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【歌舞伎感想】連獅子 〜命の煌めきパワー〜 (2020年8月歌舞伎座公演)

 歌舞伎座再開初日の連獅子を観劇したと申しましたが、「連獅子…マジ命の煌めきだわ…」と感動したのにも関わらず、前回記事がアツくなっちゃって長くなり入りきらなかったので、今回は連獅子自体の感想述べていきたいと思います!


花道真横の座席…全てが近い…スゴ…

 実は今回、1階席花道真横という超ド級の優良座席で観てしまったんですよ…!というのも、前日夜に空席状況見たら、1階席に丁度そこだけポコッと空いていたんです。いつも一幕見席(当日券で観られる4階座席のこと。私はこの座席が手軽で大好き。)から観ている庶民なので「こんな優良座席で観られること、この時しかないぞ!!!もうこれは行くっきゃねぇ!!!」って舞い上がってポチっちゃったんですよ。当日実際座ってみたら、花道はもちろん目の前だし、正面舞台も近いし、役者さんの踵から爪先までの足捌きまでもがはっきりと見えて最高でした。

 特に最高だったのは、役者の息遣いがリアルに感じられたことですね。今回は壱太郎さんが白い獅子=仔獅子の精で、愛之助様が赤い獅子=親獅子の精だったんですが、壱太郎さんがソロで舞を結構長く舞った後、愛之助様の舞のターンになり、壱太郎さんが花道の辺りでしゃがんで待つ場面があったんですけど、めっちゃ息上がってるのに、肩で息をゼーハー吸わないように、表情を変えず必死に呼吸をコントロールしているのを観たときね…なんかこう命の煌めき感じましてね…「う…うわ〜〜〜〜なんかめっちゃセクシーだ!!!」と思いましたよ。

 ていうか、連獅子の命の煌めきパワーはヤバいんですよ。最後のあの首振り回すシーン、あれ凄くないですか???皆さん、人生においてあんなに首振り回すことあります???バンギャにでもならなきゃ無いですよね??? ナウシカ歌舞伎のクライマックスシーンに、連獅子オマージュの演出が出てきて大興奮だった(その際の感想はこちら)のですが、改めてパワーを感じましたね。

ナウシカ歌舞伎で登場した連獅子モチーフの「オーマの精(赤)」と「墓の精(白)」のブロマイド写真。通常公演でもこんな風にInstagramでブロマイド紹介してくれたら楽しいのにな〜。


命の煌めきパワーはどこから来るのか?

 なんであんな煌めきパワーを感じるのかな〜と考えたんですけど、椎名林檎の「NIPPON」という曲を聴いて、なるほど、と思いました。

臆また不意に接近してる淡い死の匂いで
この瞬間がなお一層 鮮明に映えてる
ー NIPPON / 椎名林檎 https://youtu.be/p-RLC9ZgjhY

 この曲はサッカーのW杯のテーマソングだったので、サッカー選手が身体の限界を超えてゴールへの執念だけで突き動かされて研ぎ澄まされていく感覚と、その域まで達した人間にしか見られない光景について述べられてると思ってるんですが、そういうことなんでしょうね。

 恐らく舞っている時って、体の動きや間に合わせて呼吸をコントロールしてるから十分に酸素吸えてないでしょうし、ましてやあんな激しく首振り回し続けたら、なんか生命の危機を感じるのが通常で、本来なら舞終わった瞬間にバタンッ!と大の字で倒れて、身体の反応に従ってゼーハー呼吸したいでしょうよ。でもその生命の危機を越えて感覚を研ぎ澄まし、舞台と対峙して集中しているその姿に、煌めきを覚えたんでしょうね。いや〜〜〜〜役者さんたちはどんな景色を見ているんだろうか!

 というわけで、久しぶりの歌舞伎にものすごく感激してしまったので、今月は他にも見に行っちゃいました✌️笑 なので後日他の演目の感想も述べたいと思います!

 それではまた〜!


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