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【ネタバレ有】映画「PLAN75」感想〜今までの人生で一番怖かった映画〜

本当に怖い映画って何だろう・・・ってずっと思っていました。

呪怨やリングは大好き。でも、伽椰子や貞子という固有のキャラクターがいるホラーって、ハマればハマるほど、「怖がるもの」というか「怖いキャラを愛でるもの」になってしまいます。キャラのファンになってしまうと怖さがどんどんなくなってしまう。

海外ホラーは、化け物からの物理攻撃系が多いですよね。
スプラッター方向に頑張ってしまうような映画になっちゃうと、怖いというか「うえ〜↓↓」みたいな感じ。ゾッとする展開って意外と少ないですね。

人間怖い系のホラー・サスペンスはどうか?
ここになると、現実でも起こり得る恐怖を感じてしまい、観たあとしばらくは、思わず夜道を歩いていて振り返ってしまったり、玄関の鍵を閉めてチェーンもチェックしたりします。結構怖がれます。


今回、映画「PLAN75」を観て思いました。
現実を淡々と突きつけてくる映画が一番怖い。たとえホラーでなくても。
そういえば、「それでもボクはやってない」を観たとき、近い恐怖を味わったっけ。

「PLAN75」は、2022年に公開された邦画です。
ジャンルは、ヒューマンドラマ。あと、SF。
なんでヒューマンドラマなのに、これまでの人生で一番怖い映画なのか。
言語化できる範囲で語っていきたいと思います。

映画の概要

簡単なストーリー

日本は超高齢社会。割を食っていた若者は追い詰められ、各地で高齢者施設を襲撃する事件が多発していた。
政府は問題解決のため、75歳以上の高齢者に安楽死を認めて提供する「PLAN75」という制度を採用した。
ヨーロッパでは安楽死が認められている国もあるが、悪用等を防ぐために、難病を抱えている人に限定されており、審査も厳しい。しかし、「PLAN75」は、75歳以上であれば無条件に安楽死を利用できるところが画期的。審査はなく、家族や医師の同意も不要、健康診断等も不要、住民票も不要。
安楽死の方法には複数のコースがあり、一番高額なコースだと、葬儀・埋葬等は個別に手厚く行われ、無料のコースだと、無縁仏として複数人でまとめて火葬・埋葬される。
「PLAN75」を利用する高齢者には、安楽死実行前の数日間に、10万円の給付金が支給される。旅行に行くもよし、高級料理を食べるもよし。最期の思い出を作って、後悔せずにあの世に旅立てる。
「PLAN75」は町中のいたるところで宣伝される。行政の健康診断会場では宣伝ビデオが流れ、市役所の中ではポスターが貼られ、炊き出し会場では特設申請会場が設けられる。
この制度により日本の経済事情は好転し、今後対象年齢を65歳に引き下げる方針である。
この映画は、「PLAN75」が浸透した社会の中で生きる複数の人物を軸に話が展開される。

主要登場人物

ミチ(倍賞千恵子)
78歳の高齢女性。
子供は出産の際に亡くし、過去2回結婚したものの、先立たれている。
ホテル清掃の仕事を同年代の友人3人としていたが、そのうち1人が清掃中に倒れたことをきっかけに、クビになってしまう。(建前として「お年寄りを働かせるのは可哀想」と投書があったとのことだが、ホテル側の「ホテルで死なれて事故物件にされたら困る」との本音があったのではと指摘されている)
住んでいる団地も、年齢を理由に立ち退き命令を受ける。
仕事と住居を探すが、年齢を理由に見つからない。
途方に暮れて訪れた炊き出しの会場にて、「PLAN75」特設申請の職員に声をかけられ、「PLAN75」による安楽死を選択する。

ヒロム(磯村勇斗)
市役所の職員。「PLAN75」の申請業務や、公園ベンチのホームレス対策等をおこなっているので、福祉課だと思われる。
誠実な働きぶりによって「PLAN75」の推進に貢献するが、ある日、疎遠だった叔父が75歳の誕生日と同時に「PLAN75」利用の申請に訪れたことをきっかけに、冷静さを失っていく。

瑶子(河合優実)
PLAN75を利用することになったミチの担当のコールセンター職員。PLAN75利用者が途中で心変わりをしないようサポートをおこなう仕事をしている。
ミチに頼まれて一緒に出かけることになり、以降自分の仕事の残酷さに耐えられなくなる。

マリア(ステファニー・アリアン)
日本で介護の仕事をしているアジア人女性。母国に住む夫と難病の娘を支援するために、より給料の高いPLAN75利用者の遺体処理のしごとに転職し、制度の裏側を見る。

映画の特徴

この映画を観ると、胸の中に様々なモヤモヤが湧き上がってきます。
本当なら、ストーリーを最初から説明しつつ、それぞれの場面で思ったことを列挙していきたい思いです。
しかしそれだとキリがないので、この映画を観て「すごく不気味に感じたこと」を4点、「恐ろしく感じたこと」を4点、語ろうと思います。

不気味なこと①直接高齢者に「PLAN75を利用しろ」とは言わない

あくまで、映画の中での社会は、高齢者に対して「世間のために早く制度を利用して旅立ってください」とは言わず、「自分の意志で旅立つことをサポートします」という姿勢です。
例えば、住める場所の選択肢がなくて困っているミチに対して、不動産業者は「生活保護の受給は、考えられてますか?」と言いますが、「あなたの年齢ならPLAN75を利用するべきじゃないですか?」とは言いません。
ハローワーク職員も、コンピュータで検索した対象の求人が0件で「このパソコン壊れてないですか?」と問いかけたミチに「いえ、壊れてないですね」とだけ返してそそくさと何処かに行ってしまいますが、「今から職について苦労するよりはPLAN75でいいんじゃないですか?」とは言いません。
おそらく、そういった「PLAN75」の利用を個人的に推奨するようなことは社会的に問題があるとされていて、一言でも言えば大問題になるという風潮
が完成されているのだと思います。

不気味なこと②サポート状況からダダ漏れな社会の本音

しかし、社会が直接口に出さないとはいえ、社会が高齢者に向ける態度は非常に正直で、残酷だとわかります。
結局、「生活保護のお世話になるしかない」と役所の福祉課に足を運んだミチですが、窓口まで行ったところで、既に本日の生活支援相談窓口の受付時間が終了していることを知ります。
画面の中に時間を示す時計等を見つけられなかったので何時かは分かりませんが、背景にある窓を見ると外は明るく、夕方にもなっていません。また、季節は冬で、日が落ちる時間が早いことを考えると、おそらくまだ14時とかそこらではないかと推測できます。
そんなに遅い時間に行ったわけでもないのに、非常にシビアです。
それに対して、「PLAN75」のサービス提供は露骨なほど行き届いています。
炊き出しの会場に設けられた特設受付窓口には、真っ暗になった時間帯でも職員が待機しています。

公式サイトより引用

「PLAN75」を申し込んだ高齢者には専属のカウンセラーがあてがわれ、定期的に電話口でのカウンセリングを受けることができます。また、不安を感じている申込者のため、24時間対応可能のコールセンターまで稼働しており、いつでも申込者に対してサポートをおこなえるようにリソースが割かれています。
本来であれば、生活困窮で支援を必要としている人のサポートこそ24時間体制でおこなうべきではないかと思いますが、そういうリソース配分からしても、「高齢者の生活支援なんかより、生活支援が必要な高齢者を減らすことの方が優先だ」という、社会の本音がダダ漏れになっています。

不気味なこと③死後の扱いからダダ漏れな社会の本音

「PLAN75」には、火葬〜埋葬まで個別で贅沢におこなわれる有料プランがあることも描かれていますが、すべて無料でおこなえる「合同プラン」があることも説明されています。火葬〜埋葬を複数人分まとめておこなわれるプランです。「他の人と一緒だと寂しくないですよ」と、ものは言いようですね。

丁寧に火葬から埋葬まで寄り添ってサポートしますよ、のように優しさで溢れた印象を受けますが、実態はよりドライなものでした。

役所務めのヒロムはある日、要連絡の取引先一覧に見覚えのない会社名があることを上司に質問します。会社名を見た上司は、「そこには俺が連絡しておくから、コーヒー淹れてくれ」と、明らかに誤魔化したような態度を取ります。
不審に思ったヒロムがスマホでその会社について調べると、その会社は産業廃棄物処理をおこなっている会社で、主な事業内容に「動物の死骸処理」があるのを発見しました。
遺体の火葬から埋葬まで、死者に敬意をもっておこなっているとお客様に説明し、自身もそれを信じていたヒロム。制度に対する不信感が芽生えます。

「PLAN75」利用者の遺体処理の仕事についたマリアは、死者の遺品をぞんざいに扱いながら再利用できるものを仕分けしている現場を目の当たりにします。
また、上司が貴金属等の金目の遺品を平気な顔で横領しているのも目にします。見られた上司は言い訳のように死者の腕時計をマリアに渡し、「死人は使えない。使えばゴミにならない。皆幸せになる」と言います。

制度に関わる人々の中に、「死んだ後の人間には分からないし、世間にもバレないだろうし」みたいな意識が浸透しているのが分かります。
映画の中では特に書かれていませんが、「死人に口無し」を悪用して、待機する高齢者を虐待する関係者とかもいそうですよね。

不気味なこと④執拗な宣伝

映画を観ていると、至る所で「PLAN75」が宣伝されていることが伝わってきます。
例えば、行政がおこなう高齢者向け健康診断の会場。
ミチは友人と健康診断に参加しますが、友人が「なんか肩身狭いわね。長生きしたいみたいでさ」とこぼします。その場では「そんなことないでしょ」と受け流したミチですが、順番待ちの待合室では、「PLAN75」の宣伝ビデオがずっと流れています。

公式サイトより引用

健康診断するってことは健康状況を気にしているということで、一応まだまだ生きるつもりの高齢者が足を運んでいるわけです。そんな会場で、「人生をそろそろ終わりにしませんか」というビデオを流すのは、多少無神経すぎますね。「なんか肩身狭いわね。長生きしたいみたいでさ」という友人のセリフも、あながち間違いではないのかもしれません。
メディアも、PLAN75によって経済は復活した、好調なので今後は対象年齢を引き下げていく方針だと、PLAN75のポジティブな宣伝に加担しています。

恐ろしいこと①結婚しても、子供がいても、家族がいても、友人がいても、人格者でも、老後の孤独からは逃げられない

この映画で一番怖いと思ったこと。制度は確かに不気味ですが、何より恐ろしいと思ったのは、「老後の孤独からは逃げられない」ということです。
なんとなく、独身の私は、「あー、このままじゃ孤独な老後だ。孤独死だ」と若干諦めていますし、既に結婚して子供もいる周りの人間を、「あー、いいな。将来孤独じゃないじゃん」と羨ましがったりしています。
しかし、この映画が伝えてくるのは、そんな先入観をひっくり返す真実。
「既婚か独身か」「子無しか子ありか」なんて微妙な誤差でしかなく、結婚しても、子供がいても、家族がいても、友人がいても、人格者でも、孤独からは逃げられないのです。

映画の中で、ミチの友人の一人が自宅で孤独死してしまうシーンがあります。その友人は、結婚して子供もいる立場です。私からすれば「孤独死を回避できる側の立場の人間」でした。しかし、夫に先立たれて、子供も遠くに住んでいて疎遠。結局は孤独に一人暮らしの家で机に突っ伏したまま亡くなり、異臭を放って蝿がまとわりついた状態でミチに発見されます。

ミチ自身も、今まで2度結婚していますが、結局は今身寄りのない未亡人です。
ミチは人格者であり、友人にも親切で礼儀正しく謙虚で慎ましいことがいたるところで描写されています。
ミチからの頼みで、食事とボーリングへの付き添いをした若者の瑶子は、ミチの人柄に好感を持って、人間的に好きになっています。だからこそ、安楽死に進むミチに対して涙を流し、個人的に連絡して止めようとまでしています。
そんな人間でも、別に嫌われて孤立したわけでもないにも関わらず、孤独になってしまいます。老後の孤独というものは恐ろしいです。

恐ろしいこと②社会から必要とされなくなること

78歳のミチと3人の同年代の友人は、映画の冒頭では一緒にホテル清掃員として働いています。
しかし、友人の一人が業務中に倒れてしまったことをキッカケに、4人まとめてクビになってしまいます。
一気に4人も清掃員の欠員が出るというのは、経営者からからすれば痛手に他ならないと思うのですが、「ホテルの客室で突然死されたら困る」というリスクと天秤にかけられた結果、なんの迷いもなく追い出されてしまうのです。
ハローワーク備え付けのPCで仕事先を探し、0件という結果に驚くミチ。どの業界でも人手不足が慢性化している社会にも関わらず、年齢だけで「あ、結構です」とハネられてしまう。直々に「働きたいです」と乗り込んだスーパーのバックヤードでも、「猫の手も借りたい」とばかりに忙しく動く従業員を背景に、あっさり断られてしまいます。
仕事をクビになるたび、求人を断られるたび、自分が社会から必要とされていないことを実感するのは、とても辛いことだと思います。

そういえば・・・余談ですが、これを書いていてふと、ちょっと前に5ちゃんの同性愛サロン板で読んだ投稿を思い出しました。すごく胸が痛くなります。

304陽気な名無しさん2019/07/25(木) 15:52:18.62ID:cAQcY2zv0
駅のトイレやビルの掃除のお婆さんとかを見ると、何か申し訳なくなるのよ。
と同時に、その年齢でも仕事ができて立派ね!って思いながらも。

大学の時に居酒屋でバイトしたの。
キッチンの洗い場に70過ぎのオバサンがいたの。
店長てのが よくオバサンに 作業が遅いって怒鳴っていたわ。ある時洗い場から小声の歌が聞こえてきたわ
「○○頑張れ!○○頑張れ!○○頑張れ!」て繰り返すだけの歌よ。
24時過ぎの居酒屋の洗い場で 自分の中の名前を繰り返して鼓舞するオバサンの姿を見て、あたし、凄いショックで落ち込んだわ。
一ヶ月くらいで辞めてしまったわ。店長いわく、トロいからクビにしたって。

恐ろしいこと③若くして死なない限り、この現実からは逃げられない

↑で書いた、「恐ろしいこと①結婚しても、子供がいても、家族がいても、友人がいても、人格者でも、老後の孤独からは逃げられない」「恐ろしいこと②社会から必要とされなくなること」については、今を生きる若者たちにも順番待ちで必ず訪れることだということも怖いです。
結婚している人は、先に旅立てば回避できますが、その場合は愛する配偶者が孤独と戦うことになります。
独身者の割合が増加の一途を辿っていますが、私達はいつか絶対にこの恐怖と向き合わなければなりません。若くして死なない限りは・・・。

恐ろしいこと④現実社会には、「PLAN75」がないこと

散々「PLAN75」の不気味さを語りました。映画にも、制度に対してのアンチテーゼが込められています。
しかし、現実社会に戻ってふと考えます。
「PLAN75」は高齢者を死に誘導する悪魔のような制度ではありますが、老後の孤独や困窮、居場所のなさからの逃げ道を作ってくれる、ある意味救いのような存在でもあると思います。
同時に、映画の世界から現実に戻ってきたとき、現実は「PLAN75」という逃げ道すらない世界なのだと思い出します。
この映画は、現実との差分が本当に一部だけです。テクノロジーも街の雰囲気も店の感じもほぼ現実と同じで、最初「ドキュメンタリーかな?」と見間違えるほどです。違いは、「PLAN75」があるかないかのみです。
つまり、虚構なのは「安楽死を選択できる社会制度」のみで、「逃げられない孤独」「社会から必要とされなくなること」は本当に起こり得ることなのです。
普通のホラー映画であれば、どんなに怖いものでも、視聴を中止して明るい部屋にいれば「あんなのフィクションだ」と気を取り直すことができますが、この映画に関しては、「逃げ道になる制度だけがフィクションだ」と、更に恐怖することになります。

映画を観て考えたこと(※一部限定)

映画を観て、自分の人生やこれまで観てきた作品と関連付けていろいろ考えてみました。
映画「PLAN75」は、観るたび思い出すたび、いろんな思いが湧き上がってくる作品だと思います。
生きている人間であれば、無関係であることなんてありえないテーマだからです。

「生き方」を考える作品に比べて「死に方」を考える作品は少ない

この映画は、「死に方」について深く掘り下げた映画だと思います。
自分の人生をどう生きるのか、というテーマの作品はたくさんありますが、自分の人生をどう終わらせるのか、というテーマの作品は少ない印象があります。なるべく目をそらしたいテーマですし、現在生きている人は全員が未経験の素人の分野だからかもしれません。

今まで、成り行き任せで自身ではコントロールできなかった「死に方」について、コントロール権を一人ひとりが得ることができるようになった社会。
人々は、自分の意志でコントロールできるようになった「死ぬ権利」を、どのように扱っていくのか。
このようなテーマは、あまり他の映画では観たことがなかったので新鮮でした。

死に方を自分で決める・・・というエピソードについては、私が観ている海外ドラマにいくつか例があります。
いずれも、長いシーズンのドラマのうちほんの数話のエピソードなのですが、ここまで覚えているのは、やはり心に残るテーマだったからじゃないかな〜と思います。

Orange is the new black
女子刑務所での日常を描いたこのドラマに、ローザというキャラクターがいます。
若い頃に起こした銀行強盗事件で逮捕され終身刑になったローザは、ガンを患っていました。
刑務所は、ある程度の化学療法を受けるための通院は支援してくれるものの、高額な医療費が必要な手術については何も助けてはくれません。死がどんどん近づいて来ているものの、刑務所の中でたくさんの受刑者に囲まれてどんどん弱っていく現実は変えられません。
ローザは、「馬鹿な受刑者たちに囲まれて、死を迎えるのが本当に耐えられない。強盗をやっていた頃は、最期は警察に囲まれて、撃たれて華々しく死ぬのが夢だったんだ」と、仲の良い受刑者のローナ(ローザを病院まで送迎する車のドライバー担当)に話します。
いよいよ最期が近くなったとき、車で病院から刑務所に戻っていると、刑務所内でトラブルがあったらしく、騒ぎになっていました。車に同乗して2人を見張っていた刑務官はローナとローザを車内に待機させ、様子を見に車を離れます。
ローナは、待機しながらしばらく考えていたものの意を決して、「刑務所なんかで死んじゃだめ。自分らしい最期を飾るのよ」と鼓舞して1人で車を降り、ローザを車ごと脱獄させます。
刑務所を脱獄したローザは、心からの笑顔を浮かべて車を走らせます。
そこでドラマはエンディングになったためその後は描写されませんが、次のシーズンで、「車で脱獄し、その後すぐに自殺した」と語られています。

グレイスとフランキー
夫同士が恋に落ちてしまい、2組揃って離婚することになった70代の夫婦たち。元妻のグレイスとフランキーが、捨てられた者同士で同居して支え合いう仲を深めていく、という内容のドラマ。
そんな2人のもとに、ある日古い女友達のベイブが訪ねてきます。
世界中を旅して回っていたパワフルでファンキーなベイブですが、地元に戻ってきたのには理由がありました。
何度か患ったものの、その都度乗り越えてきた癌がまた再発し、今度は乗り越えられそうにない。また闘病生活でつらい日々を送って、挙げ句の果てに負けて死んでしまうのは嫌。だから、自分の好きな人達を集めて自身のお別れパーティ2人の家の庭で開き、解散後の幸せな状態で毒入りのプリンを食べて死にたい。その最期のパーティの開催と自身の自殺を、グレイスとフランキーに手伝ってほしい、とのことでした。
聞かされた2人は大変驚きました。フランキーはなんとか受け入れますが、自殺に関して信念が許さないグレイスは受け入れることができず、手伝いも拒否します。仕方なくフランキー1人でパーティ開催と自殺を手伝うことに。
そんなこんなでパーティ当日。自殺願望を受け入れられないグレイスはパーティ不参加で自宅に残ります。
パーティも終わりに近づいた頃、そろそろ毒入りプリンを出して用意してほしいと頼まれたフランキーはグレイスがいる自宅に戻り、冷蔵庫を開けますが、友人の死を手伝うことに対して戸惑いが生じてしまい、どうしても冷蔵庫からプリンを取り出すことができません。そんなフランキーに対してグレイスは話しかけました。「ベイブがやることを正しいって信じてる?」フランキーは「ええ」と答えます。グレイスは「ならプリンを取りなさい」とフランキーを後押しし、自身もベイブの手伝いをすることを決心します。
パーティは、グレイスも参加して最高の雰囲気で終了。参加者が帰った後で、ベイブはグレイスとフランキーに最期の別れと感謝の言葉を述べ、隣室でグレイスとフランキーが見守る中、静かに息を引き取ります。

「PLAN75」は、悪い制度なのか?(※限定)

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