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二人ジェンカ

バイトに行った息子から電話があった。「エプロン持ってきてくれない?」

「もうバイト始まってる時間やん」

ガッデーム!ちゃんと制服全部あるか確認してから行けよ!車ないし雨降ってるやんけー!かっぱ着て原付で走って届ける。帰り道ザーザー降ってきた

ムカついた私はスーパーで牛切り落としのパック買って全部タレで焼いて塩ラーメンと食べてやった。牛切り落としでもうっまー!

すると眠たくなってしまい「suzuri」とか「マイナンバーカード」を作るっていう目的がどうでもよくなってしまってだらだらと過ごしてしまった(ずぼら発揮)

一旦帰ってきた息子ははしごでまた別の場所にバイト行ったのでひとりトランクスからたまをはみだしたまま過ごしていると電話がかかってきた

義理の母からだった。義理の母から電話がある時というのは私の嫁に電話がつながらないときだ。仕事中だから出ないのだ

「お父さん(嫁の父)が動けなくなって今救急車で運ばれているんやけど迎えにきてほしい」

どこに迎えに行くかというと奈良県にある病院

いや、そこ奈良ですけど!

ここ京都府、そこ奈良県。ほとんど天理ですやん。まあまあ距離ありますけど…そこからまだ嫁実家までまだ向こう。遠ざかるのみ

なんか近くの病院に担当がいないためちょっと離れた病院に連れていかれたようす

タクシーで帰れないのかな?

心臓とか脳とかの話ではなく脚の話で立てなくなったという。具体的な話はしてくれないが入院はしないで家に帰らされるみたい。なので

まあ、嫁さんが帰ってきたら二人して行くつもりでおったら

また電話

おじいさん(嫁の父)が多分座れない、後部座席で横になるだろうから一人で来て欲しいとのこと

帰ってきた嫁さんも「タクシー呼んだらいいんちゃうん?おばあちゃん(嫁の母)パニックでもう疲れ切ってるんちゃう」と言う

短い協議の結果そんな状態では力もいるだろうからということで私が行く事になり本日2回目の緊急出動

ナビで病院を検索すると天理市とあった

いや、天理ですやん!

ギリギリ奈良市かとおもったら越えて天理市ですやん!

彩華(白菜入りスタミナラーメン)食って帰ったろかー!

少しでも早く行こうと自動車専用道路に向かうが進行方向に対して中々の距離を横に移動するので正直どっちが早く行けるのかよくわからない

約40分ぐらいかけて病院到着

義理の息子参上!

看護師さん「ご家族が来てくれましたよ」

私「お世話かけます」(はい、義理の息子ですけど…)

普段運動あまりしないのに少しスクワットとかしておかしくなったようだ。昨日は風呂にも入れたのに今日悪化したらしい(おかしくなってからのマッサージがよくなかったのでは?)

CT撮って骨には異常がなさそうで神経的なもの…らしいがこの病院も専門的な人がいないようす

処置室で寝かされていたおじいさん(義理の父)を車椅子に乗せて男性の看護師さんとやりとしていたらおばあさん(義理の母)の「痛いが口癖」とかいうワードにぶち切れて痛みでハァハァ言うてるのにおばあさんに文句を言っている

私は看護師さんに愛想で言うてるだけやで~とか言うのですけど何が愛想やとかブツブツなんかキレている。「何が口癖や」と道中そのくだりで4回ぐらいおばあさんにキレている

乗せるときもかなり痛そうで「これは普通のタクシー呼びにくいな」とおもった。スライドドアなのでまだ乗せやすいがどこがどう痛いのかよくわからないので支えるが「これが…介護か」と寄生獣のミギーの「これが…死か」の言い方でおもった。横に寝かせてクロックスを脱がせる

家に帰るまでの道中ずっと痛いのかハァハァいいながらたまに「早く逝きたいわ」だの「なんで俺だけこんな目に」だのずっとブツブツ言っている

私…(こりゃあ、嫁も息子も実家行きたくなくなるわけだ)

私が義理の父の少々うるさいのが平気なのは実の父親からの言われようがひどかったからこの程度のうるさいおじいさんはたいしてなんともおもわないのである

家について降ろすときもイマイチどうしたらいいのかわからないがなんとか立てて自分の車沿いに寄りかかって行こうとするのでそれで行けるならと

私の背中に手をかけて進む「ジェンカ」スタイルで家に入ることになった。二人ジェンカである

添い寝し~て~~永遠に~~~~抱いていてあげる~~~~これは二人静である(正式タイトル『二人静 -「天河伝説殺人事件」より』)

二人ジェンカで「レッツキッス 頬よせて~レッツキッス 目を閉じて~」と軽快に家の中に入りたいのだが玄関上がるまでの数メートルがとても遠く感じた

家に上がるまでを含めて段が3つあるのだが右足から行かないとこの何気ない段差が登れないらしい。んで次の段も左から行こうとして右からでないと行けないので「いや、数秒前やったやん」とおもってしまった

こんな3つの軽い段差でも家の中まで運ぶのは大変なのだ。こんな大きくないおじいさんが少し歩けなくなったら移動させるだけでも大変なのだということがわかった

最後の段、家に上がる所で「ここでへたばりたい」と言うのでそろっと置いた。車を移動させるためにその場を離れて戻ってきたらおじいさんは真っすぐ這って布団の部屋まで移動していた

帰るからと嫁さんに電話したらおじいさんが話したいというので代わったらその話口調が気に入らないらしく家に帰った時嫁さんは立腹していた「だから代わってほしくなかってん」いや、本人が代わって欲しい言うから知らんがな!

帰り際言っても無駄だろうが「喧嘩したらあかんでー!」と2回ほど言った。本人は怒ったりしたことを「反省してるんやで」とか言ってたがまたおばあさんに怒ったり文句言うだろう。病人(けが人?)なんだから大人しくしといたらいいのに。今おばあさん本気出したら死ぬよ(?)

この脚(臀部?)状態は治るのであろうが近い将来またこのようなことが起こりもしかしたら治らないかもしれない。嫁の兄は東京で帰ってこない宣言をしている

誰が面倒みるのかという問題がもうそこまで来ていることを実感した

そして歳を取っても鍛えなければならない、歩かなければならない

そうおもった

筋肉は裏切らない




関節は裏切りよる








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