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それっぽい答え。

時間があったので、前々から興味があったコーチングというのを受けてみた。

どうやって選んでいいものか分からなかったので、ネットで探して時間が合いそうな方にお願いすることにした。

自分の職業柄、初対面の人と話すことには慣れているものの、面談の時間が近づいてくると、手のひらとキーボードの間に汗が溜まるくらいには緊張した。

担当いただいた方は、自分より2、3年齢が上だと思われる男性で、見るからに誠実そうな、そして適度に低い声が心地よい方だった。

ただ、向こうも自分と同じくらい緊張していたのか、アイスブレイクで少し間が生まれたり、とりあえずお互いが口角をあげて笑うしかないような、ぎこちない形でスタートしてしまった。

面談の時間は90分で、全体の流れとしては、前半30分が相談内容。中判30分は原体験のヒアリング、そして最後の30分は、その感情と過去を結びつけるように締めくくりをされた。

結論から言うと、「よく分からなかった」というのがコーチングを受けての正直な感想になってしまうが、これは受ける側にも一定の慣れや、思考を合わせていくということが求められるのかもしれないなとも思う。

それに、担当いただいた方は、話の腰をおることなく、丁寧に傾聴してくださったので、話す中で整理された部分も少なからずありそうだと思う。

良い方だったことを前提に、1点だけ、気になったことを言うと、僕は人の性格とか、そのとき発した言動を、すべて過去の出来事と結びつけて考えたりするのがすきではない。

だから、その感情は「過去の◯◯から来ているんですね。」とか、それに近い形のフォーマットで返されると、無理矢理にでも、結ぼう結ぼう、とされているような気がして、拒否反応が出てしまう。

もちろん内省した結果、繋がってたんだなと思えることはいいことだと思う。

だって、今の感情が一時的なものとして捉えるよりも、地続きにあると思える方が、思い込む力が強く、踏み込み方が変わってきそうだと思えるから。

ただ、なんだろうな、このフォーマットに則ったやりとりというのが、どうもしっくりこず、「たぶんそれ違うけどなあ」と思ってしまったのも事実なのだ。

人って、思っている以上に適当でいい加減なもんだし、もちろん誰かのためにとか、役に立ちたい思う真面目な心も嘘ではないが、でもそれと同じくらいに「何もしたくない」と思う心も本当だと思う。

そういういい加減な部分も飲み込んで、自分と人と付き合っていかなければならないと思うと、すべてを過去と結びつけ、それがあたかもブレていないかのように、ポジティブに肯定されていくのが、ただただ気色悪かった。

もっとフラットに、もっと気遣うことなく、普通に話してくれたらよかったのに。