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感覚と根拠を明確に分けることでクライアントと手を取り合える仲になれる | 動画を商品として扱う時に役に立つ話

動画を作る時に2人以上集まると、中長期的に見ると必ず意見が分かれます。そして2社以上集まると理解できないところが発生します。仕事上の登場人物のことをビジネス用語ではステークホルダー(stakeholder | 利害関係者)と言います。業種によっては常用語ではないので知っているだけで良いと思います。

これらをうまくまとめていくプロフェッショナルとしてPM(Project Manager | プロジェクト責任者)という役割や職業があります。彼らの仕事は企画を円滑に進行する際に、スケジュールを守りハンドリングしていくことはもちろんですが、プロフェッショナルなPMはそこに人の感情を計算することを組み込みます。

プロジェクトを進める上で、人の感情ほど手を焼くものはありません。プログラミングして正常に作動していれば商品が完成する精密機器と人は全くの別物です。しかし感情が発生しないプロジェクトは存在しません。では動画制作の場合どのように人の感情を組み込んで進めていけば良いのか、今回はそんなnoteを書きます。

■簡単にプロフィール

撮影前にキャストの皆様と打ち合わせをしている男、これが私です

・千葉県出身
・大学のゼミでHTMLと動画編集を少し習う
・東京のベンチャー企業に就職し営業マン生活をスタートする
・帯状疱疹や微熱が日常になる
・4桁営業したあたりで「自分で考えたサービスを売りたい」と強く思う
・6年間働いた後に退職
・奥さん(ピアニスト)と大学の同級生(動画編集者)を誘い3人体制になる
・2016年に東京で開業しフリーランスになる
・お金がないことと先が見えないことから不安で衝突が起こる
・とにかく3人でがんばる
・企画営業のやり方が分かってくる
・やや仕事が増えて忙しくなる
・岡山県に移住する(同級生は東京に残りバイトしながらリモートワーク)
・東京と岡山を往復しながらなんとか全員バイトから抜け出し生活できる様になる
・2019年に岡山県で法人化して株式会社ベネルートを設立する
・東京/大阪/岡山の企業と定期的に仕事が継続できる様になる
・中国地方と四国地方で行政の仕事をする様になる
・アルバイトや正社員が増える
・現在3期目


■感覚なのか根拠なのかを明確にする

仕事の中で感情が大きく動くところの一つに、意見が通るか通らないかという事柄が挙げられます。毎回採用されなければヘソを曲げる人もいるでしょう。逆に採用されて自信を持ちより前向きになる人も多いと思います。

これはクライアントも同じです。意見が割れた時にいつも採用されないのであれば色々な感情が出るものです。「発注してるのこっちなのに・・・」「なんか作りたいもの出来るのか不安になってきた・・・」。そんな流れになったら修復するのには時間がかかります。動画の場合はどんなことで意見が割れるのか例を出します。

■「テロップは横か縦か」の例


例えば動画にテロップを入れるとします。縦の表記と横の表記があります。

テロップ縦表記(制作ベネルート)
テロップ横表記(制作ベネルート)

クライアントの会議でこのテロップを横にするか、縦にするかで意見が別れたとします。ここで大切なのはクライアントは「感覚」として好みで提案しているのか、「根拠」として理由を持って話しているのかがとても大切になります。我々が縦型を使うときは、例えば、動画広告を出稿する際にFacebookだとタイムライン上では文字が被ってしまうことを考えて縦にする場合があります。(広告対象により変えますので必ず縦にする訳ではありません)

Facebookタイムライン表示時の動画

この様に画面下部にタイムバーやアイコンが多く表記されていますので文字が被ることが説明出来ます。こちらをクリックして動画を見ようとした場合にPCの場合は下の画像の様になります。

動画をクリックした場合の画面

動画にレターボックス(映画のような上下の黒枠線)が付き、画面が見やすくなります。これらを元にクライアントに説明するのであれば、「認知を獲得するために、まずは目に留まることを最優先に考えたいのであればタイムラインのみで視聴される割合が高いので縦型の方が良いと思います」と根拠を持って説明することが出来ます。

参考までに、横型のメリットは画面占有面積をあげることが考えられますので、横型サイネージなどでは横型がバランスが良くオススメです。

横型と横型サイネージの相性の良さ(ピクニックレストランポラリス様カウンター)
バランスよく横表記が目立ちます(新宿ALTA VISION)

しかしデザインという要素で言うのであればこれに限ったことではありません。
横表記が基本の中に、縦表記が出ると目立つということがあります。

横表記の中に縦表記も目立つ

大切なのは使用用途とデザイン、広告目的と対象のバランスが大切になってきます。自分はこれが絶対良い!と主張する時に感覚やセンスで話すと話はなかなか進みません。

■初期設定が何よりも大事

今お伝えした内容は一例ですが、様々な分岐があるものです。ここの文字は赤の方が良い、フォントはゴシック体が良い、映り込みのロゴは正面が斜めの方が良い、など挙げていけばキリがありません。大切なのは最初にルールを決めることです。ぼくの会社の場合は、クライアントの要望に理由がある場合は基本的に合わせて作ります。理由がなく感覚の場合はこちらに任せて欲しい、と最初に伝えます。このやりとりを最初にしておかないとどちらがセンスがあるかで揉めてしまう可能性も残ってしまいます。なかなか慣れないと話しにくい内容ですが、初期設定をしっかりとしていく練習が大切です。

■広告の出し方を根拠を元に話せる為にオススメな本

LP最強の3パターン制作・運用の教科書

こちらの本はLP(Landing Page | 訪問者が最初に着地するページ)を作る際の考え方を細かく話してくれていますが、応用がいくらでもきく内容で企画書を作る時は辞書のかわりに読み返しています。動画を扱う方にもハッとする内容があると思います。

最後まで読んでくれてありがとうございました。
少しでも役に立てたら嬉しいです。

内田


株式会社ベネルートは2016年に東京にて創業、2019年に岡山県で法人化した制作会社です。ブランディングデザイン事業部とミュージックアート事業部から構成。


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