【考えなしの行動?】読書感想文
著者: ジェーン・フルトン・スーリ
翻訳: 森博嗣
出版社:太田出版
人が日常生活の中で何気なくやってしまう行動を、作用・反応・同化・活用・適合・順応・合図の7つのテーマに分けて、写真に短いコメントをそえる形で収録しています。
思わず「あるある〜」となってしまう無意識の習性や行動の写真がワンサカです。
表紙の、支払いの際に両手が塞がっている時にその荷物を口にくわえてしまう、とかね。
冒頭に森博嗣さんの解説があり、それが非常に興味深かったです。
「デザイン」という言葉の本来の意味を、日本人は誤解していると。
森先生は建築を学んでいらっしゃったんですね。まったく存じ上げなかった。
「デザイン」とは本来「設計」の事だそうです。
「飾り」とか「ファッション」ではない領域こそが、デザインの対象であると。
なるほど。そう考えると、人が無意識にやってしまう行動にフォーカスすると、そこにデザインのヒントがあるという事ですね。
【着眼】街に出て、人々の行動を観察し、どこを見てどこに目をつけるのか。
他人の目を通して見るのではなく、自分の視点を持て、ということだろう。
【発想】目をつけるだけでなく「なにか引っ掛かるな」と思った場面を覚えておく。
考えれば、上手くすれば「閃き」を掴むことができるだろう。
「いいかい、ワトソン君。
君の初歩的なミスは、人が積極的に意図しない行動には、いかなる理由も存在しないと思い込んでいることだ」
こういう何気ない引っ掛かりに着目して閃く人が便利グッズを思いつくのでしょうか?
最近の100均の進化は凄いもの。
主婦は意外と強いかも知れないな。
パラパラと読むのにちょうど良いサイズ感でした。
デザインを学ぶ人でなくても5分10分で読み終われるくらいです。
あとは個人的に美容師として。
「デザイン性のあるヘア」というと、少しエッジが効いていたり、カラーが特徴的だったりというイメージでしたが、特別エッジが効いてなくても、ナチュラルなカラーリングでも、その方にとって「毎日扱いやすい事」もデザイン性があるって事!自信を持って(特に時間のない女性たち)にオススメできると思えて良かったです。
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