『メリー・ポピンズ リターンズ』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜67本目〜

   前作の良さを上手く引き継ぎ、最新技術を巧みに駆使する。これにより、「メリー・ポピンズ」を「現代の新しい映画」へと見事生まれ変わらせた。それが本作である。観る人を元気にさせる、そんな魔法のような作品であった。

67本目 : 『メリー・ポピンズ リターンズ』(2018)

       『メリー・ポピンズ リターンズ』(2018)

脚本 : デヴィッド・マギー / 監督 : ロブ・マーシャル

             「A Cover is Not the Book」

物語のあらすじ&見所紹介

  舞台は、前作から20年後のロンドン、大恐慌時代。本作は、バンクス家の長男=マイケル・バンクス一家の物語。

  バンクス家の「幸せ」を取り戻すために、メリー・ポピンズが再び帰ってくるのだ。

   メリー・ポピンズから、「大人になっても子供心を忘れてはいけない」という大切なことを学ばされる素晴らしい作品であった。

   本作から、作り手の前作「メリー・ポピンズ」への並々ならぬ愛情を感じた。本作は、そんな前作へのリスペクトを随所随所に散りばめた素敵な作品なのである。前作を観ていた人ならば、何十倍もこの作品を楽しむことができるはずだ。

私の1番好きな場面

   私の1番好きな場面は、ロイヤル・ドルトンのボウルの中、そこでのミュージックホールでジャックが歌うシーンである。

   なんとこの場面では、あのペンギンたちが出てくるのだ。本作でもこのペンギンたちが登場してくれたのは嬉しかった。

   しかし何よりも嬉しかったのは、彼らの絵が前作と非常にそっくりであったことだ。これは嬉しいサプライズである。「お前たち、また出てくれたのか!」と彼らに思わず声をかけたくなるほど嬉しかった瞬間であった。

   特に、空中に本で階段を作ってくれるペンギンたちとその階段を軽快に登るジャックとの掛け合いが最高に良かった。この実写とアニメーションのコラボレーションは本当に素晴らしい。この場面こそ、私たちが「メリー・ポピンズ」の世界で観たかったシーンなのだ。

   このロイヤル・ドルトンのボウルの中のシーンには、今のディズニーの本気を感じた。「素晴らしい」としか言いようがない。

最後に

   現在のアニメーションは、3Dを用いたものが主流となっている。だが本作では、前作へのリスペクトの意を込め、2Dアニメーションを用いているのだ。

   前作と同様、あるいはそれ以上の2Dアニメーションと実写を見事に織り交ぜた本作を観て、私は2Dアニメーションの可能性を感じた。間違いなく本作の見所の一つである。

   このように本作は、2Dアニメーションの良さを「今の時代を生きている私たち」に改めて気づかせてくれる貴重な1作であるのだ。

   メリー・ポピンズから学ばされることは多い。彼女の「不可能を可能にする」という考え方に対してワクワクが止まらなかった。彼女が繰り出す魔法には、「世の中に出来ないことことなどないのだ!」と本当に思わせてくれるような力がある。この他にも本作には「明日を生き抜く活力」になるような素敵な言葉がいっぱいだ。

 本作を観たあなたは、きっと観る前のあなたよりも心が軽くなっているのに気づくだろう。このように本作は、鑑賞後とってもハッピーになれる素晴らしい作品であった。

予告編

↓映画『メリー・ポピンズ リターンズ』の予告編です↓

(出典 : 【YouTube】ディズニー公式 「メリー・ポピンズ リターンズ」MovieNEX 予告)

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