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【#13】ビジネス書評600冊やってみる『三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾』近藤 康太郎著
「ダドン」頭を殴られたような衝撃。
いい本と出会うと、筆者と今の自分の実力の差を痛感する。
「今のままじゃダメだ」焦りなのかなんなのかわからない。
ただ「何かを変えなくては」そんな思いに駆られる。
書く仕事を志す自分にとって学びしかなかった。
30年以上文章で生計を立てている筆者の言葉はどれも重い。
鉄の塊のようだ。
時に激しく、時に柔らかく心に迫ってきた。
筆者紹介
近藤康太郎
朝日新聞編集委員・日田支局長。作家/評論家/百姓/猟師/私塾塾長。1963年、東京・渋谷生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、1987年、朝日新聞社入社。川崎支局、学芸部、AERA編集部、ニューヨーク支局を経て、2017年から現職。
内容
「文章術の入門編はもう読んだ」「文章で飯を食っていきたい」
そんな人に刺さる内容だろう。
文章の達人である筆者が、誰でもマネできる文章テクを25発教えてくれる。
私は反省しっぱなしだった。文章を書く前の心構えや書き方、勉強の仕方、推敲のやり方までどれも足元にも及ばなかったから。
書くことで生計を立ててきた筆者に感服。
筆者が費やした30年以上という時間、書くことに対する真摯的な姿勢。
大ベテランだが、おごりのようなものを一切感じない。
本書を通して文章の基本、ライターの心得、自己管理方法、生きることまで多くを考えさせられた。
心に残ったトコロ
ここからは、特に心に残ったトコロをいくつか紹介していく。
他の文章術の本では書かれていないような箇所がたくさんあった。
レベルが変わらないように思える、長く苦しい時間を耐えられるか、どうか。ライターになる人/ならない人を分けるのは、そこだ。そこだけだ。
初心者の頃は上達が早い。やればやっただけ成果も上がる。
しかし、必ず停滞期はやってくる。
そのとき、どこまでモチベーションを保てるか。
続けられるか。
いかに継続が大切さかを筆者は訴えている。
例えば、1年以内にブログ始めた人のほとんどが辞めるといわれる。
上達を感じられなくてもとにかく続けることなんだ。
ちょっと書き方を変えたり、環境を変えたりしてみる。
文章が上達したかったらとにかく書き続けるしかないんだ。
自分の心に痕跡が残された。その痕跡の証は、作者に返したい。そう思えない人が文章を書こうなんざ、ちゃんちゃらおかしい。
ある程度キャリアを積んだ者は、自腹で本を買おうぜってことだ。
ものすごく共感する。
本なんて1冊1000円ちょっとだし、お金出して買った方が真剣に読める。
本を読むほど年収が上がるなんて統計もある。
だから、本こそ迷わず買っちゃえばいいもんだと思う。
たった1冊の本が一生を変えてしまうことだって本当にある。
もし駄本だったとしても、損失はたかがしれている。
飲み屋でお姉ちゃんに払う金額を考えれば安いもんだ笑
小さく音読する。流れるように読めるか。つっかえるところはないか。句読点の位置は適正か。
6回。
筆者が本書を書き上げるまでに推敲した数。
400字詰め原稿用紙に書いていって、筆者の背後には紙の山ができたそう。
読み直す、書き直すって神経使うだろう。
ライティングの案件でも、修正の作業が一番しんどい。
一発目に書く作業はよほどラクだと思う。
6回も推敲するのは並大抵じゃない。
熱量、情熱、本気度、真剣さ。
感想
生きるためにかく。書くために生きる。
筆者は書く仕事を通して、生きる意味を見出したのだろう。
「書くとは簡単なもんじゃないよ。だけど、素晴らしいもんだわ」
筆者のメッセージとして感じた。
書くことを愛する筆者の言葉は、厳しくも温かい。
本を読んでまで「上手く書けるようになりたい」とお思いなら、必ずタメになるだろう。
筆者渾身の文章術の本。読んでトクしかない。
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