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1型糖尿病④~はじめての入院~

この記事はわたくしうえこの、1型糖尿病発症前からのレポートです。
前の記事はこちらからどうぞ

1型糖尿病①~序章~
1型糖尿病②~予兆~
1型糖尿病③~受診、そして入院~

マガジンにもまとめたよ!
うえこの1型糖尿病(IDDM)レポート

さて、前回は、不足だらけの荷物を持って、入院のために医療センターへ戻ったところまで書きました。
今回はいよいよ入院生活…

入院生活のはじまり

なんやかやで病院には、13時半ごろに着いた。
昼も過ぎてお腹が空いていたが、何も考えていなかった。
昼を食べていいか聞くのを忘れていた、うっかり。
とりあえず会社へ電話をして、上司に入院が確定したことを伝えると、近いうちに仕事の話などしに行きますと言われ、
あー、まあそうだよな、と。
私は事務員で、多少は担当していることがあったので。
ただ、月の半ばを過ぎていたのは幸いだった。
取引先からの請求書の処理は月初に済ませていたし、給与計算も終わっていた。
タイミング的に、ちょっと手すきになる頃だったので、何て言うか、ジャストタイミング
なので仕事についてはなんも心配していなかった。
他の事は誰でも出きることだし、1つだけややこしい業務があったがこれに関しては、退院したらやるので、取引先には少し待っていてくれと伝えてもらうことにした。
こればかりは仕方ない。

ひとまず荷物を抱え、担当の病室のある4階へと向かった。
医療センターは私は全く知らなかったのだが、割りと最近新築されたとかで、とても綺麗な病院だった。
石坂浩二似の先生から言われた二ヶ所の病院から、医療センターを選んだのは正解だったなと改めて思う。

4階で、病室に案内されると、腕にバーコードと名前のはいったタグをつけられた。
退院するまで外すなと。
入院初体験なので、ほええ、となった。
ほええ。

時刻は既に14時、はらぺこあおむし。
看護師さんに、昼食べてないんですけどと話すと、夕飯まで待ってと言われてしまった。
マジで?
つ、つら…
ここで、担当になってくれる看護師さんと挨拶をしたのだけど、かわいかった。
めぐみちゃん。
優しそうで安心。
入院時における各種説明と、採血をされる。

ひつようなもの

さて、Tシャツとペロペロズボンしか持ってきていなかったわけだが、ここにきてやっと入院のしおりを見て、いろんな物を持ってきていなかったことに気づいてしまった。
院内には購買としてLAWSONがあるようだが、その時はまだ存在に気づいていなかったので、
我ながらアホすぎるだろと、バカにしてくれと思いながらFacebookに投稿したところ…
神はいたのだ。

保護猫カフェの関係者が、必要なもの買うたったると声をかけてくれたのだ。
人望か?
いや違う、みんなが優しいのだ。
このとき本当に、私はもしかして、このためにボランティアをしてきたのか?と思うくらい、身近に頼りになる人たちがいるという事のありがたみを感じたのだ。

そうこうして、16時頃、点滴をすることに。
私の状態は、超高血糖と、脱水状態にもなっていると言うことで、まずは脱水状態を改善させるということらしい。
なんだかごっつい針を刺されて、3時間くらいかかりますからね~と。
気がついたら18時近くなっており、ここでやっと夕飯に。
お腹がペコペコでつらかった。
点滴を受けているため、上膳据膳と言うことで食事がベッド脇のミニテーブルに運ばれてくる。
ごはん!ごはん!
看護師さんがインスリンの注射を打ってくれた。
インスリンは2種類あり、1日1回打つものと、食前に毎回打つものがあるという。
二の腕にプスッと刺してくれた。
食事を終えると、点滴を続けながら、ひたすら水を飲みトイレに行くの繰り返しである。
19時頃に点滴が終わると、更に追加で5時間くらい点滴をすることになるという。
延々と点滴かよ。
うろ覚えだが点滴にインスリンが入っており、ゆっくりと血糖値を下げていくのだというようなことを言われたような気がする。

しかもなんか、時間通りに点滴を落とすために、ポンプをつけるとかで、その電源がコンセントに繋がれる
めちゃめちゃトイレに行きたいのだが、その都度、ナースコールで看護師さんを呼ばないと行けないらしい。
最初ちゃんと聞いてなくて、トイレに行こうとしてガチャガチャと繋がれたポンプに引っ掛かり慌てていたら、
同室の入院患者がナースコールを押してくれた。

六人部屋

病室は六人部屋だった。
個室なんて考えたこともなかった。
同室の入院患者は他に3人おり、それぞれベットを挟んで絶妙に離れていた。
仮に
アカウミさん
ムギハラさん
ササキさん
としよう。
3人とも私の母くらいの年齢のように思えたが、窓側のアカウミさんとムギハラさんは非常に明るく、気さくであった。
私のベッドは廊下側で、同じく廊下側で向かいのベッドのササキさんは静かで、いつもイヤホンをつけテレビを見ていた。

夕食のとき、Tシャツとペロペロズボンしか持ってきていなかった私は、ピンチに陥った。
箸がない
箸がなくて困ったのは、小学校の給食のとき以来だ。
あの時は給食室まで箸を借りに行くことが出来たが、今は出来ない。
そこで同室のササキさんが、さっと割り箸を渡してくれた。
ニコッと微笑んで
「助け合いだから」と。
なんて優しいんだ!
夕食のあと、やっと同室の方々に挨拶をすることが出来た。
三人とも糖尿病患者だった。
夜にナースコールをしてくれたのはアカウミさんだったが、カラッとした元気な人だった。
ムギハラさんも明るかったが、おしゃべり好きなのだろう、ずっとアカウミさんとしゃべっていた。
なるほど、それでササキさんはイヤホンをしているのだな…

病室

ここで病室の話をしておこう。
六人部屋だが、結構広いなと。
ここを四人で余裕をもって使えるのは実によい。
ベッドの左側には、キャビネットがあった。
衣類をかけられるハンガーや、荷物を入れられるようになっている。
ベットの右側にはテレビの置かれた棚があった。
鍵付きの引き出しがあり、貴重品はそこにいれれば良さそうであった。
テレビの下には小さい冷蔵庫
ペットボトル飲料を入れておけるのは良さそうだ。
しかしテレビも冷蔵庫も、お金がかかるようだった。
そのためのプリペイドカードが、売られている。

そして4階、病院は小高い山の辺りに合ったので、眺めがよい。
廊下のはしが大きなガラス窓になっていて、札幌の町並みが一望できた。
なんなら札幌駅の高い建物まで見えた。

21時に消灯となったが、点滴はまだ終わらない。
暗闇のなか小さく響くポンプの音に、同室の三人にうるさくないかなと思いつつ、寝た。
24時には点滴は終わる予定だったが、なぜか延びて、結局25時頃に看護師さんが外しにきた。
身体はずいぶん楽になっていた。

ところで、何度も書くが、Tシャツとペロペロズボンしか持ってきていなかったので、その夜の寝巻きは病院からレンタルをすることにした。
1日数十円かかるのだ。
早々に寝巻きと、楽に過ごすスエットを手に入れなければならない。

そんなこんなで、入院の第1日目が、過ぎていった。
この日の体重が、43kgであった。
その日はいていたデニムのズボンが、なんだかとてもダルダルだったのはそのせいか。

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