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お気に入りの写真集 『Hamburg Days 』 (Astrid Kirchherr)

おはようございます!

東京は曇りです。
すっかり春陽気になりましたね。
ゴールデンウィーク期間通しても雨が降ったり、快晴だったり、と天気が目まぐるしく変わり、季節の変わり目を感じます。
中にはまだ連休中という方もいそうですが、今年はここ数年のゴールデンウィークとは異なり、観光地に出かける方も多かったように感じます。
そんな中、皆さんはゴールデンウィークどのようにお過ごしですか?
僕は変わらずいつもの日常です笑

今回から数回に渡ってお気に入りの写真集を紹介したいと思います。

1回目  『Hamburg Days 』 (Astrid Kirchherr)

FACTOTUMでは毎シーズンにテーマを設けて、テーマを掘り下げる旅に出かけます。
そこで出会った写真集です。

FACTOTUMの2009年秋冬コレクションのテーマ「ストーリー」でした。
スチュアート・サトクリフはビートルズの元ベーシスト
愛称は「スチュ(Stu)」、「5人目のビートルズ」と呼ばれてます。
そして、彼の妻であった写真家のアストリッド・キルヒャー。
詳しくは後で解説してます。

テーマの旅でアストリッド・キルヒャーさんの著作権管理元に訪ねた時に出会った写真集です。
貴重なリミテッド集に出会えて、その旅も感動的でした。
残念ながらアストリッドさんは2020年5月にドイツのハンブルグで亡くなりました。
哀悼の意を表します。

FACTOTUMのコレクション内容です!
2009 AUTUMN/WINTER [STORY]

『アストリッド・キルヒャーについて』

ビートルズたちのマドンナ

ビートルズの伝記作家マーク・ルイソンは、アストリッド・キルヒャーのことを語ってます。
「アーリー・ビートルズの写真を撮影していなければ、これほど偶像化されることはなかった」と。
ビートルズ関連の写真は彼女を世界的な有名人にしましたが、その後の彼女が一流のプロカメラマンとして華々しく活躍したという経歴はありません。
そして彼はこうも言ってます「しかし、他の人がまだ見ていないものを見てくれる人が必要なのだ。
あるいは、最初から自分の価値を信じてくれる人が必要なのかもしれない」
どれほど成功を収めた人であっても、必ずその才能を認めてサポートしてくれる人が必要です。
どんな偉大なアーティストであっても、最初からその才能が認められていた人はほんの一握りです。
また才能があったとしても、それが広く世に知られるためには、様々な人のサポートが必要なのです。
彼女の優しさに溢れた自信、新しいカルチャーにオープンなボヘミアンなライフスタイル、そしてクールでストイックなミニマルルック(オールブラックカラー)、若きビートルズを惹きつけました。
彼女が彼らに鮮烈なインスピレーションを与えたことが、どれほどその成長を促したか計り知れません。
1960年代のビートルズは、窮屈で汚い部屋で寝起きを共にし、自分で普段着や衣装を洗濯していました。
ジョージは、アストリッドが木の枝で装飾された美しく魅惑的な自宅で、愛情を込めて食事作ってくれたり、20代の若者たちにとって天国のように感じられたと語っています。
アストリッドのセルフポートレートの鏡の上部には、ジョージが語っていた枝の一つが写っています。
この写真は、彼女自身を最もよく象徴している作品であり、彼女がビートルズの写真を撮影したときに、ビートルズが見せていたのと同じような優しいながらも強靭な自己主張を表しています。

ダイヤモンドの原石

アストリッドの回想によると、彼女は、ビートルズの人間的な資質を見抜いていました。
それは、後年になって桁外れの才能として開花したのですが、メジャーデビュー前の時点でもうその芽を見出していたのです。
例えば、彼女はポールがただ可愛いだけではないことに気づいていました。
彼は、彼女の著書や芸術に興味を持っていたのです。
それは、彼のその後の創作意欲をかき立てました。
アストリッドは、バンドのもう一人のメンバーが持つ評価されていない芸術性と美しさも見ていました。
彼女にとって最も魅力的なビートルズは当時のベーシスト、スチュアート・サトクリフであり、彼女は、彼と結婚することに決め、彼はバンドから脱退することになりました。
数年後、スチュアートが脳出血で急死したとき、アストリッドはジョンとジョージの写真を撮影し、彼らの悲しみと友情の深さを目の当たりにしました。
薄暗い狭い部屋にモノトーンの写真。
その象徴的な写真撮影にあたって二人がポーズをとるとき、彼女は、二人にどうやったら悲しみを表せるかを教えましたが、その写真を通して我々にも彼らの悲しみを伝えることになったのです。



最後まで読んで頂きありがとうございます。
皆さんにとって素敵な後半のGWをお過ごし下さい!!

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