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完全不登校に切り替えました

小学1年生の10月から不登校を選んだ息子は、この春小学三年生になった。不登校を選んで以降、学校との繋がりは週に一度図書の授業に行くことだった。

息子には発達障害の診断があり、感覚過敏などの特性から集団で過ごすことが辛い。だけど本好きな彼にとって、静かな図書室はとても落ち着いて安心して過ごせる場所だったこともあり、図書にだけ通うことにしたのだ。
最初は私が同伴で1年程通い、徐々に送り迎えだけになり。図書が4時間目だったこともあり、お弁当を持って行って昼食を食べるようになり。その日は昼食後が下校時間なので、友達と下校することもあり。それなりに、息子にとっていい経験にはなっていたと思う。
当初はこのままゆるく学校と繋がり、興味を示す活動にだけ参加するハイブリッドスクーリングなんかができたらいいなぁと感じていたのだけど。
この春、私たちは図書へ行くことをやめて、完全不登校に切り替えることにした。

もともと、息子は保育園時代から集団生活がとても難しかった。当時は担任の先生方が息子を理解しようと、これ以上ないくらいの努力をして下さったこと。また、行動を強制される機会の少ない保育園だったこともあり、休み休みだが、たくさんの工夫に囲まれて園での集団生活を経験してもらっていた。

そんな息子の様子を見て、私と夫は行かせる努力は小学校ではしないと決めていた。成長し、だんだんと自分というものを持っていく息子に、集団生活を強制することは、息子を壊してしまい、親子の関係性も壊してしまうことになるだろうと確信があったからだ。
だから私たちは息子が不登校になることを想定して環境を整えてきた。私たちはそれまで考えてきたライフプランを大きく変更し、夫も私も仕事を変えた。祖父母や親戚の助けが借りられるように住む場所も変えた。息子の具体的な安全基地となるように家を建てた。家は不登校でもある程度楽しめる暮らしを想定した上で設計した。私たちはそうやって、満を持して不登校に臨んだ。
息子は私たちの想定通り、2ヶ月半だけ小学校へ通って不登校を選んだ。(休校があったので通ったのはこれだけ)
今、安定して楽しい不登校生活が送れるのは、念入りな準備があったからかもしれない。

それでも、学校という場と完全に離れることへの不安はあった。もともと対人スキルに弱さがある息子を集団生活から離してしまうことへの漠然とした不安だ。だから
「図書なら行ってもいい。」という息子の言葉に乗っかり、図書だけの継続を一年半続けた。
息子は嫌がることもなかったし、それなりに楽しんで通っていたと思う。

だけど、息子はだんだんと「不登校の友達が欲しい」と言うようになった。学校へ行っている子ではなく、自分と同じ選択をしている子とのかかわりを求めるようになった。

更に週に一度とは言え、学校と繋がることが私の中で負担になってきた。週に一度息子に付き添い、学校という場所を大人として見た一年半。さまざまなシーンを目撃した。息子のこと、他の子のこと。先生方の小さな言葉かけ、かかわり方。教育とはなにかということを考えながら「学校」の在り方を見る経験を重ねた結果、私は「学校」に違和感を感じるようになった。
更に、昨年の担任の先生と私は価値観が合わなかった。息子を理解しようとはしてもらえなかったし、私から相談をもちかけても何も相談にならなかった。詳しく書くことははやめておくが、まーまー色々あって、私は先生のことを信頼できないと感じるようになった。

私には、対人にスキルに弱さがある息子を集団生活から離してしまうことへの漠然とした不安があった。だけどここ(学校)にいても、息子の対人スキルの弱さを補うほどの学びは得られないと思うようになった。週に一度息子が学校へ行くよう段取りを整えることはやっぱり大変で。だけどそれだけの労力に見合う経験ができると思えなくなってしまった。

息子は特性からとても疲れやすく、毎日どこかへ通うことや、毎日のように活動し刺激的な日々を送ることは今はまだ難しい。彼が疲れすぎない程度の回数で彼の成長の糧となる経験や出会いをしていきたいという思いが私の中にはある。貴重な外部とのつながりは、信頼でき、労力に見合う経験ができる場所を探す方が良いと思った。

もちろん、うまくいかない、理解されない、理不尽な経験も大切だ。だけどそれは、もっと彼が成長して力をつけて。苦しい時に苦しいと。自分の思いと違うときは違うと訴える力をつけ、傷を癒す方法を知ってからでも良いと思う。

そこで私は信頼できる別の居場所を探すことにした。
現在、デイサービスや習い事など週に1~2度複数の居場所を数時間ずつ掛け持ちするようになった。信頼できる大人、一緒に居て楽しい友達。そういった経験が少しずつできるようになった。今は本人も、学校よりもそちらへ行く方がいいと言うので。これからはしばらく、学校以外とのつながりを大切にしつつ、ホームエデュケーションをやっていこうと思っているところだ。

一年半、学校とつながった時間は、言わば私が覚悟を決めるための猶予期間。だったのかもしれない。
息子は、家庭で育てていくと覚悟を決めた今。
毎日息子と一緒にいられるこの暮らしは、思っていたよりずっと楽しい。
私の人生で、今が一番楽しい時なのかもしれないとさえ思うほどに。

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