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くじゅう連山に登る(日記)

2021年10月8日(金)

 高校時代の友人とくじゅう連山に登ることになった。過去に一度、山梨県の扇山という山に登ったことがあるだけの素人が日本百名山に数えられる名峰を登れるのだろうかと少し心配はしたが、「百名山と言われるような山は、それだけ登る人も多いから道も整備されているよ」という山の大先輩の声に胸を撫で下ろす貧弱な僕であった。

 僕たちは高校を卒業してから初めて会った。およそ10年ぶりである。会話に多少のぎこちなさはあったが、県外で会う同郷人へ抱く安心感には特別なものがある。尾根から見下ろすくじゅうの壮大な景色に感動しつつ、思い出話に花を咲かせながら歩いた。

 平日にも関わらず、山には沢山の人が居た。修学旅行の中学生や遠足の幼稚園児、老夫婦など。幼稚園児が大人と同じ登山道を登りきるのだから大したものだと思う。

 「連山」というだけあって、山を超えたらまた山である。くじゅうの最高峰が前方に見えた。程よく雲がかかり、なんとも言えない威厳があった。あれを今から登るのかと2人で笑い合った。

程なく山頂に到着した。雲に包まれ辺りは何も見えなかった。風景を楽しみにしていただけに少し残念だが、とりあえずお昼を食べることにした。バーナーで湯を沸かしカップラーメンに注いだ。山頂で食べるラーメンは格別だった。食べていると雲が晴れて下が覗けた。思いの外切り立った崖の際にいたのに驚いたが、景色は壮大だった。何故こんなところでラーメンを啜っているのだろうとよく分からない気持ちになった。

 下山。登山の後は温泉と相場は決まっている。別府温泉に行って体を癒した。

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