マガジンのカバー画像

自作短編小説集

77
これまでに書いた自作の短編小説を載せています。
運営しているクリエイター

2022年5月の記事一覧

短編小説「少年たちの秘密基地」【後編】

 秘密基地の外に、誰かがいる。  その事実は、一瞬にして僕らに緊迫感を与えた。  シーツ…

植木意志
2年前
22

短編小説「少年たちの秘密基地」【前編】

「そう、誰がこのクラスの給食に勝手にプリンを追加したのか、ほんまに誰も知らんということや…

植木意志
2年前
28

短編小説「夜のハイウェイ」

 サービスエリアで夕食を済ませた後、俺は再びアウディを発進させた。  時刻は午後九時四十…

植木意志
2年前
22

ユウヒ飲料の自動販売機【ショートショート】

 自動販売機の扉を開けると、その向こうには『昭和40年代の世界』が広がっていた。 * * …

植木意志
2年前
17

【ショートショート】コーヒーショップの男たち

 ティムは五十代半ば、白髪混じりの恰幅のいい男で、私に優先して仕事を回してくれる重要な顧…

植木意志
2年前
11

短編小説「テスト前夜の調査」③

【全③話】  家に帰り着いた僕は、再び自分の部屋の机に向かい、難儀なテスト勉強を再開して…

植木意志
2年前
7

短編小説「テスト前夜の調査」②

【全③話】  五分後、僕はセブンイレブンに到着した。 田中はまだ来ていなかった。 スマートフォンの電源を入れると、『0時24分』とロック画面に表示されている。  駐車場にはアコードとスペーシアがそれぞれ一台ずつ駐まっていて、店内には数人の客の姿があった。 僕は衝突防止用のポールに背を預けて、田中の到着を待った。  じわりとまとわりつくような日中の蒸し暑さとは違い、夜は快適な涼しさを感じる。 風呂上がりのTシャツに短パンという格好が、ちょうど良かった。たまに風が吹くから、

短編小説「テスト前夜の調査」①

【全③話】  網戸の向こうから祭りの音が聞こえたのが、全ての始まりだった。  真夜中、僕…

植木意志
2年前
5

短編小説「猫と人間」【後編】

 それから僕らは最寄りの大船駅まで、肩を並べて(?)歩き出した。  少し前まで、散歩がてら…

植木意志
2年前
14

短編小説「猫と人間」【前編】

 コンビニでアイスクリームでも買おうかと、僕はマンションのエントランスを出て、町を歩き出…

植木意志
2年前
9

短編小説「バイト帰りの奇妙な出来事」

 書店のバイトが終わるのは、決まっていつも夜の十時を過ぎる。 隣町からバイト先まで自転車…

植木意志
2年前
15