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香港焼き芋屋さん事情

街頭でさつま芋、栗、うずらの卵などをその場で焼き上げて売る。屋台とは呼ばないか。屋根もなければ車もないし。焼き芋〜だの栗より甘い十三里〜(知らないでしょ😝)だのしゃがれた声で横に立ってうなり客寄せに加勢したくなる。

こちらの「屋台」は呼び込みもなく、がらがら、ごーごー、ごとんごとん、ごーごー、ひたすらかき回したり焼いたりしている。こっちに来た頃に風情はあるし、美味しそうなので数回買ったことがあるけど、近年は見かける事が少なくなっていたと思う。

この「屋台」には営業権があり、きちんと政府から免許をもらわないと営業できないはず。もうかなり前に新たな営業免許は発行しないことになったらしく、更には譲渡ができないらしい。

しかし、営業するには免許を持っている本人がその場にいなければならない。本人は老齢な事が多いので、娘さんだか息子さんだか、もしかしたら甥っ子なのか若い人が実際の作業をし、その後ろの方で寒空の下、おばさんかおじさんが植え込みの縁に座っていたのを覚えている。(という話を昔聞いたのだけど、香港の友人達に一度確かめないといけないな)

それが今年はやたらとあちこちでこの懐かしい光景を見る。どうしたんだろ。まだ、ライセンスは使えるみたいだ。今年の香港は例年より暖かいし、レトロな食べ物が復古しているのか、あるいは一旦はお店をたたんだ人たちがファミリーや知人と営業を再開するようになったのか。

昔、食べてみた印象だと、当地のさつまいもでこしらえた焼き芋は甘すぎ、ねちょねちょしすぎていた気がする。でももう材料ももしかして日本のものかもしれないし(そうはどこにもうたってないが)いい味になってるかもしれない。でも、栗やうずらの卵はホクホクして美味しい。いい感じに熱が通って旨味を引き出してくれている感じ。

今年から目立つのは、中国の多くの露天商のようにQRコードで決済できるようになっているところが目立つことだ。これなど若い世代が関わってくれなければ、免許所持者の世代では思いつきもしないだろう。

香港は今週からぐっと寒くなってダウンやコートの人が増えた。明日とりあえずオフィス近くの「屋台」が出てたら、うずらの卵か焼き栗から攻めてみようかな。


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