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なぜ窮地に陥ったAIベンチャーの代表を引き受けたのか

はじめまして、株式会社スカイディスク代表の内村です。
少しでも多くの方々に会社を知ってもらうため、マネージャー陣は月一本ずつnoteに記事を書くという厳しいルールが課されることになりました(笑)
ということで、今月から頑張ります。
初回は私の代表就任経緯について書きたいと思います。


スカイディスクについて

スカイディスクは2013年10月に福岡で創業した会社です。
元々はデータを収集するためのIoTセンサー・デバイスを開発していたのですが、スマートファクトリー化の潮流に乗り創業5年目の2017年あたりから製造業をメインターゲットに据えたAI活用ソリューション事業にピボットをしました。

データを収集した後のことを考えるとこの流れは自然かもしれませんが、ハード中心からソフト中心への転換は社内リソース的にもなかなか大きかったのではないかと思います。
2019年春にはシリーズCを実施、累計調達額は約17億に。
地方とはいえ福岡は大都市ですが、それでも二桁億の資金調達はまだまだ珍しく、福岡のスタートアップ界隈ではそれなりに名の知られた存在になりました。

私が代表に就任したのはそれからしばらく後の2019年12月、早いものでもう3年になります。

その前は何をやっていたのか

その直前までやっていたのは地元である熊本のプロバスケットボールクラブ「熊本ヴォルターズ」の経営です。
3.11を機に東京からUターンして以降「地方にいるからこそできる仕事」に強い想いを持っていた私にとって、それはひとつの解でもありました。
創業から赤字続きで債務超過寸前状態の同社の再建にどこの馬の骨とも分からない私が関わることは全てのステークホルダーから望まれていたわけでは当然なかったし"カンタンでおいしい仕事"とは程遠いものでしたが、全力でコミットするため退路を断ち創業社長とともに代表権を持って取り組み、約2年で売上2倍・純資産18倍という成果を上げることができました。

もちろんこれは私一人の力ではなく、当時一緒にやっていたメンバーや選手、そして過去も含めて関わってくれた全ての方々のおかげです。
ただ、どんなに厳しい環境であろうとも「必死でやったらちゃんと結果がついてきた」ことは非常に大きな経験になりました。

そんなこんなで、とりあえず最悪の状態を脱することができた。
ではこの先どこへ、どこまで目指すべきなのか。
大企業が続々と参入する環境下でのクラブの方向性について創業社長との間に少しずつズレを感じ始めた2019年夏、知人を介しスカイディスクの株主であるアーキタイプベンチャーズの福井俊平さんから「CXOを探している」という相談をもらいました。

決断の理由

「もしフルコミットするにしても10ヶ月くらいはかかる。すぐすぐだと週一でもお手伝いできるかどうか…」
「それでもいいので、話だけでも聞いてみて欲しいです」
そんなやり取りの後、とりあえず現状を把握するため福岡本社に向かい、経営陣だけでなくオフィスにいた社員も含めて色々と話を聞いて回りました。
その率直な感想は「10ヶ月後に会社が残っているか分からない」。
自分がなんとか時間を作って週一程度で入ったとしても付け焼き刃にしかならず、おそらく状況は変えられない。
申し訳ないけど断ろう、そう思って福井さんに話した際、こんな返答をもらったのです。

「17億円も調達した九州の会社はほとんどない。もしスカイディスクが失敗すると『やっぱり地方のベンチャーは東京と比べてダメだ』というレッテルを貼られかねない。
他の地方のベンチャーのためにも、絶対に成功させなきゃいけないんだ」

これこそ「地方にいるからこそできる仕事」じゃないのか!
九州そして地方のベンチャー界がもっともっと活性化するためには、まだまだ東京一極集中の現状を変えるには、九州発のこの会社を絶対に成功させなきゃいけない。
誰もいないなら、自分がやるしかない。
断ろうと思ってたのになぜか勝手な使命感に駆られてしまい(笑)、口から出たのは「やります」という言葉でした。

時々「どのあたりでいけると判断されて参画したんですか?」といった質問をいただくことがありますが、勝算があったわけでは全くありません。
改めて振り返ると当時の決断は無謀過ぎて怖い。。
そして、この急な決断により多くの方々に迷惑をかけてしまい、お詫びして回りました。(直接お詫びできなかった方々もおり、今でも大変申し訳なく思っています。スポンサードできるように早く会社を成長させたい…!)
より大変な仕事を引き受けるためにお詫びして回るというのも変な話ですが、一刻も早くやらなきゃ、という一心でした。


これが、スカイディスクの代表を引き継いだ理由です。
その後は皆さんご想像の通り怒涛のハードシングスが続くわけですが、それについては次回以降に書いていこうと思います。

現在のスカイディスク

せっかくなので、少しばかり近況を。
当時のスカイディスクはAIソリューション事業のみで、ほぼ100%がフロー型収益モデルでしたが、AI×SaaSプロダクトを開発・リリースしています!

※生産スケジューラとは「この製品を・何個・いつまでに」というオーダー情報から工場の設備・スタッフの最適な割り当て計画をAIが立案するシステム

昨年10月にパイロット版、今年4月に正式版の提供を開始したばかりですが、すでに名だたる大手製造業に導入いただいてます!

ということで、スカイディスクは絶賛採用活動中です!
セールス、CS、サーバーサイドエンジニア、管理部門マネージャー候補など全ポジション募集しておりますので、ご興味のある方はぜひ!

COOの後藤がこんな企画もやってます。

受託開発AIベンチャーがどのようにしてAI×SaaSプロダクトを立ち上げたのかについても、どこかのタイミングで書こうと思います!

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