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Social Organic Cosmeが出来るまで② ー 島で知った「耕作放棄地」のコト ー

1.豊かな自然と隣り合わせの“課題”

穏やかな瀬戸内海と野生動物の住まう山。
温暖な気候と地形が育む、豊かな自然と幸に恵まれた小豆島は観光地としても国内外から絶大な人気を誇る。

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生命力の象徴「オリーブ」や瀬戸内の代名詞「レモン」の他にも、様々な野菜や果物が実り、米、素麺、醤油、味噌、塩、海苔など食卓に上る食材のほぼ全てが揃う。
塩にいたっては弥生時代から生産され、御名代地や皇室、神社などの塩荘園として発展した歴史もあるほど。
近年はリモートワークが定着し、都心部で働くキャリア層の移住者が増えていることも納得の魅力溢れる素敵な島だ。

昨年から御縁を頂き度々訪れるようになった小豆島だが、人々や土地に触れるにつれて浮かび上がる、地方ならではの課題がここにもあった。

2.「耕作放棄地」とは?

地方ならではの課題。
それは、農業者の高齢化や若者の農業離れなどによって「耕作放棄地」が増えていることだ。

耕作放棄地とは、“もう利用されていないが、過去に作物が育てられていた土地”のことを指す。
農林水産省では「以前耕作していた土地で、過去1年以上作物を栽培せず、しかもこの数年の間に再び耕作する意思のない土地」と定義している。

耕作放棄地が増えているのは小豆島に限ったことではなく、日本全国でその面積は年々増加しており、ここ40年余りで約300,000ヘクタール以上も広がり続けている。

3.耕作放棄地が増えると何が問題?

耕作放棄地が増えると、いくつかの問題が発生してくる。

●農地の減少に繋がるため、食料自給率低下の原因になる。
●農地として適切な管理がされなくなることで、土壌の質が悪化し作物が育つための栄養素が失われる。
●害虫や雑草が発生しやすくなるため、周囲の農地の作物にも被害が及んでしまう可能性がある。
●山に住む野生動物が現れやすくなり、近隣の民家や住民にまで被害を与える恐れがある。

そして何よりも、その生命力で野生化し、人の手を借りずともたわわに実を実らせる正真正銘「農薬・肥料不使用」の果実達がそのまま朽ちてゆく姿を見るのはとても悲しい。

そんな中、昨年東京から小豆島へ移住し、耕作放棄地を手入れしてそれらの果実を活用する取り組みを始められた方がいる。
レモンから始まったその取り組みは徐々に拡がり、現在は他にも枇杷・無花果・杏・蜜柑・橙など多種に及ぶ。
ぼうぼうと生い茂る雑草を刈り、実をつければ採取して、また次の実がなりやすいよう果樹の様子を見ながら丁寧に手を入れてゆく作業。

話を聞きながら「私に出来ることはないか」と考えた時、
かねてから頭の中にあった『人と地球を元気に美しくする』『社会課題解決型』の商品開発への想いが再燃する。
土壌の質を保ち、有効成分を含んだ葉や果実が高機能な化粧品へと昇華することで、『守る人・作る人・伝える人・使う人』四方良しのサイクルを創っていきたい。

ー 社会性×機能性を両立したSocial Organic Cosmetic ー
ここから、第一歩を踏み出すことになる。

ー つづく ー

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