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製造業向けAIスタートアップが大手学習塾のDXに取り組んだワケ

こんにちは。
株式会社スカイディスク代表の内村です。

先日、九州最大手の学習塾である英進館様と下記プレスリリースを配信させていただきました。

おそらく九州で知らない人はいないであろう企業様との取り組みは福岡本社のスタートアップとして(そして個人的にも)非常に感慨深いものでした。
が、一方で「あれ、スカイディスクって製造業ターゲットって言ってなかった?」という感想をお持ちの方もいるかもしれません。(まだそこまでの知名度はないぞ!というツッコミがありそうですが、、)
ということで、今回のnoteではその経緯についてご説明したいと思います。

そもそもスカイディスクってどんな会社?

スカイディスクは2013年10月に福岡で創業しました。
現在の事業は大きく2つ。
DXソリューションスタジオが担う「AIを活用したDX支援」と、SaaS事業部が担う「AI×SaaS生産計画立案サービス『最適ワークス』の開発・提供」で、これまで製造業のお客様を中心に198社と460件のDXプロジェクトに取り組んできました。(※2022年12月末時点)
今回の英進館様との取り組みはDXソリューションスタジオによるものです。

ちなみに私は創業社長ではなく、着任した3年前から経営体制を一新、大きくターンアラウンドしたスタートアップです。
※詳細は以下noteに記載してますので、ぜひこちらもご覧ください!

大手学習塾のDXに取り組むことになったきっかけ

直接的なきっかけとしては、正直「福岡本社だから」が大きいです。
縁あってお打ち合わせの機会を頂けたのは、間違いなくそこかと。
ただ、一言に「製造業向けAI」と言ってもそのニーズは様々で、画像・音・振動・時系列など多種多様なデータを取り扱ってきたので、製造業以外のお客様でも色々と力になれる部分はあるだろう、という思いはありました。
また、今回は「お客様側で課題が明確になっていて、その解決のためにご指名された」のではなく、我々がやってきたことをご紹介しつつ、現場にどんな課題があるのか、ヒアリングさせていただくところからスタートしたのもプロジェクトが進むことになった大きな理由かと思います。

実はこのように「どういったところからDXに着手すべきか」といったヒアリングから入り、取り組む課題を一緒に選定するところから進めるようなプロジェクトの数はここ最近増え始めています。
これまでの460件のDXプロジェクトは、悔しいですが全てがうまくいった訳ではなく、そこには多くの試行錯誤があります。
我々が最もお客様の力になれるのは、AIエンジニアによるデータ解析ではなく、その経験を活かした所謂コンサルティングに近いフェーズからのご支援なんじゃないかと考えています。
(もちろん、うちのAIエンジニアの技術力には自信を持っています。が、一番の強みは「お客様の課題に向き合う力」だと思います)

具体的な課題、そして解決アプローチ

英進館では、自塾生や入塾希望者だけでなく、外部生も含めて年に複数回の公開テストを実施しています。(九州在住の方であれば、広告などでもよく目にするのではないでしょうか)
実施後、先生方はその結果を踏まえて個別カウンセリングを行うのですが、英進館ほどの塾になるとそのテスト受験生の数は膨大です。
日々の授業カリキュラムも考えながら、個々の生徒の学習計画の指針も立てなければならず、多くの業務負荷がかかっていることが分かりました。
そこで我々がご提案し、共同開発したのが独自AI成績分析システム「E-PAS」です。

独自AI成績分析システム「E-PAS」利用イメージ

「E-PAS」利用の流れは以下です。

  1. 講師はテスト終了後、従来通りに採点・結果をとりまとめる

  2. テスト結果と過去10年の模試データを、E-PASにインプットデータとして入力

  3. E-PAS利用により、生徒一人ひとりの弱点項目がAI分析。分析結果は「復習重要度アドバイス」「重要単元」として、PDFに出力される

  4. 講師はテスト結果とAI分析結果を確認し、生徒ひとりひとりの学習計画を考案。個別カウンセリングにて提示する

この「E-PAS」で活用している技術の中に「ベイジアンネットワーク」と呼ばれるデータの因果関係を分析する手法があります。
なお、我々がこのアプローチを用いたのは今回が初めてではありません。
以前、ある産業機械メーカー様から以下のようなお話をいただいたことがありました。

  • 「納入先の工場で機械が停止する=生産が止まる」なので、トラブルがあった際にどれだけ早く対応できるかが鍵

  • 「故障かも?」の問い合わせが入った際、メンテナンススタッフの手配と合わせて、必要そうな部品は全部詰め込んでお客様の工場に先に送ってしまう

  • この「必要そうな部品」の選定はベテランスタッフの勘と経験によるもの

  • 当然、メンテナンス対応の中で使わなかった部品はたくさん出る。それを返送し、一点一点元あった場所に戻す作業が地味に大変

  • 産業機械の品番・問い合わせ内容・納入からの経過年数等を元データとして「必要そうな部品」をもう少し絞り込みできれば生産性アップに繋がるかも

そう、この時の実証実験でのアプローチのひとつがそれです。
製造業向けに培ってきた技術・経験を他業種に横展開できたという意味でも、今回の取り組みはスカイディスクにとって非常に意義のあるものになりました。
また、先生方の業務負荷をAIで軽減することにより、先生方が「より各々の力が求められる、"クリエイティブ"な仕事に時間を割くことができるようになった」ことは、業種は違えども我々のミッション「ものづくりを、もっとクリエイティブに」に通じるアプローチができたと思っています。
「AIが仕事を奪う」という論調もあったりしますが、「AIができる仕事はAIに任せる」「AIを活用することで、人が人にしかできない"クリエイティブ"な仕事に集中できる」環境を増やしていくことで、スカイディスクは世の中に貢献していきたいと考えています!

ということで、スカイディスクは積極採用中!

いつもの決まり文句ですが(笑)
エンジニア・Bizどちらも積極採用中ですので、ご興味のある方はぜひご連絡ください!(今回のnoteでDXソリューションスタジオに興味を持っていただけた方もぜひ)
なお、カジュアルに話を聞いてみたい方もウェルカムです。

もっと会社を知りたい、という方はこちらも!

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