーケティング → 方向を決める
ディレクション → 方向を示す

マーケティングは方向を決めるまでの作業。
ディレクションはマーケティングで決めた方向がズレないように都度、向かうべき方向を調整する作業。

目的地(と到着までの期間と予算)を決めるのはマーケティング。
目的地までの道順や手段を決めていく、途中の進行管理をするのはディレクション。

旅行に例えると

ターゲット:自分(東京勤めの社会人)
インサイト:ストレスを解消したい

自分のストレスを解消するために
・都会から離れて自然に触れたい(非日常感)
・おいしいものを食べるのが好き
 (特にいくら、カニが好き。ビールが好き。)
・一人は嫌、誰かと騒ぎたい。

上記などを基にマーケティングで方向性を決めていった結果が

友達と北海道旅行に2泊3日で行く

マーケティングで上記を決めたら、あとは2泊3日の内容を決めるのはディレクションです。「友達と楽しむ・北海道・2泊3日」を変えずに、交通手段やホテルや食事、一緒にいく友達などを決めます。

その際に大きくかかわってくるのが予算になります。予算によっては飛行機がLCCになったり、ホテルが安いところになったりする。予算に合わせて決めていくのはディレクションのスキルです。

また旅行中の食事のお店を決めたり、買い物先を決めたりとかもディレクション。時間なくなってきたから、ここからはタクシーにする!とかその場での判断と決定はディレクションスキル。

スキルレベルを見極める

ディレクターはマーケティングで決めた方向性「友達と北海道旅行に2泊3日で行く」の本質(インサイト)を理解していないと適切な手段を選べなくなる。

もしマーケティングを理解していない場合、東京から車で北海道に向かって、半日くらいだけ北海道に滞在してカニラーメン食べて、東京に戻ってきたりする。※車好きな人で、これで楽しいという人には間違っていないディレクション。

つまりディレクターはマーケティングスキルがないと(マーケティングを理解できていないと)間違ったディレクションをしてしまう。

ただしディレクションスキルがないのがわかっていればマーケティングで、もっと細かいところまで方向を決めることで間違いが起きなくなる。

「友達と北海道旅行に2泊3日で行く」をもっと具体的にする

友達 → ○○さん

北海道旅行 
→ 札幌で海鮮丼を食べる、夜はビール飲みながらジンギスカン

2泊3日
→ 北海道には2日間は滞在する

ここまでマーケティングで決めればディレクションのミスは少なくなる。車で北海道に行ってカニラーメンを食べてすぐ戻るようなことはなくなる。

つまり、マーケター、ディレクターのお互いのレベルがわかってないとミスが発生する(課題解決できなくなる)。
どちらもマーケターとしての仕事、ディレクターとしての仕事はしているが、目的を達成できないことになる。

例の場合はターゲットが自分でマーケター、ディレクターも自分なので間違いは起きにくいけど、通常の仕事はそれぞれが別なのでミスが起きやすい。

マーケター、ディレクターの違い

マーケターの仕事の範囲、ディレクターの仕事の範囲の定義は明確にはないと思います。境界は曖昧なグラデーションになっている。だからこそ、お互いの仕事の領域まで理解することが大事になる。

マーケティングで方向を決める際に、ディレクションスキルがあればどれだけ幅を狭める(広める)ことができるか判断がつく。

ディレクションをしているときにマーケティングスキルがあれば、手段の取捨選択がスムーズにできるしインサイトを外さなくなる。

マーケティングスキルのないディレクターと仕事するマーケターの負担は大きくなる(逆も然り)。

マーケターの役割もディレクターが担うことも多い。その場合マーケティングスキルがないと検討違いのディレクションが多くなりムダも増える。

マーケティングスキルのないディレクターは自他ともに困ることになる。

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