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結婚10年目の危機で試されるのは己の人間性

 黒木メイサさんや安達祐実さん、名だたる女優さんが次々と離婚を発表されていますね。クリスマスや年末年始に結婚・離婚の報道が増えるのは業界ならではの事情があるのでしょうが、報道を見ていると結婚から10年前後で離婚を考える方が多いように見受けられます。かくいう私も結婚13年目、もちろんその渦中にあります。

 10年も一緒にいて今更取り立てて問題が起きることがあるのだろうか、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、事が起きたから関係が変化するのではなく、10年一緒にいたから分からなくなるものもあるのだと思うのです。統計でも10年前後で性格の不一致により離婚するカップルが多いというデータも出ているくらいですから。

 新婚時代というのは恋愛の延長なので、フィルターが掛かった状態で相手を見ています。それにより欠点さえもぼんやりと見えてしまっており、お互いに相手のことを分かっているようで分かっていないというのが実情なのではないでしょうか。恋愛感情の盛り上がりは3年程が限度ですので、まずはこの辺りで魔法が解け、現実を目の当たりにして打ちのめされる、という難所がやってきます。いわゆる3年目の~というトラップですね。それを乗り越え様々な経験を共にしていくことで信頼関係が築かれ、恋人の延長から家族という存在へと成長していきます。

 『結婚=家族』というのは形だけにすぎません。本当の家族というのは長い時間をかけ全員で協力しながら作り上げていくものです。家族みんなのスクラムによるしなやかな力強さと温もりに溢れた帰りたくなる場所だからこそ価値があるのだと私は思っています。他人行儀な関係から、あたかも自分の一部であるような身内という感覚が浸みこんでいくわけですから、別々の物体がくっつき徐々に融合していくというようなことが2人の内面で起きており、それこそが真のパートナーとなるための進化の過程であると捉えられます。しかし物事には必ず相反する側面があり、進化の背後には、それに抗う力も存在するわけです。相手が自分の一部という感覚になるにつれ遠慮や配慮もなくなり、自分と相手が別々の人間であるという意識も薄れ、生活のツールという感覚で相手を見るようになっていきます。

 毎日の暮らしに欠かせない家電や家具などの生活ツールは、おしゃれで機能的な最新の商品へとその都度アップグレードしながらより良い生活を追求していきますが、その感覚でパートナーを見てしまうと、進むべき道を見失ってしまうのではないかと考えます。

 10年も経てば人はそれなりに年を取ります。メッキもフィルターも剥がれ、ふとした瞬間に外見的にも内面的にも色々なものが露わになった状態を目の当たりにしてハッとするのです。だからようやくここで「この人とは性格が合わないかも」と考えるようになるわけです。年齢的にも自分自身のライフプランのタイミングなどにより、自己実現欲求を満たすにはしがらみを断捨離しなければという気持ちになるのもとてもよく分かります。しかしそれはとても一方的で独善的な見方です。ライフパートナーとの関係性の変遷という点からみると、10年目の惑いは数あるマイルストーンの1つに過ぎません。前述のとおり、融合の途中の段階なのですから、言わばパートナー史における曖昧と混沌の時代です。この難所を乗り越えるからこそ強固な信頼関係が確立されお互いに無くてはならない“真のパートナー”のステージへと到達できるのです。

 10年一緒にいて離婚を選択するということは、相手がどうだからという問題ではありません。パートナーと共に乗り越えるべき問題であるにもかかわらず自分の欲求を優先し問題に向き合うことから逃げたということなのです。定期的に結婚と離婚を繰り返している方、時々お見掛けしますよね。問題というのは面白いもので、逃げても必ず時と人と場所を変えてまたやって来ます。そしてその時にはネギを背負ってやって来てくれるので、せっかくですから覚悟を決めて問題に向き合ってみると、今まで見たことのない新世界への扉が開かれることと思います。

 年の瀬の押し迫ったこの時期に、未来への希望を見出せず進むべき道を見失ってしまっているという方は、ぜひご相談ください。より良い未来を切り開いていけるよう力強くサポートします。

 クライエントさんの援助でお困りのカウンセラーの皆さんも、お気軽にご連絡ください。難しい課題に直面し挫折したとしても、それで終わりではありません。失敗の経験が学びをより一層深めてくれますので、今のご自身に適した学びを掴み取っていけるようお手伝いします。

1年間の感謝と皆様の明るい未来への願いを込めて書かせていただきました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

uEarth  丸山 美幸


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