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放置される危険な踏切に対するモヤモヤ Quoraとわたし#2

Quoraについて

下記の記事を参照。私が今ハマっているSNSです。
「Quoraとわたし」では、私が投稿した回答でバズったもの・バズらなかったものの力作だと自負しているものを紹介していきます。

質問:「最近、『スッキリしないなあ』と思ったニュースはありますか?」に対する私の回答

2022/11/16に、「最近、『スッキリしないなあ』と思ったニュースはありますか?」という質問に対しての私の回答です。
2023/01/15現在、回答の閲覧数は1.5万回、高評価は277件です。

最近というか、ここ10年近くずっと「モヤ」っとしているニュースです。

https://qr.ae/pvj08L
最近、「スッキリしないなあ」と思ったニュースはありますか?に対する上野町 駿 (Shun Uenomachi)さんの回答 - Quora


JR横浜線で、踏切の中で動けなくなっていたお年寄りを助けようとして、命を落とした女性のニュース。
ただただ悲しいニュースなんですが、女性の「自己犠牲」が国民の胸を打ってか、本当に目を向けなければならない問題が置き去りにされたまま、女性の美談ばかりが一人歩きしてしまった事件だったと思います。
女性の尊い自己犠牲は世間の関心を集め、ついに政府は女性に対して紅綬褒章を授与することを決定しました。

https://qr.ae/pvj08L
最近、「スッキリしないなあ」と思ったニュースはありますか?に対する上野町 駿 (Shun Uenomachi)さんの回答 - Quora

女性の名前は村田奈津恵さんっていうんですが、私ちょっと気になって「村田奈津恵 政府」で検索をかけたんです。
紅綬褒章と感謝状のことしか出てきませんでした。
私が信じられなかったのは、「この事件に対して政府がしたことでニュースになったのが、個人への感謝状と紅綬褒章授与だけだった」ってことなのです。
このニュースを見て、多くの人は「老人を助けて亡くなった優しい女性」という美談だけを消費しますが、みんなそんなことしている場合でしょうか?
踏切事故は、完璧には防げません。
踏切で事故ると分かった後で電車のスピードを落としても、ブレーキによる減速では間に合わない場合が多いです。踏切付近でスピードを緩めるような決まりにする手もありますが、そうはしていません。
「踏切事故で失われる命より、我々の社会の効率を選んだ」のが、今の現状です。
踏切は、事故や渋滞を起こす原因となるため、廃止すべきという風潮ですが、現在も多くの踏切があります。
踏切事故だってなくなっていません。

https://qr.ae/pvj08L
最近、「スッキリしないなあ」と思ったニュースはありますか?に対する上野町 駿 (Shun Uenomachi)さんの回答 - Quora

費用負担を渋る鉄道会社や、土地の地形による事情など、理由はいろいろあります。
しかし、鉄道・人・自動車共に交通量が多いところや、線路幅が広くご老人や体の不自由な人が危険な思いをするところだけでも、早々に踏切→高架・地下への移行を進めるべきだと思います。

私たちは、このニュースを見て、女性の自己犠牲に感動したり悲しんだりするべきではなかったと思います。
怒るべきだったんです。
解決されないままずるずると現状維持で問題が放置されてきた結果、死ななくてもいい人が死んだのです。
事故現場を見ましたでしょうか?
足の不自由な知人は現場の映像を見て、恐怖を覚えたと言います。
「踏切で横断する幅が大きすぎるし、混雑しすぎる」
女性が犠牲になるくらい危険な踏切を、これからも恐怖に震えながら利用する人は、何人くらいいるのでしょうか?
駅のエレベーター必須や案内人の配置は、目に見えやすいバリアフリーですが、目に見えない部分でおざなりにされている、命を守るために本当に必要なバリアフリーに、もっと日本人が気づくべきだったのに。
女性の犠牲を悲しんだり、自己犠牲に感動したりでこのニュースが忘れ去られていったのが、残念でなりません。

https://qr.ae/pvj08L
最近、「スッキリしないなあ」と思ったニュースはありますか?に対する上野町 駿 (Shun Uenomachi)さんの回答 - Quora

回答について、今思うこと

10年ほどずっとモヤモヤしていたニュースだったので、この機会にめちゃくちゃ考えて書きました。
結果、この回答執筆にかかった時間、10時間。中途半端な記憶で書きたくなかったので、当時のニュースや日本の踏切事情についていろいろ調査して、自分なりに解釈して書きました。
結果、この回答を見た方々には響いてくれたらしく、コメントやシェアにて多くの共感をいただくことができました。
踏切のある風景は風情があっていいものだと思いますが、バリアフリーへの配慮が必要とされる地域や、電車の通行量の多い地域だけでも、高架化や地下化を早急に進めていただきたいと思います。

私の父は2021年に脳出血で倒れ、半身麻痺という大きな後遺症を一生抱えて生きていくことになってしまいました。
普通の道を歩くだけでも、杖をつきながらゆっくり進むことしかできないので、普通の人の数倍の時間を要します。
そんな父親が幅広で交通量の多い踏切を渡るには、大きなリスクがつきまといます。(もちろん、普通の信号でも同様と思いますが、踏切については電車は自動車以上に急に止まることはできません)
父がそんな状況になってしまった私にとって、この踏切問題はますます他人事ではなくなってきました。

インパクトが大きく、多くの国民の関心を集めたこの事故ですが、故人への表彰で収束してしまったようで未だに残念です。
ここで、危険な踏切について社会問題化していけば、その後につながっただろうに。
自己犠牲で老人を救った女性の美談で終わらず、こういう視点でニュースを見てくれる人が、もっと増えてほしいと思います。

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